宮西達也の絵本~読み聞かせにおすすめの5冊~

宮西達也さんが手掛けた絵本の中で、子供に読み聞かせをしたい選りすぐりの作品を紹介します。

宮西達也さんはどんな人?

【プロフィール】
1956年、静岡県生まれ。日本大学芸術学部美術学科を卒業。「きょうはなんてうんがいいんだろう」で、講談社出版文化賞絵本賞、「ふしぎなキャンディーやさん」で日本絵本賞読者賞を受賞。

宮西達也さんは絵本作家です。

オリジナリティー溢れる絵と、心に深く残るストーリーで、大人気の作家さんです。

キツネはブタを食べるもの、猫はネズミを食べるもの、木からは実がなるもの、といった常識を簡単に打ち破り、子供たちに楽しさを与える作品が多いです。

単純な文章が連続する作品から、文章量が多く読み応えがある作品まで、どれも作者の想いが余すことなく詰まった作品ばかりです。

そして、どの作品にも「まさか!」という展開が待っていますよ。

宮西さんは、私たちの心にいつも不思議な種を蒔いてくれます。

どんな実をつけるかは、読み手、そして子供たちに委ねられています。

宮西達也のおすすめ絵本

1.【金の星社】キツネのおとうさんがニッコリわらっていいました


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【年齢】3歳頃から
【あらすじ】おいしいコブタを狩ってくると出掛けたキツネのお父さん。自分を食べようとしているとは思っていないコブタからりんごや花をもらい、その優しさに心を動かされ、狩りをせず、笑顔で帰っていく。

このお話の見所は、なんといってもキツネのお父さんのおとぼけぶり。

狩りのため、コブタに後ろから迫るものの、自分を食べようとしているとは思っていない純朴なコブタに、まんまと言いくるめられてしまいます。

木登りを手伝ってと言われれば、素直におしりをおしてあげ、種を蒔いたところを踏むなと怒られれば、ごめんと謝り一緒にお水をあげます。

そして、そのおとぼけから展開が一変し、リンゴや花をくれる、コブタの優しさに触れ、キツネのお父さんの心が動くのです。

悪だくみをしている「ヒヒヒ」という笑い方が、コブタの優しさを感じて「ニッコリ」とするほほ笑みに変化する様子を、声色を変えながら読んであげると、子供たちにもキツネのお父さんの感情の変化が感じられ、よりお話を楽しむ事が出来るでしょう。

2.【ポプラ社】ヘビくんどうなったとおもう?


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【年齢】2歳頃から
【あらすじ】木の上でお昼寝をしたいヘビくん。登れないでいるところ、あくびをしたら、吸い込んだ空気で体が膨らみ、風船のように体を浮かせ、登ることができた。

作中、何回か出てくる「どうなったと思う?」という問いかけに、子供に答えてもらいながら読み進めると楽しいです。

子供たちは想像力を働かせ、ヘビくんの行動に心を寄せて、お話に引き込まれていきます。

ヘビくんが何度も落ちてしまう展開が続くので、「また落ちる!」と子供たちの予想が当たり始めます。

しかし、あくびをしたらどうなるでしょう?

体が膨らむというまさかの展開に、意表を突かれた子供たちは大いに喜んでくれます。

諦めずに、果敢に挑戦する事は大切です。

けれど、たまには、あくびが出るほどリラックスすると、思わぬ成果が得られる事もあるんだよと、ヘビくんが体現してくれているような作品です。

3.【金の星社】ふしぎなたねやさん


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【年齢】3歳頃から
【あらすじ】オオカミに遭遇するブタくん。しかし不思議な種屋さんで手に入れた種を蒔き、育った木になった雪だるまや風船、そして恐竜に助けられる。

不思議な種屋さんには、色んな形の種がおいてあります。

子供たちに、「これは、何の種だろう?」と問いかけながら読み進めると、楽しいです。

果物などを予想するも、雪だるまやドーナツだったりと奇想天外な実がなるものですから、子供たちは大喜びです。

一番の盛り上がりは、ブタくんがオオカミに遭遇し、あわやという場面で、満を持して登場する種が育つシーンです。

襲われるドキドキと、次は何が育つのだろう?というワクワクが相まって、子供たちの心は、ますます高揚するでしょう。

また、種を育てる「ネタネタロデネタ~」という不思議な呪文も、お話の盛り上げに、一役買っています。

子供たちと一緒に唱えながら読むのも、楽しいですよ。

4.【すずき出版】ちゅーちゅー


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【年齢】4歳頃から
【あらすじ】ねずみではないと偽る子ネズミ達が、ねずみを知らない猫に「ちゅーちゅー」は大好きの意味があると嘘をついたことで次第に心を通わせていく。

ネズミを知らない猫に対して、子ネズミがネズミの特徴をでたらめに言い連ねると言ういたずらがとても楽しいです。

「ネズミはぽよよーんってなくんだよ」など、嘘を教える子ネズミのいたずらな気持ちに同調し、子供たちは楽しそうにお話を聞いてくれます。

しかし、猫が子ネズミを助けようと、木から落ち、動かなくなってしまうシーンから、お話の雰囲気が一変します。

子供たちは、悲しさや、嘘をついた後悔など、子ネズミの同様に感情移入し、とても深刻な表情に変わります。

前半と後半で大きなメリハリのあるこの作品は、とても読み応えがあり、子ネズミの複雑な心境の変化から、子供の印象に強く残る作品です。

5.【金の星社】あなたがとってもかわいい


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【年齢】1歳頃から
【あらすじ】笑った顔や泣いた顔。赤ちゃんから見てきた、どんな顔もかわいい。そしてそれは、大きくなった今も、これから先も変わらない、とお母さんが子供に語る。

お母さんが、子供への愛おしさを、伝えている作品です。

○○の顔がかわいい、という単純な言葉の連続ですが、それゆえ、子供たちの心に残りやすく、愛が伝わるでしょう。

普段なかなか子供と向き合う時間が取れないお母さんも、この絵本は、子供への愛を伝えるサポートをしてくれます。

読み聞かせた後、最後のシーンのように、ぎゅっと抱きしめてあげると、さらに気持ちが伝わりますね。

また、これから弟妹が産まれる子供に読んであげるのもおすすめです。

自分への愛が薄れてしまうのではないかといった不安を和らげる、一助となってくれるでしょう。

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