酒井駒子の絵本~読み聞かせにおすすめの5冊~

酒井駒子さんが手掛けた絵本の中で、子供に読み聞かせをしたい選りすぐりの作品を紹介します。

酒井駒子はどんな人?

【プロフィール】
1966年兵庫県生まれ。東京芸術大学美術学科油絵科卒業。1998年「リコちゃんのおうち」(偕成社)がデビュー作品。2004年「きつねのかみさま」(ポプラ社)で第9回日本絵本賞受賞。2006年「ぼく、おかあさんのこと・・・」でフランスPITCHOU賞受賞。同作品でオランダZilveren Griffel(銀の石筆)受賞。

酒井駒子さんは、大学卒業後、着物や和物のテキスタイルデザイナーを経て絵本作家となりました。

作品は子供だけではなく、大人をも魅了させるため、大人女子ファンから多くの支持を得ている絵本作家です。

黒や白が基調の絵が多く、どこか物静かな雰囲気の中に純粋無垢な子供らしい子供が登場する絵本が多いです。

酒井駒子さんの多くの作品は、アメリカ、フランス、ドイツ、オランダなどの欧米諸国とアジアでは中国、台湾、韓国で翻訳されており、海外でも高い評価を受けています。

フリーのイラストレーターとしても幅広く活躍されていて、絵本以外にも書籍やCDなどの装画の仕事をされています。

酒井駒子のおすすめ絵本

1.【偕成社】よるくま


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【年齢】2歳から5歳
【あらすじ】「ぼく」が寝ようとすると黒いクマの「よるくま」が玄関に現れます。お母さんがいないと泣いているので、「ぼく」はよるくまのお母さんを探しに一緒に出かけます。

色々な場所を探しても「よるくま」のお母さんを見つけることができず、とうとう泣いてしまいます。

「よるくま」の涙で真っ黒のページがあるのですが、突然出てきた流れ星についていくと、その先にお母さんがいました。

やっとお母さんに出会えて、読んでいる大人も子供もほっと安心します。

酒井駒子さんの優しいイラストもさることながら、「ぼく」とお母さん、「よるくま」とよるくまのお母さんの親子からそれぞれたくさんの愛情を感じさせる文章も魅力です。

最後のページの「おやすみ」で絵本を聞いていた子供の寝息が聞こえてきそうなくらい、読み終えた後は安心感でいっぱいになり、心が温かくなります。

一度、読んであげると「また読んで」と必ずせがまれる絵本です。

子供を寝かしつけるときに最適な一冊と言えるでしょう。

2.【白泉社】よるくまクリスマスまえのよる


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【年齢】2~5歳
【あらすじ】クリスマスイブの夜、たくさん叱られた「ぼく」はプレゼントが届かないかもと不安になります。そこへ、よるくまが「ぼく」をなぐさめに遊びに来ます。

大人気「よるくま」のクリスマスバージョンです。

「ぼく」とよるくまの友情が描かれている心がほっこりする絵本です。

それと同時に、読んでいる親としては、少し反省させられます。

いつも叱られている悪い子にはサンタさんは来なくて、まだ小さくてかわいいよるくまはいい子だからサンタさんがくるという箇所があります。

普段、子供を叱るときに、なにげなく「そんなことをしているとサンタさん来ないよ」と言っている母親としての自分を反省させられます。

大人は軽く言っていても、そういう言葉を子供は真剣に受け止めてしまうものです。

子供が好きなシーンは、おもちゃの飛行機で「ぼく」とよるくまが夜空を飛び回るページです。

読んでいる大人も、幻想的なページに思わず魅入ってしまいます。

クリスマスシーズンに親子で一緒に読みたい一冊です。

3. 【白泉社】ロンパーちゃんとふうせん


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【年齢】0歳から5歳
【あらすじ】黄色い風船をもらったロンパーちゃんは、風船が飛ばないようにしてもらいます。それでも風船は強い風で飛んでいってしまい、ロンパーちゃんは泣いてしまいます。

表紙の女の子を見ると外国の絵本作家が書かれた本かと勘違いをしてしまうかもしれません。

よるくまの印象とはがらりと変わり、洋風のイラストです。

文は少ないのですが、どのページにもロンパーちゃんの風船への愛着が感じられる様子が巧みに描かれています。

ロンパーちゃんが風船を友達のように思い、一緒にお外でおままごとをしている姿が特にかわいいです。

風船が飛んでいってしまうページを読むと、子供も一緒になって悲しい顔になります。

幼児期の子供はふわふわしている風船が大好き。

この本を読み聞かせると、愛くるしいロンパーちゃんの姿と黄色い風船に子供たちは釘付けになります。

海外でも人気があり、数カ国語に訳されている作品です。

4.【文渓堂】ぼくおかあさんのこと


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【年齢】3歳から6歳
【あらすじ】「お母さんのことがきらい」と気になる文でお話しは始まります。お母さんのことが大好きすぎて、だだをこねるうさぎの男の子のおはなし。

この本は、2006年にオランダZilveren Griffel(銀の石筆)賞を受賞した作品です。

息子を持つお母さんに特におすすめの一冊です。

小さな男の子にとっては、アイドル的存在のお母さん。

大好きなお母さんのはずなのに嫌いになるのは、愛情の裏返し。

そんな子供の心情がうさぎの男の子に巧みに表現されています。

例えば、自分はゆっくりしているくせに子供には「早くしろ」って言ってみたり、大人になっても「結婚は無理」と言ってみたり、子供にとっては納得できません。

読み終わった後は、胸がきゅんとなり、思わず我が子をぎゅっと抱きしめたくなります。

家族そろって読んでみて欲しい本です。

娘と一緒に読むと「結婚は無理」のページで、また違う意見が聞こえてきて、おもしろいかもしれません。

親と子の愛情と絆を確認し合うのにぴったりな一冊です。

5.【ポプラ社】きつねのかみさま


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【著】あまんきみこ
【年齢】4歳から9歳
【あらすじ】縄跳びを忘れてしまった姉弟は公園に戻ります。すると、姉弟の縄跳びできつね達が遊んでいます。子供ときつねの交流のお話し。

2004年に第9回日本絵本賞を受賞した作品です。

あまんきみこさんの書く柔らかい文体と酒井駒子さんの描く愛らしい姉弟ときつね達のイラストが絶妙にマッチした独特な世界観のある絵本です。

この絵本は、かみさまの意味が少しずつ分かってくる小学校低学年以上の子供の読み聞かせに特におすすめです。

小さな子供にとっては、お話しの内容をきちんと理解するのがちょっと難しいのですが、きつねと一緒に姉弟が縄跳びで遊ぶページは人気があります。

なわとびの歌「おおなみ こなみ」の歌が入っていて、一緒に歌いたくなるようです。

読み終わった後、あたたかい優しい気持ちになれる絵本です。

子供に優しさや思いやりを伝えたいときに一緒に読むといいです。

読んでいる大人の方も、おとぎ話しを読んだときのように幸せな気持ちになれます。

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