【親子で読みたい児童文学】モモ

ドイツ生まれの作家ドイツの作家ミヒャエル・エンデによる「モモ(1973年発表)」の書評です。

子供はもちろん大人にもぜひ読んで欲しい児童文学作品を紹介しています。

「モモ」のあらすじ(冒頭部分のみ)

物語の主人公は廃墟となった円形劇場に一人で暮らしている小さな女の子「モモ」です。

モモは貧しいもじゃもじゃ髪の毛の子供だったのですが、人の悩みを静かに聞くだけで、その人の悩みを解消させてしまうという不思議な力を持っていました。

だから町の人々は子供も大人もみんなモモに話を聞いてもらいたくて、いつも円形劇場は賑わっていました。

しかし、次第にモモを訪れる人が少なくなっていったのです。

なぜなら「灰色の男」達が人々をだまして彼らの時間を奪っていたからなのです。

ついに、モモは時間を失った友達を取り戻す冒険にでるのでした。

「モモ」を親子で読んでほしい理由

1.本当の豊かさとは何か考えさせられる

「モモ」の最大のテーマは、限りある時間をどのように使えば人生が豊かになるのかという問いかけです。

友達のお話を聞くことが大好きなモモが、友達の時間を灰色の男たちに奪われてしまったことで、ひとりぼっちになってしまいます。

ひとりになったモモの孤独や悲しみを通じて、時間の大切さについて気づかせてくれます。

2.大人への不満に共感できる

現代の子供達は、学校、塾、習い事、宿題などなど分刻みのスケジュールで毎日を過ごしています。

大好きなママやパパはいつも仕事や家事で忙しそう。

社会や大人に対する漠とした子供達の不満が「モモ」には描かれているので、本を読んだ子供達はきっとモモに共感して「大人にも『モモ』を読んでもらいたい!」と思うことでしょう。

3.人間の弱さに触れることができる

大人も子供も人生の幸せとは何かという答えを実は知っているのです。

しかし、それがわかっていてもどうすることもできないのです。

そんな、もどかしさを抱えながら人生を歩み続けなければならない人間の弱さ・悲しさを「モモ」通じて改めて感じることができるでしょう。

「モモ」を読んだ感想

第一部はモモと町の人々との交流を描いているのですが、ちっとも物語が始まらず一体どこに向かおうとしているのか、本当に面白くなるのか、と不安の中で読み進めていました。

しかし、第二部で「灰色の男たち」が現われると物語は怒涛の展開を始めます。

最初は読むのに忍耐が必要ですが、モモが円形劇場から冒険に出ると格段に面白くなっていきました。

ただし、灰色の男たちに人々の時間がどんどん奪われて、1分1秒も無駄にせず働き続けるという世界観は、すこし説教くさくて個人的にはあまり共感できませんでした。

というのも、モモの舞台は第二次世界大戦後の先進国における高度成長期を描いたものです。

作者のエンデは大量生産・大量消費という工業社会に警鐘を鳴らしており、これはチャップリンの「モダンタイムズ」の世界観と類似しています。

しかし、最近の先進国は物質的な豊かさはある程度満たされてしまい、むしろゆとりのある時間の中で過ごすことを重視する傾向にあるため、「今さら古臭い」という印象を受ける人は結構いるのではないでしょうか。

そんな古めかしい世界観であっても、私がこの物語に胸を打たれたのは、「ジジ」という登場人物がいてこそです。

ジジはモモの親友で、いつもモモに自分の考えた空想を話しています。

モモはジジの作り話が大好きで、ジジも作り話を聞いてくれるモモが大好きでした。

しかし、ジジもまた町の人々と同様に灰色の男に時間を奪われてしまい、モモに会いに来ることがなくなるのです。

モモはジジを探し求めるのですが・・・。

主人公のモモは時間を超越した存在で、性格もやや人間離れをしているので、大人の読者としてはなかなか共感できない部分もあります。

しかし、ジジは物質的な豊かさに溺れてしまう良い意味で人間臭いキャラクターです。

そして自分の運命をどうすることもできずに苦しむジジの姿に、思わず胸が熱くなりました。

社会の荒波に流されて本当に大切なことを見てみぬふりをしてしまう大人にとっては、ジジは心からの共感を寄せることができる存在と言えるでしょう。


モモ (岩波少年文庫(127))

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