目次
粉ミルクおよび調乳済みミルクの保存期間と適切な保存方法について解説します。
粉ミルクの正しい保存方法を知って、無駄なく安全でおいしいミルクを赤ちゃんに飲ませてあげましょう。
粉ミルクはいつまでもつ?【保存期間の一覧】
粉ミルク、および、調乳済みミルクの保存期間を一覧表にしました。
種類 | 状態 | 保存期間 |
---|---|---|
粉ミルク | 未開封 | パッケージに記載あり |
粉ミルク(缶) | 開封済み | パッケージに記載あり |
粉ミルク(スティック) | 開封済み | パッケージに記載あり |
ミルク | 常温 | 2時間以内 |
ミルク | 冷蔵 | 24時間以内 |
ミルク | 外出 | 保冷バッグで2時間以内 |
上記で示している期限は、以下に説明する適切な方法で調乳や保管をしていた場合に適用されます。
粉ミルクの保存方法
まずは、調乳前の粉ミルクの保存方法について説明します。
1.未開封の粉ミルク
密封された未開封の粉ミルクは高温多湿を避けて直射日光が当たらない場所に保存する必要があります。
そして。未開封の粉ミルクの保存期間は、パッケージに掲載されている賞味期限までとなります。
2.開封済みの粉ミルク(缶)
缶入りの粉ミルクを開封した場合には、付属している専用のフタでしっかりと密封し、直射日光と高温多湿を避けた環境で保管しましょう。
そして、開封後の保存期間は商品によって異なります。
商品パッケージに、開封後の保存期間が表示されているので確認しましょう。
多くの商品で1カ月以内に消費することを推奨しています。
なお、保管状態によっては劣化が早くなります。たとえば、フタを開けっぱなしにして長時間放置していたなどの状況がある場合には、処分をしたり、早めに使い切るなどしましょう。
3.開封済みの粉ミルク(スティック)
外出用に使われるスティックタイプの粉ミルクについても商品によって開封後の保存期間が異なります。
パウダータイプの粉ミルクは開封したらすぐに使い切る必要があります。
いっぽうで明治「ほほえみキューブ」に代表されるキューブタイプの粉ミルクは、余っても1週間保存することができます。
保存する際はクリップなどを使って袋の中に湿気が入り込まないように対処しておく必要があります。
「ほほえみキューブ」の商品パッケージに詳しい説明が記載されていますので必ず確認しましょう。
調乳済みミルクの保存方法
調乳済みミルクの保存方法については、WHO(世界保健機関)が作成した「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」の勧告に基づいて解説します。
1.常温での保存方法と保存期間
粉ミルクを作る際には、一度沸騰させた70℃以上のお湯で調乳し、ただちに冷水などで適温(38~40度)に下げることが必要です。
正しい調乳方法についてはこちらの記事で確認してください。
https://cawaiku.com/child/0-old/when-disinfect-baby-bottles-6112
粉ミルクは赤ちゃんが飲む直前に調乳するのが大原則ですが、せっかく作ったのに飲まないこともあります。
調乳して適温にされた粉ミルクなら、2時間以内であれば常温で作り置きしておくことができます。
その間であれば赤ちゃんに飲ませることができますが、もし、2時間を超えてしまった場合には廃棄しましょう。
2.冷蔵庫での保存方法と保存期間
調乳したミルクは5℃以下の冷蔵庫で24時間保存できます。
なお、飲み残しのミルクについては冷蔵庫でも保存できませんので、すぐに廃棄しましょう。
冷蔵保存をする場合には、哺乳瓶にミルクを入れたままで構いません。
その際、哺乳瓶に付属されている専用フタ(フード)を必ず付けましょう。
そして再度温める直す時には電子レンジではなく、お湯で湯煎しましょう。
温める時間は15分以内とします。
3.外出時の保存方法と保存期間
外出先で赤ちゃんにミルクを飲ませたい場合に、自宅で調乳してから持ち運ぶことも可能です。
この場合の保存方法ですが、まず調乳したミルクは一旦、氷水や冷蔵庫で5℃以下に冷やします。
その後、温度が上がりにくいように保冷バッグに入れて持ち運びます。
保冷バッグでの保存期間は2時間です。
粉ミルクに保存期間がある理由
粉ミルクに厳密な保存期間がある最大の理由は細菌の増殖を防ぐためです。
粉ミルクは完全に滅菌することはとても難しく、サカザキ菌、サルモネラ菌などの細菌がごく微量に含まれている可能性があります。
これらの菌は、誤った保管方法や調乳方法によって調乳したミルクの中で増殖することがあります。
細菌が増殖したミルクを赤ちゃんが飲んだ場合、細菌感染を起こして命に係わる重大な症状になることも報告されています。
また、粉ミルクそのものではなく、調乳するママやパパの指先からミルクに細菌が入ることもあります。
なぜなら、細菌は赤ちゃんの便の中にも存在しており、オムツ交換の際に便に触れてしまうことがあるからです。
そのため、粉ミルクを扱う前には、必ず石鹸と流水で手指を丁寧に洗浄する必要があります。