目次
1歳~2歳頃の子供がご飯を食べてくれない理由とその対処方法を紹介します。
『食べない理由のチェックリスト』に沿って子供の食事の様子をよく観察しましょう。
食べない理由がわかれば対応の仕方を変えていきましょう。
思い当たりませんか?子供がご飯を食べない理由を確認しよう
1歳半を過ぎると離乳食が終わり完全食に移行します。
しかし、離乳食の時は、出されたものを素直に受け入れて、順調に食べていたのに、完全食になってから「急に量を食べなくなってしまった」というお子さんもいるのではないでしょうか?
また、好きなものばかり食べる「偏食」にも悩まされると思います。
1~2歳は味覚が発達するばかりでなく、知能や心も著しく発達(変化)する時期で、昨日まで食べていたものが今日になって食べなくなるという状況がよく発生します。
離乳食が完了したとはいえ、心も体も未熟な1~2歳の子供は、生活環境のちょっとした変化にも敏感に反応して食欲が変わることがあります。
何故、食べないのかと疑問に思った時に、ヒントになるよう以下に「食べない理由チェックリスト」を作りました。
なお、1,2歳向けに作ったチェックリストですが、食育に関わる基本的な理由であるため3歳以上の幼児にも役立つことでしょう。
子供がご飯をあまり食べない・偏食をする場合には、主に次の10の理由が考えられます。
以下では、それぞれの項目について説明します。
1.好きな食べ物を多く給仕している
例えば、甘くておいしい「かぼちゃ」が大好きなお子さんは多いと思います。
「よく食べてくれるから」という理由で必要以上に多く盛っていませんか?
好きなものばかりたくさん食べて満腹になっているかもしれません。
食事はバランスが大切です。
好きな食べ物は、むしろ少なめに盛りましょう。
そして、他のおかずも全部食べたら、ご褒美として追加してあげましょう。
2.親が子供に注目していない
子供は、自分のことを一番に注目してほしいと思っています。
大好きなママ・パパが見てくれていないと食欲がわいてきません。
それなのに食事中に夫婦でお話ばかりしていて、子供の存在を忘れてしまっていませんか?
はたまた、家事・育児の方針や分担をめぐって夫婦げんかまではじめる!なんてことはないでしょうか。
夫婦の大事な話は子供が寝た後にしましょう。
食事中は、子供の様子をよく見てあげて、やさしく、笑顔で声をかけてあげましょう。
3.食事中にテレビがついている
子供はテレビが大好きです。
食事中にテレビが付いていると、気になってご飯に集中できません。
ご飯を噛む回数が減り、食べる速度も遅くなってしまいます。
食事がなかなか進まないと、そのうちに血糖値が上がってしまい満腹感を感じてしまいます。
テレビは消して、食べることに集中させましょう。
本来、腹ペコの子供は夢中でご飯を食べてくれます。
4.全体の食事の量が多すぎる
完全食になると、大人用に作った料理を、取り分けて食べさせる機会が多くなると思います。
この時、「大人と比べて、このくらい!」という感覚で量を決めていませんか?
子供によって「適量」は異なります。
大人にとっては少ないと感じるようでも、実はその子にとっては量が多すぎるかもしれません。
毎回残すのであれば、「量が多すぎる」可能性が極めて高いです。
食事の量は、必ず完食できる量にまで減らしましょう。
そして、完食したら「すごいね!」と褒めて、すかさず「おかわりいる?」と言って食べる量を増やしてあげましょう。
小食・偏食を克服するために、「完食することができた!」という達成感を子供達に味わってもらうことが一番大切です。
「しっかり食べられたね」と大好きなママに褒められると、食べることもどんどん好きになって、次第に食べる量も増えていきます。
反対にその子にとって多すぎる量のご飯をあげて、子供が残して、親が怒るのは逆効果です。
もしかしたら食事が嫌いになってしまうかもしれません。
食事を楽しく完食するために、「量をできるだけ少なくする」ことが鉄則です。
こちらのコラムも参考にしてください。
5.体調が悪い(ねむい、風邪、など)
いつも元気な子供がおとなしく、ご飯もいつも以上に食べないのであれば体調不良が考えられます。
発熱や鼻水などわかりやすい症状があれば、食べられるものだけ食べて、しっかり水分補給して、ゆっくり休ませましょう。
病気が理由で食べなくいことは致し方ありません。
悪化しないうちに、早めにかかりつけ医に診てもらいましょう。
一方で、わかりずらい体調不良というのもいくつかあります。
ひとつは「ねむたい」です。
お昼寝をしなかった、短かった、または、いつもより激しい運動をした、緊張するような出来事があったのであれば、疲れて眠たくなっているかもしれません。
睡眠欲が食欲よりも勝ってしまうと、無理やり食べさせることもできません。
一旦寝かせて、起きた後に食べたくなったら、食べさせてあげましょう。
もうひひとつは、「お腹の風邪」です。
発熱がないのに、いつもより元気がなく、お腹を押さえるようなしぐさがあれば、お腹の風邪(=感染性胃腸炎)かもしれません。
「ポンポン痛い?」と聞いて頷くようであれば、食べさせないほうがよいでしょう。
無理に食べさせても、嘔吐する可能性があります。
その後、下痢や嘔吐の症状があれば、必ずかかりつけ医にかかりましょう。
6.食べ物の味が気に入らない
味が濃すぎても、薄すぎても、子供は食べてくれません。
苦い、すっぱい、辛いも、苦手ですから、できるだけこれらを感じさせない味付けにしましょう。
薄味が基本ですが、離乳食の延長で、薄いままだと子供には物足りないかもしれません。
とくに保育園に通っている子供であれば、園の給食よりも薄い味だと美味しいとは思えない可能性があります。
心当たりがあれば、保育園に相談して、一度、味見をさせてもらいましょう。
7.食感が気に入らない
完全食になったといっても、あごの力はまだまだ未熟で、咀嚼(そしゃく)能力は発達途上の段階です。
奥歯もすべて生え揃っているわけでもありません。
特にお肉など「硬い」と感じる食材は食べてもらえない可能性が高いので、できるだけ小さめ切ってあげる必要があります。
また、小麦粉や片栗粉をまぶして調理すると、蒸し焼き状態になるため、柔らかく飲み込みやすくなります。
8.見慣れないおかずばかり出てくる
ママが腕を振るって、最高においしいおかずを作った!!
という時に限って、子供は食べなかったりしますよね?
本当に悲しいし、「なんで、食べてくれないの!」と腹が立ちます。
でも実は、子供は「未知な料理」よりも「いつもの料理」が大好きなのです。
特に慎重な性格の子供にとっては、知らない食材が入っているだけでも敬遠してしまいがちです。
珍しい料理や、目新しい料理よりも、栄養バランスのとれた「我が家の定番料理」を1~2週間でローテーションさせて、「いつものあの味!」と思って安心して食べられるようにしてあげましょう。
9.おやつの食べ過ぎ、あげる時間が遅すぎ
おやつの量が多かったり、おやつを食べる時間が遅い場合には、夕食にも影響がでます。
もし、7時前後に夕食を食べるのであれば、遅くとも3時台、できれば3時までにおやつを完了させましょう。
大好きな甘いお菓子がでて、「もっと、ちょーだい!」と欲しがっても、我慢させましょう。
おやつの飲み物も甘いジュースではなく、牛乳かお茶にしましょう。
反対に仕事との都合などで夕食が8時を過ぎる場合には、おやつを「補食」と考えて、おにぎりや小魚など栄養のある食べ物を取らせる必要があります。
10.生活リズムが毎日違う
食事をしっかり食べるためには胃腸をはじめとした消化器官の調子も整える必要があります。
それには規則正しい生活を心がける必要があります。
夜は十分な睡眠時間をとり、日中は体をいっぱい動かすことで、自律神経が正常に活動し、体調を整えてくれます。
「毎日、寝る時間・起きる時間が違う。」「食べる時間も遊ぶ時間も違う。」「朝ごはんは作っていない」という生活では、どうしても食欲にムラがでてきます。
小さなお子さんの生活リズムをしっかり整えることが、バランスのよい食生活を身に着けるための第一歩となります。