「乳児湿疹」の種類と原因、病院に行く目安

「乳児湿疹」は、様々な原因によって発症します。

主な乳児湿疹の種類について解説します。

この記事には疾病の情報が一部に含まれています。当記事を参考にした自己診断は決して行わないでください。気になることがあれば、医療機関を受診することを強くお勧めします。自己診断によるトラブルは一切の責任を負いかねます。

乳児湿疹の種類

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乳児の湿疹は医師でなければ種類や原因を特定することは出来ません。

以下では一般的な湿疹の種類を掲載しているだけですので、決して自己診断しないようにしましょう。

1.脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)

出やすい場所と症状

頭、おでこ、眉毛の周辺に、脂っぽい黄色のかさぶたのような湿疹ができます。

頭皮にあらわれると、たくさんのフケが落ちてきます。

痒みはあまりありません。

生後3か月までの乳児によく見られる湿疹です。

一般的に「乳児湿疹」と呼ばれているのは、この「脂漏性湿疹」を指します。

原因

皮脂が大量に皮膚に分泌されることで炎症が起きます。

特に頭皮は、皮脂を分泌する皮脂腺がたくさんあるため症状がでやすい場所です。

皮脂は、男性ホルモンの影響受けることで分泌量が増えます。

生後3か月目までの赤ちゃんは、男性ホルモンを多く分泌することで知られています。

女の子よりも男の子のほうが脂漏性湿疹になりやすいとされています。

対処について

患部を赤ちゃん用のシャンプーや石鹸で丁寧に洗います。

水気をよく拭き取り、ワセリンで保湿をします。

医療機関を受診するとワセリンや亜鉛華単軟膏などが処方されます。

処方された薬がある場合は、医師の指示に従って適切に塗りましょう。

2.汗疹(あせも)

出やすい場所と症状

おでこ、首、あごの下、胸など汗のかきやすい場所に、赤いブツブツができます。

汗疹の症状がひどくなると、おおきな赤い「おでき」になり、痛みや発熱を伴うようになります。

これは「多発性汗腺膿瘍(あせものより)」と呼ばれています。

また、汗疹は、かゆみを伴うため、赤ちゃんが患部を掻きむしることがあります。

掻き壊した場所から細菌が侵入すると「伝染性膿痂疹(とびひ)」に発展します。

原因

汗が分泌される皮膚表面の「汗腺」がふさがれることで湿疹ができます。

まだ、皮膚の表面積が小さい赤ちゃんは、「汗腺」が密集しているため、汗疹になりやすいとされています。

高温・多湿の部屋にいることや、厚着などにより汗の量が増えると汗疹の原因となります。

対処法

汗をかきすぎないように、赤ちゃんが過ごしている部屋を適度な温度・湿度に保ちます。

シャワーや濡れたタオルなどで、湿疹の周辺をたびたびふき取ります。

また、乾燥による肌荒れも汗疹の原因となることがあるので、クーラーの風が直接当たらないようにするなどの配慮も必要です。

医療機関を受診すると、状態に応じて亜鉛華単軟膏かステロイド系の塗り薬が処方されます。

3.アトピー性皮膚炎

出やすい場所と症状

赤くカサカサと乾燥した湿疹ができ、強い痒みをともないます。

全身に症状が顕れますが、中でも「ひじ」や「膝の裏」によくできます。

冬場の乾燥した時期に悪化します。

原因

家族にアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎の患者いるとアトピーになりやすいとされています。

生後2か月を過ぎてから症状があらわれます。

アトピーの原因は、主にアレルギーで、食べ物、ダニ、ハウスダストなどによって症状がでます。

また、乾燥肌もアトピーになりやすい要因のひとつであると考えられています。

対処法

アトピー性皮膚炎の場合は専門医により治療が行われます。

皮膚の炎症を抑えるためにステロイド系の塗り薬を使い、場合によっては、かゆみを和らげる抗アレルギーの内服薬を服用します。

また、乾燥による悪化を防ぐため全身をワセリンなどで保湿します。

病院に行く目安

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1.まずは清潔にして様子を見る

湿疹の出初めは、黄色や赤の小さなポツポツから始まります。

湿疹の範囲が部分的であり、かゆがったり、痛がっていないのであれば、沐浴の回数を増やしたり、蒸しタオルで皮脂や汗を拭きとるようにします。

また、乾燥によって湿疹が増えることもあるので、ワセリンなどで保湿します。

2.湿疹が広がるなら、早めに受診

患部を清潔にして、湿疹が改善に向かっているのであれば、そのまま様子を見ます。

しかし、湿疹が改善せず、範囲が広がるようであれば、早めに病院に行きましょう。

3.掻きむしるのであれば、すぐに受診

痒みが強く、掻いてしまうのであれば、すぐに医療機関を受診して薬を処方してもらいましょう。

掻くことにより、患部に細菌が侵入しやすくなり、感染症の原因になります。

薬を使って、はやく痒みを取り除きます。

同時に、掻かないようにカーゼで患部を覆いましょう。

4.熱が出たらすぐに受診

発熱を伴う場合は、細菌による感染症の疑いがあるため、すぐに医療機関を受診しましょう。


(参考書籍)
医学書院「新看護学・母子看護」
金原出版「小児看護学」
小学館「家庭の医学大辞典」
学研「赤ちゃんの病気全百科」
ベネッセ「赤ちゃんの病気新百科」

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