夏の皮膚病「とびひ(伝染性膿痂疹)」に要注意!

夏はあせもや虫刺されから「ばい菌」に感染して、全身に湿疹が顕れることがあります。

「とびひ」とはどんな病気なのか、予防法などを解説します。

この記事には疾病の情報が一部に含まれています。当記事を参考にした自己診断は決して行わないでください。気になることがあれば、医療機関を受診することを強くお勧めします。自己診断によるトラブルは一切の責任を負いかねます。

「とびひ」とはどんな病気?

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とびひに関する正確な情報は、日本皮膚科学会のホームページで確認してください。
「日本皮膚科学会」皮膚科Q&A

また、とびひになった場合の自宅でのケアについては個々の症状に合わせて医師が判断しますのでその指導を守りましょう。

1.黄色ブドウ球菌が原因

「とびひ」は皮膚の傷や、あせもなどの湿疹から、主に「黄色ブドウ球菌」というばい菌が侵入して引き起こされる皮膚病です。

「黄色ブドウ球菌」が侵入すると皮膚に水泡が発生します。

水泡は痒みを伴う上に、非常に壊れやすいため、子供が爪で掻くとすぐに壊してしまいます。

そして菌のついた手で、体の他の部分を掻くことで、次々に「とびひ」ができるのです。

「黄色ブドウ球菌」は、どこにでも存在する菌です。

そのため、少しの油断で、あっという間に「とびひ」になり、全身に広がります。

例えば、蚊に刺されて、爪で掻くと、それだけで「とびひ」になることがあります。

夏に蚊に刺されることは、よくありますし、子供は掻くことを我慢することはできません。

2.清潔に保つことで予防する

では、「とびひ」を予防するための対策はどうしたらいいのでしょうか?

黄色ブドウ球菌が侵入する主な原因が、あせも、虫刺され、擦り傷です。

したがって、この3つ原因が発生しないようにすることが予防につながります。

まず、あせも。

あせもは、運動や睡眠で汗をかいた後はシャワーを浴びて、肌の清潔を保つことで発症を予防します。

夏は発汗が多く、体の細菌も増殖しやすいため、こまめに手洗いやシャワーを浴びましょう。

シャワーを浴びさせるのが手間であれば、濡らしたタオルをレンジで温めて、蒸しタオルで体を拭くなどします。

次に虫刺されは、虫よけスプレーを使って予防します。

公園など蚊の多い場所で遊ぶときはもちろん、自宅でも、蚊が入り込みやすい玄関に蚊取り線香を置くなどして、蚊に刺されない対策をします。

最後に擦り傷です。

子供が遊びに夢中になって怪我することは頻繁にあります。

まして夏なら公園や海、山で駆けまわって遊ぶ機会が多くなることでしょう。

そのため、傷ができたときに、素早く対処することが肝心です。

傷の患部を流水で洗浄し、さらに、子供が傷口に触れないように絆創膏などで保護します。

また、爪切りと手洗いで指先を清潔にしておくことも重要です。

なぜなら、あせも、虫刺され、切り傷を、不衛生な爪で掻いくことで「とびひ」になる可能性を高めるからです。

3.湿疹が広がる前に受診を

あせも、擦り傷、虫刺されで、患部が赤くなり「ぐじゅぐじゅ」と湿気を帯びてきたら、すぐに小児科や皮膚科を受診しましょう。

「とびひ」は、皮膚に塗る軟膏だけでなく、抗生剤の飲み薬を飲む必要があります。

また、軟膏を塗った患部については触れないようにカーゼで保護します。

通常は、処方された薬を服用して3日程度で改善してきます。

もし、改善が見られなければ、再度、医師に相談しましょう。

原因としては黄色ブドウ球菌以外の感染が考えられるため、別の薬を処方してもらう必要があるからです。

4.とびひは「感染症」

とびひは、感染の恐れがあるため基本的には、保育所、学校等にはいけません。

ただし、小児科等で登所許可証をもらい、患部をカーゼで覆うことができれば登所できます。

ガーゼで覆うことができないほど、広範囲に「とびひ」が広がっている場合は、登所できません。

また、プールに入ることや、お風呂で湯船につかることは、感染を広げる恐れがあるためできません。

シャワーは問題がありません。患部を石鹸でやさしく洗って患部を清潔にします。


(参考書籍)
医学書院「新看護学・母子看護」
金原出版「小児看護学」
小学館「家庭の医学大辞典」
学研「赤ちゃんの病気全百科」
ベネッセ「赤ちゃんの病気新百科」

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