幼稚園や保育園で卒園に当たって記念品を贈呈する際の目録や熨斗のマナーについて解説します。
目録や熨斗の使い方や書き方、渡し方を紹介していますので参考にしてください。
卒園記念品で目録を使用するケース
1.記念品の数が多い時
「目録」とは、品物の品目(および個数)を箇条書きに記したものを意味しています。
品目以外に贈り主や日付などを書くことで、「いつ」「誰が」「何を」贈ったのか一目で分かります。
この目録があることで、贈られた側が品物に間違いがないか確認することができます。
つまり、「目録」とは品物を受け取った時に付いてくる「納品書」に相当するものとなります。
卒園などのセレモニーで贈呈を行う際には、ただの納品書を渡すのではなく、のし袋(祝儀袋)に入れた目録をしたためて渡すことが基本的なマナーとなります。
記念品が1~2点と少なければ、品物自体に熨斗掛けをして、直接「これは卒園記念品の〇〇です。」と渡しても構いませんが、品物の種類や数量が複数あるような場合には、できるだけ目録を渡したほうが良いでしょう。
卒園記念品を受け取った園側も目録を見ながら検品することができるので親切です。
2.記念品に熨斗掛けできない時
また、卒園記念品の数量が多い時だけでなく、ロッカーや遊具などの大きな品物を贈呈する場合にも、目録を作って渡します。
こうしたものには熨斗掛けすることができないため、代わりに祝儀袋に入れた目録を手渡すことで相手への感謝の意を示すのです。
3.卒園式で実物が渡せない時
卒園式で卒園記念品を贈呈する際は、保護者の代表から園長先生に熨斗掛けした記念品の実物を手渡しするのが基本のマナーです。
しかし、手から手に渡すことになるため、必然的に軽くて小さな物以外は渡すことはできないでしょう。
実際のところ卒園記念品は、大きな備品類や、点数の多い教材類などを贈呈することが多いため、実物を直接渡せるケースは少ないでしょう。
そこで、実物の代わりに目録を渡すのです。
現在、「目録」と言えば、この「実物の代わりに渡すもの」という意味で使われることがとても多くなっています。
卒園記念品の目録の書き方
目録に記載する項目は次の通りです。
②贈呈の目的
③贈呈日および贈呈者
④受領者
品物
「品物」は、何種類あっても「一」「一」と一を続けて書きます。
数量は「壱、弐、参」という大字を用いて書きます。改ざん防止のためです。また、「台」「冊」「脚」など「個」以外の数え方があるものは、正式な呼称を用います。
贈呈の目的
単に、「右の通り贈呈します。」とだけ記しても構いません。
贈呈者
「会長」「理事長」など贈呈する代表者に肩書がある場合には名前の上に記します。
保護者会などの正式な組織がない場合には、「平成30年卒園児保護者一同」「第二十回卒園児一同」などと書きます。
受領者
「園長」「所長」などの肩書を入れても構いません。
敬称は「殿」か「様」を使いますが、最近は「様」を使うケースが多くなっています。
しかし、どちらでも構いません。
なお、水引のある表書きは「目録」以外の記載は不要です。中に収めた目録の用紙に必要事項を記載しているからです。
卒園式での目録の渡し方
卒園式で目録を渡す時の一般的な流れは次の通りです。
2.贈呈者(保護者の代表)が目録を読み上げる
3.受領者(園長など)に目録が手渡される
贈呈者は、立ち上がったら一礼をし、マイクの前や檀上などの定位置まで歩みを進みます。
そして、のし袋から目録の用紙を取り出して読み上げます。
読み方は、「目録(もくろく)、一(ひとつ)跳び箱1台、 一(ひとつ)20冊、以上を卒園記念として贈呈いたします。」となります。
目録には贈呈者と受領者も記されていますが、読んでも読まなくても構いません。
読み上げたら、再び目録をのし袋に入れてから、園長に表書きが読めるように手渡します。
卒園記念品の熨斗の書き方
記念品に熨斗掛けをして渡す場合には、以下のように表書きします。
上段に「卒園記念品」「贈呈品」と書きます。
また、2行にして「第二十回 卒業記念品」「平成三十年卒園記念 贈呈品」などのように書いても良いでしょう。
下段に贈呈者を書きます。
組織名だけでも構いませんし、組織名の左側に「山田花子 他二十名」と言うように代表と人数を書くこともできます。
正式な組織名がない場合は、「平成三十年卒園児保護者一同」「第二十回卒園児一同」などと書きます。