内田麟太郎の絵本~読み聞かせにおすすめの5冊~

内田麟太郎さんが手掛けた絵本の中で、子供に読み聞かせをしたい選りすぐりの作品を紹介します。

内田麟太郎はどんな人?

【プロフィール】
1941年、福岡県生まれ。福岡県立大牟田北高等学校卒業。看板職人を経て、絵本作家になる。「さかさまライオン」で絵本にっぽん賞、「がたごとがたごと」で日本絵本賞など、受賞歴多数。詩集に、「うみがわらっている」などがある。

内田麟太郎さんは、詩人、童話作家です。

ロングセラーになっている、代表作「おれたちともだち」シリーズでは、他の童話では悪者になりがちな、オオカミやキツネが主役です。

強そうな容姿と、不器用で淋しがり屋な性格とのギャップから生じる意外性が、このシリーズの魅力です。

単調な言葉を繰り返す、赤ちゃん向けの絵本から、登場人物の気持ちを深く考えるきっかけをくれる幼児期以降向けの絵本まで、幅が広い年齢で楽しむことができます。

また、自身が詩人であることから、大人の心にも響くストーリー展開も見所です。

例えば、「そらとぶアヒル」に登場する「とことん考えてみれば、もしかしたら、もしかするぞ」という励ましの言葉は、読んだ人の心を救う力もあるでしょう。

家族みんなで、内田さんの言葉の魔術に、心を委ねてみませんか。

内田麟太郎のおすすめ絵本

1.【童心社】ほっぺほっぺほっぺ


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【絵】ながのひでこ
【年齢】2歳頃から
【あらすじ】さっちゃんが、たこやワニ、かみなりさんにまで、ほっぺをくっつけて楽しんでいます。はずかしがっていたタヌキも、やっぱり「ほっぺほっぺ」をおねだりします。

さっちゃんは、どんなものにも、「ほっぺほっぺ」をします。

たこに、おおかみに、わにに。

子供の中では、怖いと感じるものにも、次から次へとくっついていくさっちゃんの姿に、「えーこんなものにまで!?」と、子供たちは驚き、ワクワクした様子で聞いています。

恥ずかしがって断ったタヌキが、最後はネコにばけて、「ほっぺほっぺしてよー」とおねだりをします。

大きくなって恥ずかしさが出てきても、子供はスキンシップが大好きですね。

読み終わった後は、ぜひお子さんと、「ほっぺほっぺ」をしてみてください。

赤ちゃんにも、少し大きなお兄ちゃんお姉ちゃんにも、おすすめの絵本です。

2.【童心社】こちょこちょこちょ


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【絵】ながのひでこ
【年齢】2歳頃から
【あらすじ】さっちゃんが、怒った顔のライオンやオバケなどを、こちょこちょをして笑顔にしていきます。

みんなが大好きな、こちょこちょのお話です。

さっちゃんは、こちょこちょで、怒り顔の動物たちを、次々に笑顔に変えてしまいます。

こちょこちょは、どんなに不貞腐れていても、たちまちに笑顔に変えてくれるスキンシップですね。

兄弟や友達とけんかをした時、「いやいや」が始まってしまった時など、落ち込んだ空気を変えたいときに読むことをおすすめします。

読み終えた後、「ぷんぷんのお顔はいないかなぁ?」と見渡し、一人を捕まえて、こちょこちょすると、この遊びが伝染して、みんなでこちょこちょ遊びが始ります。

その場の雰囲気が、ガラッと変わって、子供たちにも笑顔が戻ってくるでしょう。

3.【童心社】そらとぶアヒル


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【絵】長新太
【年齢】3歳頃から
【あらすじ】「飛べない鳥」と罵られたアヒルが「もしかしたら・・・」と、願いを込めると、飛ぶことができた。その姿に感化された飛べないはずの動物たちが、次々と飛んでいく。

子供たちは、アヒル、ゴリラ、ゾウ、カバと、どんどん動物が飛んでいく様子に、「えー!」と、声をあげて驚き、喜びます。

不可能を可能に変えていく動物たちの様子から、「出来ない」という思いは、ただの思い込みなんだと、子供を勇気づける作品です。

物事への挑戦を尻込みしている子供の背中を、ポンと押してあげる事ができそうです。

読み終わった後、「なんでとべたんだろうね?」と聞いてみると、いろいろな答えが返ってきます。

「朝日の魔法じゃない?」と言った子供の想像力に、心が和みました。

現実では起こり得ない、奇想天外なストーリー展開は、子供たちの想像力を豊かにしますね。

4.【偕成社】ともだちや


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【絵】降矢なな
【年齢】4歳頃から
【あらすじ】「ともだちや」として過ごすキツネが、自分を本当の友達として接してくれるオオカミに心を動かされ、友達とは商売として成立するものではないと気付く。

代表作である「おれたちともだち」シリーズの第一弾です。

オオカミとキツネが友達になるきっかけが描かれています。

「ともだち いちじかん ひゃくえん」と『友達』で商売するという発想がユニークで、冒頭から子供たちの興味を誘います。

声の強弱が文字の大きさで表わされていたり、「がんがらごえ」や「ぎとぎとするこえ」などの声色が書いてあったりするので、その通りに読むと、お話の雰囲気が伝わりやすいです。

優しかったオオカミが、キツネに怒鳴るシーンがあります。

その後に続くセリフで、本当の友達とは何かを教えてくれるのですが、丁寧で穏やかに読むと、友達の大切さについて子供たちの心にも届くでしょう。

5.【偕成社】ともだちくるかな


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【絵】降矢なな
【年齢】4歳頃から
【あらすじ】オオカミは自分の誕生日なのに、友達のキツネが来てくれないことに落ち込む。淋しさのあまり、心ごと捨ててしまったが、それでは、楽しさも感じられない。再び襲う喪失感の中、悲しさを感じる事こそ、心があると、今度は喜びを感じる。この一喜一憂から心とは、変化するものなんだと気づく。

心のモヤモヤを感じ始めた子供に、おすすめの絵本です。

楽しさも、悲しさも、色々と変化するものこそが心です。

難しいアドバイスをしなくても、この絵本のオオカミに心を重ねてもらえば、きっと、解決の糸口が見付かりそうな気がします。

また、よくあるオオカミのイメージを払拭するのが、この絵本の見所です。

オオカミは、たいていが悪者で、強そうに威張っていて、トラブルメーカーの代名詞です。

しかし、この絵本に出てくるオオカミは違います。

とってもとっても淋しがり屋。

淋しさを紛らわそうと、自棄食いをしたり、弱いものに八つ当たりをしています。

そして、自分の誕生日を一日間違えて、友達を待っている、うっかり屋さんでもあります。

何だか、怖いイメージから一転、可愛らしく見えてきます。

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