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11月15日は七五三です。
七五三がどんな行事なのか子供に説明することは出来ますか?
子供の「なぜ?」にもすぐに応えられるように予習しておきましょう。
子供向けQ&A―七五三の由来―
親「今年の11月15日は、七五三(しちごさん)だよ。」
子「ひちごさん?なんだっけそれ?」
親「5歳になったから、神社にお参りして神様に感謝するんだよ。3歳の時もいったでしょ。おぼえてない?」
子「うーん・・・忘れちゃった。誕生日とは違うの?」
親「違うよ。誕生日よりも「ひな祭り」や「子供の日」に近いかな。3歳と5歳の男の子、3歳と7歳の女の子しか参加できないお祭りみたいなもんだよ。だから、なな・ごー・さんと書いて七五三って呼ぶんだ。」
子「おまつり!楽しそう。でも、なんで7歳と5歳と3歳だけなの?」
親「昔は7歳までは小さな子供(幼児)とされていて、その中でも3歳、5歳、7歳は成長の節目だから、大きくなったよーって神様に報告するの。」
子「なんかよくわからないけど、お祭りだから何かいいことある?」
親「うーん。着物が着られるよ。あとはアメを買ってあげる。」
子「着物はやだ!アメはたべたい!」
親「いやいや、着物を着て神社に行かないとアメは買ってあげられないよ」
子「やだ。なんで着物きるの?」
親「七五三は昔からあるお祭りなの。昔はみんな着物を着ていて、5歳、7歳と成長すると、大人と同じ着物が着られるようになったんだ。だから七五三はどうしても着物を着ないといけないの。」
子「ふーん。あんまり楽しそうじゃないなぁ。」
七五三とは何か?ー大人向け基礎知識ー
1.なぜ3歳、5歳、7歳なのか?
七五三は、公家や武家で行われていた3歳の「髪置き」、5歳の「袴着」7歳の「帯解き(紐落し)」と呼ばれる通過儀礼が起源とされています。
古来から日本では、古代中国の考え方の影響もあって、「奇数」の数字がつく年や月日を「節目」として穢れ(けがれ)を払い、健康を祈るという風習がありました。
数え年1歳になる元日を「初正月」、満1歳の誕生日を「初誕生」として祝い、それ以降の奇数年齢である3歳、5歳、7歳の時にも、それぞれ子供の成長の節目であると共に「厄年」であると考え、氏神様に参拝して穢れを払い、生涯の健康を祈ったものであると考えられています。
一方で、9歳でのお祝いがない理由としては、昔は幼い子供が死亡することは珍しくなく「7歳までは神の内(神様に頼るしかない)」と言われ、成長の節目である3歳、5歳、7歳に氏神を参拝し、7歳の参拝でようやく一人の人間として認められて氏子入りをするという風習があったためと言われています。
このように七五三は武家・公家など身分の高い家で祝っていた行事でしたが、徐々に江戸の町人にも広まっていき、明治から大正にかけて現在の「七五三」という言葉とともに子供の成長を祝う儀式として定着したとされています。
2.なぜ11月15日なのか?
2つの説があります。
まず、旧暦の11月は、農作業(収穫)が終わった1か月後の月であり、収穫祭である「霜月祭」が各地で行われていました。
特に15日は満月であったことから、農作業がひと段落して、子供の健康や成長を祈願する日としてふさわしいと考えられていました。
2つ目は、徳川家綱が息子・徳松の「髪置き」のお祝いを11月15日にしたことに始まるという説です。
なぜ徳川は11月15日を選んだのでしょうか?
それはこの日が「鬼宿日」と呼ばれ、鬼が自分の家にいて外に出てこない日であるため、厄を払い、神様にお祈りをする日として「最良の日」であると考えられていたからです。
3.各年齢でどんな儀式をするのか?
七五三は、それぞれの歳の11月15日に、その年齢にあった儀式を行います。
各儀式には、江戸時代の武家の祝儀の影響が色濃く残っています。
具体的にどのような儀式をするのか紹介します。
3歳
「髪置き」と呼ばれる儀式を行います。
武家においては男女ともに3歳までは髪を剃っていたのですが、3歳の七五三の日から髪を伸ばし始めます。
また、3歳までは「おかっぱ」で、3歳になると髪を結うという説もあります。
現代であれば、男の子は坊主頭を伸ばす、女の子とは髪を結うというように置き換えることができます。
5歳
「袴着」と呼ばれる男の子の儀式を行います。
武士の家では、5歳までは男女で同じ着物を着ていましたが、男の子は5歳になると初めて大人と同じ袴を着せて、碁盤の上に立たせるという儀式を行っていました。
7歳
「紐落し」または「帯解き」と呼ばれる女の子の儀式を行います。
女の子を縁起の良い方角に向かって立たせ、紐の付いた幼児用の着物から、付紐のない大人とおなじ着物を着せて帯を締めます。
4.なぜ千歳飴(ちとせあめ)を食べるのか?
七五三と言えば、紅白の細長い「千歳飴」。
どこを切っても同じ絵があらわれる千歳飴や、松・竹・梅・鶴・亀など縁起のよい絵が描かれた華やかな手提げ袋など、子供が楽しみにする七五三のお土産です。
七五三の時期に神社を参拝すると、「千歳飴」を買い求めることができます。
「千歳飴」の起源は諸説ありますが、飴を売っていた江戸の商人が神社の前で「千歳飴(祝い飴)」を販売したことがはじまりと考えられています。
きっと神社を参拝した江戸の町人たちが「千歳飴」という縁起のよい名前のお菓子を子供達のためにこぞって買ってあげたのでしょう。