日本脳炎の接種時期、効果、副反応(副作用)と、併せて「日本脳炎」の病気について解説します。
日本脳炎とは?
日本脳炎ウィルスに感染して発症する病気です。
日本脳炎ウィルスは、夏の時期に、蚊(コガタアカイエカ)が媒介者となって感染します。
ウィルスを持った豚の血を蚊が吸い、その蚊に刺されることで感染します。
人から人に感染することはありません。
日本脳炎ウィルスに感染したとしても、発症する可能性は0.1%に過ぎません。
しかし、発症した場合は、20~40%の確率で死亡するたいへん危険な病気です。
発症すると、まず38度前後の発熱、頭痛、嘔吐、下痢の症状が顕れます。
「夏かぜ」のような状態が2,3日続いた後、顔や手足に痙攣(けいれん)が起きます。
その後、熱が下がりますが、数週間の間は、顔や声に変調をきたします。
重症化した場合
日本脳炎は発症すると死亡率がとても高く、生存したとしても半数近くが精神、知能、身体などに障害が残ります。
子供は特に障害が残りやすいとされています。
発症した場合、特効薬はありませんので、ワクチンを接種して予防することが重要です。
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接種時期
3歳から接種することができます。
合計4回
1回目:3歳
2回目:3歳(1回目から6~28日あける)
3回目:4歳(1回目から1年あける)
4回目:9~12歳
生後6か月から接種することが推奨されている地域がある
日本小児科学会が2016年2月に、「最近日本脳炎患者が発生した地域」や「ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域」に住んでいる乳幼児については、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種するように推奨しています。
首都圏であれば、「千葉県」、「茨城県」が該当します。
※なお、全ての予防接種についてスケジュールを知りたい場合は、こちらの記事で確認してください。
https://cawaiku.com/child/sick/vaccination-schedule-1541
費用
定期接種のため無料です。
ワクチンの「効果」と「副反応」
効果
厚生労働省では、乳幼児がワクチン接種をした場合、日本脳炎の発症リスクを約75~90%軽減する効果があるとしています。
副反応(副作用)
ワクチンを製造している「阪大微生物病研究会」の試用成績によると、30.0%の確率で副反応が見られたとしています。
主な副反応は、多い症状から以下の通りです。
1.17.5% 注射部位紅斑(あかみ)
2.6.1% 発熱
3.5.4% 注射部位腫脹(はれ)
4.4.6% 注射部位疼痛(痛み)
この他、発疹、鼻水、下痢、嘔吐、食欲不振などの症状も確認されています。
平成24年11月以降に厚生労働省に報告された重篤な事例は、接種した約93万人中13件で、0.001%未満の発生でした。
おもな重篤症状としては、ショック・アナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)などです。
(参考出典)
厚生労働省「日本脳炎策」
日本小児科学会「予防接種スケジュール」
日本小児科学会「生後6か月からの日本脳炎ワクチンの推奨について」
日本脳炎ワクチン「医薬品インタビューフォーム」