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生後9カ月または1歳から飲める粉ミルクである「フォローアップミルク」の必要性について解説します。
赤ちゃんは母乳や通常の粉ミルクが飲めますし、1歳を過ぎれば牛乳も飲むことができます。
それなのにあえてフォローアップミルクを飲ませる必要はあるのでしょうか?
フォローアップミルクは必要か?
1.必須の飲み物ではない
フォローアップミルクは離乳食が1日3回になる生後9カ月以降から飲むことができる赤ちゃんの飲み物です。
結論から言えば、フォローアップミルクは必ず飲ませないといけない飲み物ではありません。
フォローアップミルクを使わなくても赤ちゃんは健やかに成長することができます。
フォローアップミルクを使うメリットとは?
母乳にも通常の粉ミルクにも牛乳にもない、フォローアップミルクの最大の特徴は、カルシウムと鉄分が共に豊富であるという点です。
こちらの表は、カルシウムと鉄の含有量を示したものです。
種類 | カルシウム | 鉄 |
---|---|---|
母乳 | 25mg | 0mg |
通常の粉ミルク | 50mg | 0.8mg |
フォローアップミルク | 100mg | 1.2mg |
牛乳 | 110mg | 0mg |
※母乳・牛乳は100g換算で文部科学省「食品成分データベース」を参照
※通常の粉ミルク・フォローアップミルクは100ml相当換算で、森永「はぐくみ」「チルミル」のパッケージを参照
※母乳には0.03~0.05mgのごく微量な鉄分が含まれています。
赤ちゃんは生後9カ月を過ぎて3回食になると1日に必要な栄養素の半分以上を食事から摂取するようになります。
フォローアップミルクは離乳食だけでは不足しやすい、カルシウム、鉄という栄養素を補うことを目的として開発された飲み物なのです。
逆に言えば、離乳食を作る際に鉄やカルシウムが豊富な食品を意識的に取り入れさえすれば、フォローアップミルクに頼る必要はありません。
フォローアップミルクを飲むべき赤ちゃんとは?
まずは、フォローアップミルクが他の飲み物と比較してどんな商品なのか理解しましょう。
月齢\価格 | 0円 | 200~220円 | 240~380円 | 270~428円 |
---|---|---|---|---|
生後0か月~ | 母乳 | – | – | 通常の粉ミルク |
生後9か月~ | 母乳 | – | フォローアップミルク | 通常の粉ミルク |
1歳~ | – | 牛乳 | フォローアップミルク | – |
フォローアップミルクは9か月もしくは1歳から使うことができ、値段は牛乳よりも高いのですが、通常の粉ミルクと比べれば安い商品です。
ぐんぐん、つよいこ、たっち
【1歳から使えるフォローアップミルク】
ステップ、チルミル、アイクレオのフォローアップミルク
では、これを踏まえて、どんな赤ちゃんにフォローアップミルクを飲ませるとよいのでしょうか?
1.完全母乳の赤ちゃんの場合
完母で育てている赤ちゃんは1歳頃に卒乳するまでは、離乳食と母乳で育てるのが基本です。
母乳は栄養面以外にも赤ちゃんへの心理的なメリットもあるからです。
母乳の場合、鉄分が不足しがちになるので、レバーや小松菜、ひじきなどの食品を離乳食に取り入れましょう。
卒乳後も引き続き栄養バランスの取れた食事が食べられていれば、フォローアップミルクではなくより安価な牛乳で構いません。
2.混合栄養の赤ちゃんの場合
母乳と粉ミルクを併用している生後9か月以降の赤ちゃんの場合は、離乳食が1日3回になって定着したら、通常の粉ミルクでなく、フォローアップミルクを使ってもよいでしょう。
通常の粉ミルクは、フォローアップミルクにはない栄養素(ラクトフェリン、イノシトールなど)も豊富に含まれています。
これは通常の粉ミルクは母乳に近い栄養組成で作られており、母乳に含まれている成分を人工的に付加しているためです。
しかし、混合栄養の赤ちゃんは、母乳も飲んでいて、母乳にしかない栄養も摂取しているため、例えば食後の授乳などはフォローアップミルクを使うと手軽にカルシウムや鉄分を補うことができます。
1歳を過ぎたら牛乳でもフォローアップミルクでも構いませんが、牛乳を使う場合には、レバーや小松菜、ひじきなど鉄分豊富な食材を意識的に使うようにしましょう。
3.人工栄養の赤ちゃんの場合
通常の粉ミルクだけで育ててきた赤ちゃんが生後9か月になった場合も、基本的1歳までは母乳の成分により近い通常の粉ミルクを使います。
もし、鉄分の不足が気になる場合には、食後の授乳でフォローアップミルクを使うという方法もあります。
通常の粉ミルクとフォローアップミルクは、併用しても構いません。
食後のミルクは量も少なめですので、マグやコップにフォローアップミルクを作っていれてコップトレーニングも兼ねるとよいでしょう。