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柳原良平さんが手掛けた絵本の中で、子供に読み聞かせをしたい選りすぐりの作品を紹介します。
柳原良平はどんな人?
1931年東京生まれ。画家、漫画家、イラストレーター、海事評論家など多彩な顔を持つ。京都美術大学卒業。大学卒業後、サントリーに入社。「アンクル トリス」のCMキャラクターを考案し、1958年に毎日産業デザイン賞を受賞。2015年に永眠。
柳原良平さんは、絵本作家だけではなく、漫画家やイラストレーターとしても知られているアーティストです。
船マニアとしても知られており、毎日船を見ていたいということで横浜の山手に住んでいました。
船をはじめとした乗り物が好きなので、乗り物をテーマにした絵本作品もあります。
ストーリーのある絵本よりも、「やさい」「かお」「どうぐ」「におい」などを集めた図鑑のような作品が多数です。
絵は赤ちゃんにも視認しやすいようなシンプルな線で描かれていて、文章もほとんどないので0歳から楽しむことができます。
柳原良平のおすすめ絵本
1.【こぐま社】かおかおどんなかお
【あらすじ】たくましい顔やねむった顔などのいろいろな表情が登場します。
特にストーリーはなく、顔の表情がころころと変わるのがおもしろい絵本です。
例えば、ページ全体におこった顔の表情が描かれていて、下に「おこったかお」と文章が書かれています。
色彩豊かな絵と簡単な文で赤ちゃんからの読み聞かせにぴったりな絵本です。
絵本に描かれている表情を読み聞かせのときにするとおもしろいと思います。
いたずらが好きな子どもが、「いたずらなかお」のニヤッとした顔を真似したら、読み聞かせているママ・パパは思わず笑ってしまうかもしれません。
「人間にはいろいろな表情があるね」と教えるのにとてもよい絵本です。
2.【こぐま社】のりものいっぱい
【あらすじ】電車やタクシー、船など乗り物を紹介している絵本。
子どもは乗り物が大好きです。
柳原さんも乗り物好きの絵本作家で、初めて乗り物絵本に出会う子供たちのことを想像して描かれた作品です。
それぞれの乗り物には丸い目が2つあり、親近感が持てます。
最初のページで自動車に乗っていた男の子が、最後のページでは新幹線に乗っています。
3歳ごろからそのような細かい変化に気がついてくるため、「どうして最初は車に乗っていたのに、最後は新幹線に乗ったのだろうね」などと問いかけてみるとおもしろいかもしれません。
船好きな絵本作家が書いてだけあり、客船やタグボート、タンカー、貨物船などが登場します。
1ページに1つの乗り物が描かれ、その乗り物の名前が書かれているシンプルな絵本であるため、初めての乗り物絵本として最適な作品です。
3. 【こぐま社】ゆめにこにこ
【あらすじ】子どもの日々の生活で使う動作を繰り返し言葉で表現した絵本です。
こちらの絵本は、全国学校図書館協議会選定の作品です。日本語の擬態語、擬音語が耳に心地良く残る絵本です。
「かお じゃぶじゃぶ」や「はみがき ごしごし」など日本語の繰り返し言葉の表現が
柳原良平さんのイラストで分かりやすく学べます。
絵本の前半は、食事や歯磨きなど日常の場面で使う表現が書かれており、顔の絵がメインです。
後半になると「かぜ ぴゅうぴゅう」など天気や季節などの情景描写へとテーマが移っていきます。
年齢が低いお子さんは前半に強く興味を示すと思いますが、ちょっと年齢が上がると後半にも興味をもってくれるでしょう。
日本語独特のオマノトペが耳に心地良いので、乳児や幼児の寝かしつけの絵本としておすすめです。
4.【こぐま社】やさいだいすき
【あらすじ】16種類の野菜が次々に登場します。
柳原良平さんの絵本というと、乗り物のイメージが強いですが、こちらは野菜がテーマの作品です。
乗り物の絵本と同じく、1つ1つの野菜に顔がついていて親近感がもてます。
文は短くてリズミカルです。
「だいこん いっぽん」「にんじん にほん」のように野菜と数字がでてきますが、3までの数字しか出てこないため、小さいお子さんの読み聞かせの絵本として最適です。
子どもが野菜嫌いでなんとか野菜好きになってもらいたいときに読むのもいいでしょう。
お顔のついた野菜が赤ちゃんに語りかけるような文なので、この絵本のタイトルのように野菜嫌いな子でも「やさい だいすき」とにっこり顔になるかもしれません。
5.【こぐま社】おうちのともだち
【あらすじ】朝起きてから夜眠るまでの身近な家のものが順序よく登場します。
この絵本は、物を大事にすることを子供たちに教えたいときに読むのがおすすめです。
他の作品と同様に、家の中の身の回りの物が柳原良平さんの愛嬌のある顔つきの絵で描かれています。
まんまる目が特徴の優しい顔のため、赤ちゃんでも興味を示してくれます。
コップ、お皿、ボールなどのように日常生活で身近な物がでてきます。
物に、「おちゃわんちゃん」や「おさらさん」などのように「ちゃん」や「さん」をつけて呼んでいるため、読んでいる子どもにとっては、その物がお友達のような感覚になります。
何度も読んでいるうちに子供も「おちゃわんちゃん」とちゃん付けで物を呼んで大事にしようと思ってくれることでしょう。