脳科学者である瀧靖之教授の著書『「賢い子」に育てる究極のコツ』を読んでみました。
2016年に発売され、10万部以上も売り上げたという話題の子育て本を紹介します。
賢い子を育てるコツとは?
1.ポイントは「好奇心」
著者である瀧靖之教授は、東北大学「加齢研究所」で、16万人を超える脳のMRI画像を見て脳科学の研究されている方です。
その脳科学の第一人者がすすめる賢い子を育てるコツは、
子供に「好奇心を持たせること」
だそうです。
・・・脳科学者でなくてもたどり着きそうな結論です。
しかし、著者は漠然と「好奇心を持たせる」ほうがいいと脳科学の知見から解説しています。
好奇心によって子供が賢くなる道のりをざっとモデル化すると・・・
↓
興味をもったものから、好きなものを見つける
↓
その好きなものを自発的にどんどんやらせる
↓
脳の「可塑性」と「汎化」という働きによって、他のことにも応用が利くようになる
↓
勉強しろと言わなくても「賢い子」になる。
ということです。
「勉強しろ」と言わなくても、進んで勉強をする状態は確かに理想的ですよね。
しかし、そのためには学校成績や受験といった短期的な成果を追い求めないという、親の忍耐力も相当に必要です。
2.図鑑で「好奇心」を刺激する
では、賢い子を育てるとっかかりとなる「好奇心」はどのように持たせればいいのでしょうか?
著者によると「図鑑」を買い与えることだそうです。
しかも3~4歳までに。(5歳以降でも遅くはないが、「好き・嫌い」が出て、与えても気に入らない場合がある。)
「図鑑」にもたくさんの種類があるので、少しずつ増やして、好奇心を刺激していくとよいそうです。
ただし、「図鑑」を買って一人で見せるだけではダメで、実物を見に行ったり、見たものを図鑑で調べたりと、実世界と図鑑を結びつけることで、好奇心を育てていく必要があります。
子供のことをよく観察して、何に興味を持っているのか、好きなのかを感じとり、その気持ちをさらに引き出していくような親の関わりがきわめて重要なのです。
これも簡単なようですが、日々の仕事と家事に忙しママ・パパにとっては、子供との関わる時間を確保する努力から始めないといけないですね。
『「賢い子」に育てる究極のコツ』では、年齢ごとに合った習い事や勉強の仕方など、知っているとためになる情報が満載でした。
興味を持ったママ・パパは一度読んでみてください。
2歳児から賢い子を育てるために
さて、筆者には2歳の娘がいます。
3歳には図鑑を与えると言いそうですが、2歳はどうでしょうか?
2歳でもすでに好き嫌いはたくさんあります。
たとえば、クリスマスに幼児向けのジグソーパズルを買いました。
購入したパズルは、ピースが少なくて(9~24ピース)易しい「どうぶつ」と、ピースが多くて(24~48ピース)難しい「のりもの」の2種類です。
気にいったようで、ほぼ毎日パズルを自分で本棚から取り出して遊んでいます。
しかし、娘は「のりもの」が大好きで、「のりもの」ばかり出して遊びます。
しかも、一番難しい48ピースのパズルが大のお気に入り。
「どうぶつ」はもちろん、よりピースが少ない「のりもの」の他のパズルには手を出しません。
そのせいで、ちっとも完成させることができません。
簡単な「どうぶつ」から練習をすれば、「のりもの」もできるようになるはずなので、そう伝えているのですが、本人は全くその気なし。
もともと「のりもの」のほうが好きなことはわかっていたので、「のりもの」を作りたいがために、「どうぶつ」で頑張って練習してくれるかなと思ったのですが、全くの見当違いでした。
やっぱり出し惜しみせず、最初から好きな「のりもの」のパズルを作って完成させる喜びを感じられるようにしてあげたほうがよかったと実感しています。
どうしても、親は子供が好きな物だけでなく、もっと色んなものに興味を持ってほしいと思うものです。
その結果、子供に親自身が興味をもってほしいものを与えてしまいがちです。
しかし、そんな親心はぐっと我慢して、2歳と言えども、やっぱり子供が強く惹かれている分野のおもちゃや図鑑を与えてみて、没頭してもらったほうがいいのかもしれません。
そんな娘ですが、パズル購入から2か月近くなり、ようやく「のりもの」のパズルも5ピースくらいつなげられるようになりました。
48ピースの中から、ちゃんとつなげられる5ピースを探し出したのですから、ゆっくりでも進歩は着実にしていますね。