１歳・２歳・３歳の睡眠時間

１歳、２歳、３歳の平均睡眠時間と理想的な睡眠時間について解説します。

この年齢の子供達はどれだけの時間、寝ればよいのでしょうか？

睡眠時間の平均はどれくらい？

日本小児保健協会が調査した「平成22年度幼児健康度調査報告書」では、幼児の睡眠時間は次の表のようになっています。

この表を基に１歳から３歳までの睡眠時間（平均）をわかりやすく説明します。

１歳の平均睡眠時間

１歳の場合は、１日に１２時間近く眠る子供が大半です。

９０％以上が夜に９時間以上寝て、７０％以上が２時間以上の睡眠をしています。

２歳以降の年齢と比べてお昼寝の時間が長いのが特徴です。

この時期はまだ体力が足りないので、日中、元気に過ごすためにしっかりとお昼寝することが必要です。

２歳の平均睡眠時間

２歳になるとお昼寝の時間が短くなるため１日の睡眠は１１時間半を切るようになってきます。

夜の睡眠時間は１歳の頃とほとんど変化がありません。

また、２歳は２２時以降の就寝する子供の割合が、１～６歳の中で最も高まる時期でもあります。

イヤイヤ期になるので遊びたくて寝るのを嫌がる子供もいるでしょう。

そして、体力がついてくるため１歳の頃と同じ時間お昼寝をしてしまうと、夜に眠れなくなってしまうことがあります。

寝つきが悪いと感じた時は、お昼寝時間を短くするとよいでしょう。

３歳の平均睡眠時間

３歳ではさらにお昼寝の時間が短くなり、お昼寝をしない子供も増えていきます。

その分、夜の睡眠時間が少し増えるため１日の睡眠時間は平均して１１時間あります。

なお、５・６歳では６割以上の子供がお昼寝をしなくなり、１日平均睡眠時間は約１０時間半になります。

理想の睡眠時間はどれくらい？

１～３歳の幼児にとって理想の睡眠時間は何時間でしょうか？

残念ながら、はっきりとした時間はわかっていません。

日本小児科学会の「子どもの睡眠に関する提言」によれば「必要な睡眠時間には個人差があるので、適切な睡眠時間を一概に示すことはできません」としています。

そこで、平均的な睡眠時間を目安にして生活することを心がけるとよいでしょう。

具体的には昼と夜を合計して、１歳・２歳なら１１時間３０分、３歳なら１１時間の睡眠時間を確保するようにします。

夜の睡眠だけで１１時間確保することは難しいので、しっかりとお昼寝します。

３歳になるとお昼寝しない子も増えてきますが、それでも７割以上の子が１時間以上のお昼寝をしています。

夕方以降に疲れが出ないようにするためにも、お昼寝をして体力を回復させることが必要です。

ただし、夕方頃からのお昼寝や、長すぎるお昼寝は夜更かしの原因になります。

毎朝決まった時間に起床して、昼ご飯の直後からお昼寝をするなどの規則正しい生活をすることで、夜の就寝時間に影響がでないようにしましょう。

幼少期の睡眠不足が体や脳の発達にどのような影響を与えるのかということについてはよくわかっていません。

しかし、睡眠不足になると集中力が損なわれて、遊びや勉強に実が入らなることは誰もが経験していることでしょう。

また、睡眠直後にノンレム睡眠という深い眠りに入ると、脳では「成長ホルモン」が分泌されます。

成長ホルモンは骨や筋肉の成長を促進させると共に、ケガや疲労の回復に寄与します。

結果的に免疫力も高まって風邪などにもかかりにくくなります。

幼児期の前半である１歳、２歳、３歳までは、昼も夜も睡眠時間をしっかり確保することが理想であると言えるのではないでしょうか。

<参考出典>
日本小児科学会「子どもの睡眠に関する提言」
社団法人日本小児保健協会「平成22年度幼児健康度調査報告書」