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子供はなぜ「嘘」をつくのか、どのように子供の「嘘」に対処すればよいのか解説します。
主に3歳頃の幼児から小学生の児童の嘘に関する解説です。
子供が嘘をつく理由と心理
1.夢と現実の区別がついていない
子供が嘘を言うようになるのは2歳頃からです。
幼児期によくある嘘は、夢(空想)を現実と区別することができないためについてしまうものです。
たとえば、「昨日、新幹線に乗ったよ」などと、実際には乗っていないのに、夢で見たことをあたかも実際に体験したかのようにお話します。
また、「新幹線に乗ってみたい」という強い欲求が、いつのまにか空想の中で実現したことになっていて、それを話しているケースもあります。
いずれにしても、こうした嘘は夢と現実の違いが分からないために生まれるものであり、大人にとっては嘘の話であっても、子供にとってはある意味で真実を話していると言えるでしょう。
2.先が見通せるようになるから
3歳~4歳を過ぎると、大人にとっては見過ごせない嘘をつき始めます。
たとえば、手洗い・歯磨きなど子供が好きではない生活習慣について、やっていないのに「やった」と親に報告したり、モノをなくしたり・壊したりした時に、「自分はやっていない」と主張するなどです。
それまでは親の指示にたいして「いやだ、いやだ」と反抗的な態度をとるだけであったのに、さらに嘘までつくようになったことがわかると親としては強いショックを受けます。
このような嘘をつく理由としては複合的な要因が考えられます。
まず、ひとつには、3歳頃から未来を予測することができるようになるためです。
たとえば、「家に帰ったら、まず手洗いをしないと親に叱られる」という未来を予測することができるのです。
それであれば、叱られないように手洗いをすればよいのですが、現実には、他のやりたいことがあって忘れてしまうことも頻繁です。
実際に忘れてしまった時に「手洗いしたの?」と聞かれると、「叱られる」という未来を予測して、そうならないように「したよ」と嘘をつくのです。
3.相手の感情を理解できるようになったから
未来を予測する力に加えて、他人の感情を理解することも3・4歳頃からできるようになってきます。
たとえば、モノを壊してしまったときに、「わたしじゃない」といって嘘をつくのは、「ものを壊したらきっと悲しんだり怒るに違いない」というように他人の気持ちを推し測ることができるようになってくるためです。
だからといって、『「わたしじゃない」と嘘をつくことが、相手を余計に悲しませる結果になる』というところまでの想像はまだできません。
4.自分に自信がない
親に「いけないこと」だとして厳しく叱られることが続くと、子供が自分の行動に自信が持てなくなり、結果的に多くの嘘をついてしまうことがあります。
子供が自信を失ってしまうと、親に認められるような子供になりたいと願って奮起するのではなく、むしろ、親に叱られたくないように、その場を取り繕ってたびたび嘘をつき、自分の殻に閉じこもるという結果を招くことがあります。
親としては、子供に「善悪」を分かってもらえるように、きつめく叱ることもあるでしょう。
しかし、厳しすぎる「しつけ」や、「お前はダメややつだ」などの子供の人格を否定するような叱り方は、子供の自信を失わせてしまう恐れがあります。
子供が嘘をついた時はどうすればいいか?
1.正直に話してくれたことを褒める
嘘をつかれると親もつい頭に血が上ってしまうものです。実際に嘘をついた時には褒めることもできないでしょう。
そこで、普段の会話のなかで、子供にとって都合の悪いことを素直に話した時には、「よく正直に言ってくれたね」と褒めるようにします。
たとえば、外から帰ってきて遊び始めた時に、「手洗いしたの?」と聞いて「あ!してなかった!」と言ってくれた時などです。
また、子供が嘘をついていると思われる時には、すぐに叱らずひと呼吸をおいて「絶対に怒らないから、正直に言ってごらん?」といって、正直に話すことを奨励します。
そして、正直に話してくれたら褒めてあげるようにします。
2.子供の気持ちを代弁する
4歳頃になるとたくさんのお話ができるようになりますが、それでも自分の気持ちを相手に伝えることは決して上手ではありません。
子供が嘘をついたり、悪いことをしたりすると「なんで、そんなことしたの?」と質問しがちですが、実際にこうした質問に応えられるほどの能力は持っていないため、単に子供を追い詰めてしまうことになります。
そのため叱る時には、子供がまだ答えられない質問をするのではなく、何故そのような行動をとったのかという子供の気持ちを代弁してあげます。
例えば、帰ってきてお手洗いをしないで遊び始めたら、「新しいおもちゃで遊びたかったの?面白そうだもんね。でも、お手洗いはしないといけないよ。」
子供は「自分の気持ちをわかってくれた」と感じるほうが、より素直に親の言うことに耳を傾けるようになります。
3.なぜ嘘がいけないのか伝える
「嘘つきは泥棒のはじまり」というのは、昔からある子供の嘘を戒める常套句です。
また、そもそも嘘をついてはいけない理由とは、嘘によって社会的な信頼を失うと、仕事も生活もままならなくなり、友達や家族さえも離れて行ってしまうためです。
しかし、幼児や子供にこのような教訓を話したとしても、理解することは難しいでしょう。
子供に伝えるべきは、嘘の教訓だけでなく、親自身の気持ちを伝えることがより重要です。
「嘘はいけないよ。例えあなたが本当のことを言っていたとしても『ウソかもしれない』と思うようになってしまうからだよ。嘘をついてるって思わるのは嫌でしょ?ママもあなたのことをウソつきかもしれないと思うことは本当に悲しいことなんだよ。」
4.気長に成長を待つ
以上のような対処法をしても、すぐに効果が現われるわけではありません。
子供が軽い気持ちで嘘をついてしまうのは、その重大性を十分に理解できないためです。
嘘をつかれると、我を失って怒りを子供にぶつけたくなることもあるでしょう。
しかし、先にも述べたように厳しく叱ることが必ずしも子供にとってよいとは限りません。
もちろん、親として子供の嘘を見過ごすことはできませんので、辛抱強く続けていく必要があります。
やがて成長に伴って嘘をつくことの不利益について理解が深まっていきますので、子供を信じて待ちましょう。