バージニア・リー・バートンの絵本~読み聞かせにおすすめの5冊~

バージニア・リー・バートンさんが手掛けた絵本の中で、子供に読み聞かせをしたい選りすぐりの作品を紹介します。

バージニア・リー・バートンはどんな人?

【プロフィール】
1909年アメリカ マサチューセッツ州ニュートンセンター生まれ。カリフォルニア美術学校で絵画を学ぶ。自然に根ざした素朴な生活を支持するフォーリーコープデザイナーズ活動に従事。1943年「ちいさいおうち」(岩波書店)でコルデコット賞を受賞。19641年に「ちいさいおうち」の訳者である石井桃子さんを訪ねるために来日。1968年に永眠。

バージニア・リー・バートンさんは、画家、デザイナー、絵本作家として20世紀前半のアメリカで活躍したアーティストです。

代表作品「ちいさいおうち」(岩波書店)を始め、制作した絵本の多くは、アメリカ絵本の古典にカテゴリーされています。

バートンさんの作品は、自然と家族を大事にしてきた作家の思いが伝わる作品が多いです。

80年以上読み継がれている絵本のみが持つ、普遍的な魅力にあふれています。

新しい物があふれる現代で、子どもにとってはバートンの絵本は古くさい印象を与えるかなと大人は思うかもしれません。

でも、新しいものと古いもののフィルターを持たない子ども達は、素直にバートンの描く世界に魅了されます。

バージニア・リー・バートンのおすすめ絵本

1.【岩波書店】ちいさいおうち


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【訳】石井桃子
【年齢】4歳から10歳
【あらすじ】かつて静かな田舎に立っていたおうち。周辺の開発が進むにつれて、昔の静かで自然あふれる環境が懐かしくなります。

この絵本の主人公は、家です。

過去、現在、未来と時をテーマにした作品です。

そのため、絵本の内容が理解できるのは小学生以上です。

でも、細かく描かれた絵がとても魅力的なので、幼児期からの読み聞かせにも向いていると思います。

お話に出てくる出来事がちゃんと絵として描かれていますので、小さいお子さんでも、ゆっくり読み聞かせながら、絵を指さしてあげることで、お話しについていくことができるでしょう。

文は難しくはないのですが、お話しが長いです。

読む側は、気合いを入れて読み聞かせをしないといけない絵本です。

夜眠る前にリラックスしながら読むよりも、時間のある週末に読むのがおすすめです。

読んだ後、親子で田舎に住むのと都会に住むのとどちらがいいと思うかなど聞いてみると会話がはずみますよ。

2. 【福音館書店】いたずら きかんしゃ ちゅうちゅう


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【訳】むらおか はなこ
【年齢】3~6歳
【あらすじ】重い貨車や客車をひいていた機関車のちゅうちゅう。あるとき、突然みんなを驚かせることを思いつきます。

機関車が大好きだったバートンの長男のために描かれたデビュー作品です。

機関車の車体の説明がひとつひとつ丁寧についています。

文の中の事柄が絵にきちんと表れています。

絵を指さしながらゆっくり読み聞かせれば4~5歳児でもお話しについていけます。

黒一色の木炭画の作品は、機関車に動きとスピード感を際だたせます。

乗り物好きの男の子は、長いお話しにも関わらず、夢中で最後まで聞き入ってくれます。

横書きでカナが多いので読みにくさが多少あります。

途中で読み間違えてしまうと、走り続ける躍動感あふれる機関車のイメージがあまり子どもに伝わりません。

せっかくの機関車のスピード感を保つために、読み聞かせをする前に何度か声を出して練習しておくことをおすすめします。

3.【福音館書店】はたらきものの じょせつしゃ けいてぃー


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【訳】いしい ももこ 
【年齢】2歳~6歳
【あらすじ】大雪のため、学校や病院や消防署が閉まってしまいます。そんな中、除雪車けいてぃーが大活躍します。

働く車好きの子どもが喜ぶ絵本です。

この作品も絵が細かく描かれています。

細部まで描かれた働く車の絵を見るだけでも、車好きの子どもは満足するでしょう。

絵探しの絵本としても楽しめる内容となっています。

例えば、雪の中でうもれてしまった車が何台も出てくるページがあります。

「けいてぃーはどこかな」などのように問いかけながら読むと楽しいです。

文が長めですので、読み聞かせをさっと済ませたいときに読む絵本ではありません。

ゆっくりと時間があるときに、細部の絵を一緒に見ながら、読んであげることをおすすめします。

4.【岩波書店】せいめいのれきし


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【訳】いしい ももこ
【年齢】5歳~12歳
【あらすじ】地球上に生命が生まれたときから今までの壮大な物語。

恐竜好きな子にはもってこいの絵本です。

科学的な内容の絵本なため、小学校の中学年以上のお子さんにおすすめです。

「恐竜はどうして絶滅してしまったの?」などの子どもからの質問に答えてくれる絵本です。

図鑑を見せるよりも、お話しになっているために、物語を読んでいるように楽しく読めます。

82ページある絵本なので、今日はここまでと区切りながら少しずつ読みます。

幼児や小学校低学年だと、内容が難しいので、細かく描かれた絵を見るだけで十分かもしれません。

小さいお子さんに読むときは、分かりやすい言葉で説明を補足する必要があります。

科学好きなお子さんや恐竜好きの子におすすめの一冊です。

学年が上がり、知識が増えたころに、子ども1人で読むと新たな発見がある奥深い絵本だと思います。

5.【岩波書店】名馬キャリコ


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【訳】せた ていじ
【年齢】4歳から8歳
【あらすじ】名馬キャリコとカウボーイの少年は、牛を盗んだ悪漢5人組を相手に大活躍します。

版画で描かれたモノトーンの絵本。

アメリカ西部の開拓時代が舞台のお話しがコママンガで描かれています。

モノトーンなので印象は地味ですが、白と黒の世界で描かれているがために、躍動感を感じる作品です。

はらはらどきどきの西部劇のお話しなので、この絵本を読み聞かせるのは、お母さんよりもお父さんの方が興味あるかもしれません。

訳が読みにくく、発音しづらいです。

例えば、悪党の名前は、「すごみやスチンカー」や「はげたかベイツ」といった具合です。

読み聞かせをする前に絵本を事前に読んでおくといいと思います。

動物の中でも馬好きな子どもや悪党を倒す戦隊ものに興味のあるお子さんにおすすめの1冊です。

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