3歳から4歳にかけて子供は嘘をつくようになります。
実際にどんな嘘をつくのか、現在3歳10カ月でもうすぐ4歳になる女の子の実例で紹介します。
3~4歳の嘘【実例集】
1.夢と現実がわからない嘘
「動物園でゾウさんにエサあげたの」
2歳頃から見られる嘘です。
一緒に生活している親であれば、実際の出来事かそうでないのかがわかりますが、何も知らない大人が聞くと「そうなんだ!」と思わず本気にしてしまいます。
2~3歳は、いかにも実際にありそうな夢や空想を、さも本当に体験したように話すので、一瞬「えっ?本当に」と思ってしまいます。
3歳後半になると夢と現実の違いが分かるようになってきるようで、最近は「夢で〇○したよ」と教えてくれるようになってきました。
2.嘘泣き
子「うえーん、そのお鍋でカレー作りたかったの」
親「弟もそのブロックで遊びたがっているから、少し貸してあげて」
子「やなの。私が遊んでるの。」
親「ブロックたくさんあるんだから、2~3個貸してあげてなよ」
子「ああーん、私が全部使うのー」
3歳後半から4歳頃になると社会(親)で求められる行動がある程度わかってきていて、「してはいけない」ことや「すべき」ことも理解しています。
しかし、頭では理解していても、まだまだ欲求が勝ってしまうため、泣き落としで自分の欲求を押し通そうとすることがあります。
娘の場合、本気で泣くときは涙を流します。しかし、事例のような嘘泣きでは、涙は流さず、自分の要求が受け入れられないとわかるとあっさり引き下がります。
3.ずる賢い嘘
親「おばあちゃん家でジュースもらったんでしょ?」
子「もらってない。」
親「じゃあ、おばあちゃんに電話して確認する。」
親「おばあちゃん、あげたって言ってたよ。」
子「(ニヤニヤ笑いながら)牛乳のみたい!」
好きなものを手に入れるため嘘をつくことがあります。
ただし、3・4歳ではまだ下手くそな嘘しかつけないため、親にばれてその希望は叶いません。
本人は自分の欲求を叶えるために嘘をついているため、ほとんど悪気はないようです。
4.やりたくない時の嘘
子「はいはいはい」
親「うがいやったの?」
子「やった」
親「うがいの音が聞こえませんでしたが・・・」
子「しあげはパパ-!」
親「えっ?もう歯磨きしたの?」
子「したー」
親「いやいや、早すぎるでしょ。もうちょっと自分で頑張りなよ」
子「したのー」
3・4歳では、自分の欲求を抑えて、やるべきことを先に済ますという習慣が完全には身についていません。
そのため「もうやった」という嘘をついて、やらずに乗り切ろうとします。
そして、嘘で乗り切った経験をすると、それを再現しようとして同じ嘘をつくときがあります。
5.叱られないようにする嘘
子「今、カレー作ってるの!」
親「遊ぶ前に手洗い、うがいでしょ!早くやってきなさい!」
子「・・・・(無言で洗面所に行って、戻ってくる)」
親「うがいしてないでしょ?」
子「したー!」
親「見てたけど、してなったよ。」
子「しーたー!」
先ほどとほぼ同じケースですが、本当はうがいが面倒でしなかったのではなく、単にやり忘れただけの可能性もあります。
では、なぜ嘘をつくかと言えば、実は親に叱られたくないので嘘をついています。
決して、親の命令に反抗して嘘をついているわけではありません。
「うがいをしなかった」という事実が親に知られると「叱られる」ということがわかっているので、叱られないように嘘ついてその場を誤魔化そうとしているのです。
4歳頃になると求められる行動は理解していて、さらに、それをしなかった場合に「叱られる」ということもわかっています。
このように未来の結果を予測する力がついているからこそ、嘘も多くなってきます。
親としては「どうして、そんな見え透いた嘘をつくのか」と怒り心頭になってしまいますが、強く叱りすぎると、かえって叱られることが怖くて嘘を繰り返すようになるので注意が必要です。
実際に、叱られないようについていると思われる嘘の実例が他にもあります。
6.他人に罪をなすりつける嘘
子「よしくんが使ってたの」
親「ほんとに?」
子「うん。」
親「(絵を見て)まだ赤ちゃんなんだから、アンパンマン書けないでしょ」
兄弟のいる家庭ではよく見られる嘘だと思います。
下の子がまだ上手におしゃべりできないことをいいことに、上の子が下の子に罪をなすりつけようとします。
これも、親に叱られないためにつく嘘のひとつです。
大人の基準で考えると、人に罪をなすりつけるのは絶対にやってはいけない「最悪」の嘘と言えますが、3・4歳ではまだ善悪への理解が乏しい年齢であるからこそ、平気でこうした嘘をつきます。