インフルエンザワクチンの接種時期、効果、副反応(副作用)と、併せて「インフルエンザ」の病気について解説します。
インフルエンザとは?
インフルエンザウィルスに感染して発症する病気です。
インフルエンザを発病した患者が、咳・くしゃみをすることでウィルスが飛散し、これを吸い込むことで感染します。
一般的な風邪とは異なり、強い全身症状が顕れます。
症状は、突然の発熱と寒気、のど・関節・筋肉の痛み、咳、下痢などです。
重症化しなければ、1週間程度で、自然に治ります。
また、インフルエンザには、タミフル、リレンザという特効薬がありますが、残念ながら1歳未満の乳児は使用することができません。
入院が必要なほど重症化した場合にのみ、ラクアピタという点滴薬を使用することがあります。
そのため、できるだけ予防接種を受けたほうがよいとされています。
重症化した場合
肺炎・気管支炎・中耳炎などの合併症を発病する可能性があり、肺炎では呼吸困難で命に係わる可能性があります。
また、「インフルエンザ脳症」とよばれる非常に危険な病状に発展することがあります。
「インフルエンザ脳症」になると意識障害がみられるようになり、その後、7%の確率で死亡し、15%の確率で後遺障害が出ると言われています。
「インフルエンザ脳症」になる患者の7割は10歳未満の児童であり、さらに約4割が5歳未満の乳幼児となっています。
厚生労働省では、2015~2016年にかけて、5歳未満で89人がインフルエンザ脳症になったという報告がされています。
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接種時期
生後6か月から接種することができます。
毎年合計2回
1回目:10月
2回目:11月(1回目から4週間あける)
※なお、全ての予防接種についてスケジュールを知りたい場合は、こちらの記事で確認してください。
https://cawaiku.com/child/sick/vaccination-schedule-1541
費用
任意接種のため公費負担がありません。
費用は医療機関によって異なりますが、2000~5000円程度です。
ワクチンの「効果」と「副反応」
効果
「インフルエンザワクチンを打っても予防の効果が低い」と思っている人も少なくないと思いますが、近年のインフルエンザワクチンは、流行する可能性がある複数の種類にたいして効果のあるものに代わっています。
2016年からは、「4価ワクチン」と言って、流行している4つの種類に効果のあるワクチンが接種できるようになっています。
厚生労働省では乳幼児がワクチン接種をした場合、約20~50%で発病を防止する効果があり、重症化も防ぐ可能性があるとしています。
副反応(副作用)
4価ワクチンを製造している「化学及血清療法研究所」のの臨床試験によると、生後6か月以上3歳未満の乳幼児に2回接種した場合、それぞれ36.8%の確率で副反応が見られたとしています。
主な副反応は、注射部位の赤み・脹れ、発熱、下痢等が5%以上の確率で発現したとしています。
2015~2016年にかけて摂取された「4価ワクチン」について、厚生労働省に報告された重篤な事例は、接種した5144万人中344件でした。
おもな重篤症状としては、ショック・アナフィラキシー、ギラン・バレー症候群などです。
(参考出典)
厚生労働省「インフルエンザ対策」
厚生労働省「今冬のインフルエンザについて(2015/16シーズン)
日本小児科学会「予防接種スケジュール」
インフルエンザワクチン「医薬品インタビューフォーム」
小泉重田小児科