目次
端午の節句の飾りである「五月人形」と「鯉のぼり」はいつから出せばよいのか解説します。
飾り始める時期については様々な考え方がありますので、もれなく紹介していきます。
五月人形と鯉のぼりを飾る日は同じでよいか?
端午の節句には、五月人形と鯉のぼりの両方を飾る家が多いでしょう。
その際、五月人形と鯉のぼりは同じ日に飾り始めて構いません。
もともと宮中では菖蒲で作った兜などを端午の節句に飾っていたようですが、江戸時代の武家が玄関先に兜と幟旗を飾るようになったことが、五月人形と鯉のぼりの始まりとされています。
つまり、五月人形と鯉のぼりはセットで屋外に飾られるものでしたので、同じ日に飾り始めることが理にかなった考え方と言えます。
なお、五月人形は時代を経て屋内に飾られるようになり、今では五月人形と鯉のぼりの両方ではなく、片方だけ飾ることも多くなっています。
五月人形と鯉のぼりを飾るのはいつから?
まず、飾り始める日についての明確な決まりはありません。
地域によっても異なりますし、同じ地域であってもそれぞれの家の考え方で大きく異なります。
そこで、飾る時期の一般的な事例をいくつか紹介しますので、家族で話し合って腑に落ちる時期に飾り始めるようにしましょう。
1.春分の日が過ぎたら飾る
全国の人形店や人形工芸士で組織される「日本人形協会」では、五月人形の飾り始めの時期を春分の日から4月中旬にかけてとしています。
つまり、春分の日を過ぎれば飾り始めても構わないということです。
春分の日は年によって異なりますが、3月20日もしくは3月21日となっています。
いずれにせよ春分の日は休日ですので、その日に飾り付けをするか、次の週末を利用して飾り付けをします。
2.彼岸を過ぎたら飾る
春分の日と前後3日の7日間は「お彼岸」となります。
亡くなった人を偲ぶお彼岸の時期に、おめでたい節句の飾りをするのは不作法である考える人も多くいます。
お彼岸には、お仏壇を掃除する、お墓参りをする、お経をあげてもらう、また熱心な仏教徒であればお寺を参拝することもあります。
お彼岸を大切にしている家であれば、節句の飾り付けよりも法事を優先するほうが無難であると言えるでしょう。
3.四月に入ったら飾る
3月、4月は卒業式と入学式がある季節です。
「節句」とは季節の変わり目を意味するものであるため、季節の移ろいに応じて飾り付けをするのが良いという考えが広く定着しています。
お節句と同じ子供の行事である「卒業式」や「入学式」の前に五月人形や鯉のぼりを出すことに違和感を覚える人は多いでしょう。
そのため、4月に入って上旬のうちに飾り付けをすることを習慣とする家が最も多いと言われています。
日本は横並びの社会なので、鯉のぼりなどは「周りが飾り始めないと飾りにくい」と思ってしまうことも4月以降に飾る理由の1つになっているかもしれません。
4.桜の季節が終わったら飾る
こちらも季節の移ろい基づいた日本的な習慣と言えるでしょう。
桜の時期は、何よりもまず桜を愛でることを優先しますが、桜が散って景色が寂しくなると、そろそろ五月人形や鯉のぼりを出そうかという気持ちになるのでしょう。
初節句では、高価な人形や鯉のぼりを買ったばかりであるため4月に入るとすぐに飾り始める家が多いですが、年数を重ねると「思い出した時」に飾り付けをするようになります。
そんな時、関東から関西にかけては、桜が一番わかりやすい季節の目安と言えます。
反対に東北では桜の咲く時期が遅いので、桜が咲き始めて慌てて節句飾りを出すということもあるでしょう。
5.端午の節句の1週間前までに飾る
どんなに遅くても5月5日の1週間前までには、五月人形と鯉のぼりを飾るようにしましょう。
節句飾りは成長を祝い健康を祈るものであり、子供の大切な分身ですので、少なくとも1週間以上は飾って大切にしていきましょう。
実際に飾るならいつがおすすめ?
家族で話し合って飾り始めるおおよその時期が決まったら、実際に飾る日を決めましょう。
一般的には吉日とされる大安で、かつ晴天の日を選びます。
さらに、共働きの家庭では実質的に土日に飾り付けをするほかないでしょう。
そうすると候補日は以下になります。
2018年 | 4/1(日)、4/7(土)、4/30(月) |
2019年 | 4/7(日)、4/13(土) |
2020年 | 3/22(日)、4/19(日) |
2021年 | 3/28(日)、4/3(土) |
このように吉日にこだわると非常にチャンスが少ないことがわかります。
しかも、3月・4月は雨も降りやすいため必ず大安に晴れるとも限りません。
特に雨の日に鯉のぼりをあげる作業をするのは大変なので、日柄よりも天候を優先したほうが無難です。
4月の最初の週末から天候次第でいつでも飾り付けができるように心構えをしておきましょう。