ママの姿が見えなくなると泣きながら探そうとする後追い。
トイレの中まで追いかけてきて、家事・育児に忙しいママにとっては困った行動です。
赤ちゃんの後追いはいつ頃から始まり、いつ頃に終わるのか解説します。
後追いはいつからはじまるのか?
赤ちゃんの後追いは、生後8ヵ月前後で始まります。
ただし、赤ちゃんの成長には個人差があるため、早ければ6カ月前後で、遅ければ1歳前後に後追いが始める赤ちゃんもいます。
赤ちゃんはなぜ後追いをするようになるのか?
それでは成長に伴って、赤ちゃんの後追いがはじめる理由を説明します。
1.愛着が形成されるから
「後追い」とは愛着行動のひとつです。
赤ちゃんは生後6か月前後になると、いつもお世話をしてくれる特定の人に対して「愛着」を持つようになります。
その対象はもちろんママです。
ママへの愛着が形成されると、単に「おっぱいをもらう」「おむつをかえてもらう」というママからの一方的(受容的)な関係から、「ママの側にいたい」という赤ちゃんとの相互的な関係に発展します。
特定の人に「愛着」の感情を持つことで、恐怖、不安、悲しみなどの様々な感情もあらわれてきます。
そのため、ママの姿が見えなくなると悲しくなり、泣いて「側にいてほしい」ということを伝えようとするのです。
同じく「人見知り」も、知らない人に抱っこされると恐怖を感じ、ママに抱っこして欲しいと訴えているのです。
2.移動することができるから
赤ちゃんは生後6カ月前後から「寝返り」がはじまり、8か月前後には「ずり這い」、10カ月前後に「ハイハイ」と移動手段が進化していきます。
こうした運動能力の発達により、ママの姿が見えなくなると泣くだけではなく、ママを探して追いかけるということができるようになるのです。
愛着の対象であるママは、赤ちゃんにとって一番の安全地帯です。
好奇心旺盛な赤ちゃんは、探索行動によって新しい挑戦を日々繰り返しています。
これができるのはママという最も安心できる安全基地があるためです。
赤ちゃんは安全基地であるママのもとにいつでも帰れるように一定の距離を保とうとして後追いをすると言われています。
3.認知する能力が成長したから
ママの後ろをついていくためには、愛着や運動能力の他に、ママを探すための様々な認知能力も備わっている必要があります。
ママの声や物音、暗がりの中の明かり、いつも閉じられている扉が開いているなど、目や耳をフル活用してママがいそうなところを探し回るのです。
後追いしてトイレの中まで入ってこられるのは、こうした耳で聞く、目で見るという認知能力が成長してきた証でもあります。
後追いはいつまで続く?
後追いは赤ちゃんの成長の証でもあり、ママのことが大好きであることがわかって嬉しい反面、炊事・洗濯などの家事に追われるママにとっては困った行動でもあります。
いったい後追いはいつ頃まで続くのでしょうか?
基本的には1歳半頃には泣きながら追いかけるという激しい後追いは見られなくなります。
そもそも赤ちゃんは目の前のものしか存在していないと感じています。
しかし、1歳半頃までには、ママの姿が見えなくても「キッチンにいる」、「トイレにいる」ということが次第にわかってきます。
また、ママが話す言葉も少しずつわかるようになってくるため、例えばトイレに行くときに、「トイレに行くから待っていてね。すぐに戻るよ」と毎回、声かけをすることで、次第に言葉の意味が分かり、その言葉を聞いて少しの時間であれば待つことができるようになるのです。
とは言え、後追いに類似した愛着行動は小学生になっても形を変えて続いていきます。
例えば3歳の子供が、夜中にたまたま目が覚めてしまい、その時にいつも隣で寝てくれているママがトイレに行ってしまうと激しく泣くことがあります。
小学生の子供でも、ママが仕事の都合などでいつもより帰りが遅いと心配になって泣き出すこともあります。
つまり「いつもと違う」という非常事態になると大きく成長してからも後追いに似た愛着行動があらわれます。