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「はいはい」から「あんよ」へと続く成長段階にできるようになる「つかまりだち」。
できるようになる時期の個人差も大きいため「いつになったらできるのか?」とやきもきしているママ・パパも多いことでしょう。
そこで「つかまりだち」ができるようになるまでの発達過程について詳しく解説します。
「つかまり立ち」がはじまる時期
厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査」によると、90%以上の赤ちゃんが「つかまり立ち」できるようになる時期は、生後11か月末となっています。
「つかまり立ち」とは、赤ちゃん自身の力で、何かにつかまりながらでも、2本の足で立ち上がることをさします。
親の手助けで立たせても「つかまり立ち」とはなりません。
なお、発達には個人差があります。
「つかまり立ち」の場合、早い赤ちゃんであれば生後6か月から、遅い赤ちゃんであれば1歳1か月前後にようやく完成する子もいます。
「つかまり立ち」ができるようになるまで
それでは、赤ちゃんが一人で「つかまり立ち」できるようになるまでの発達経過を月齢ごとに見ていきましょう。
月齢5か月
「首座り」はすでに完成していて、「寝返り」がはじまるようになる時期です。
赤ちゃんの発達には基本的な順番があります。
運動機能の場合は、体の「上部」かつ「中心」の筋肉(神経)から発達が始まるため最初に首座りができるようになります。
その後、体の「下部」さらに手足の「末端」へと発達が続いていくため、腰回りと上半身を使う「寝返り」ができるようになります。
月齢6か月
95%の赤ちゃんが寝返りできるようになる時期です。
寝返りができるということは、すなわち腹這いで生活をする時間が長くなることを意味します。
気になるものに手を伸ばそうとして、上半身を持ち上げることや、飛行機など腹這いならではのポーズをするなど、体を盛んに動かすようになります。
その結果、つかまり立ちに必要な背中や腰回りの筋力の発達が促されます。
なお、この時期に「つかまり立ち」ができる赤ちゃんは10%弱です。
月齢7か月
寝返りによる移動に加えて「ずりばい」で移動が始まる時期です。
さらに、早い子であれば「ひとり座り」もできるようになります。
体幹と手足を使った全身運動である「ずりばい」をすることで、「ひとり座り」に必要な腰や背中の筋肉が発達し、さらに「はいはい」、「つかまり立ち」へと発展する足腰の筋力も発達していきます。
なお、この時期に「つかまり立ち」ができる赤ちゃんは約30%です。
月齢8か月
9割近い赤ちゃんがお座りできるようになる時期です。
ようやく、一人でお座りができるようになった月齢ですから、「つかまり立ち」はまだ先です。
一方で、この時期は「ずりばい」や「はいはい」での移動がますます盛んになります。
立ち上がるための足の筋力やバランス感覚は未熟ですが、こうした運動を通じて着実に準備が進んでいきます。
また、「つかまり立ち」は腕の力も要する運動ですが、「ひとり座り」ができるようになると両手を使った遊びができるため、自分の手をコントロールする力を養うことができます。
なお、この時期に「つかまり立ち」ができる赤ちゃんは約55%です。
月齢9か月
9割以上の赤ちゃんが「ずりばい」または「はいはい」で移動できる時期です。
立ち上がるためには、股関節を閉じて膝で体を支える必要があるため、「はいはい」ができるようになると「つかまり立ち」まで後もう少しという状態です。
なお、この時期に「つかまり立ち」ができる赤ちゃんは約80%です。
月齢10か月
この月齢になると、「つかまり立ち」はもちろん、中には「あんよ」もできるようになる赤ちゃんもいるため、親としては自分の子の発達について少々心配になるかもしれません。
90%弱の赤ちゃんが「つかまり立ち」できる時期なのですが、一方で、できない子(やらない子)は、ハイハイばかりの状態が今後、長く続く可能性があります。
統計的に見ると10月末時点で「つかまり立ち」をしていない子が、ほぼ全員できるようになるまで4か月もかかっています。
月齢11か月
ついに9割以上の赤ちゃんが「つかまり立ち」できる時期になりました。
もし、まだできていないとしても遅ければ1歳2か月近くまでかかることがあるため、「はいはい」や「ずりばい」での移動ができているのであれば、あまり心配しないようにしましょう。
「はいはい」よりも先に「つかまり立ち」ができでも良いか?
「ずりばい」から「つかまり立ち」までの発達の過程は次の通りです。
しかし、中には「ハイハイ」よりも先に「つかまり立ち」ができてしまう赤ちゃんもいます。
原因としては、ハイハイなどで移動しなくても興味を引くものが近くにたくさんある事や、つかまり立ちしやすい高さの台がある事などの環境も考えられますし、何かにつかまって立とうとすることに強い興味があるという性格も考えれます。
これは発達の「個人差」であるため、気にする必要はありません。
ただし、「ずりばい」や「はいはい」は、全身を使った優れた運動であるため、できるだけさせたほうが望ましいと言えます。
「はいはい」をほとんどしないうちに「つかまり立ち」ばかりするようであれば、例えば広い平坦な場所で遊ばせるなどして「はいはい」での運動をさせてみるのも良いでしょう。
「つかまり立ち」の練習は必要か?
結論から言えば、「つかまり立ち」の練習は必要ありません。
「つかまり立ち」の練習と言うと、例えば、赤ちゃんが座れるような低い椅子に手をかけさせて、親がサポートしながら立たせるといった方法が考えられます。
赤ちゃんは、今までのハイハイとは異なる高い目線になって楽しいため、何度か手助けするうちに感覚をつかみ、一人でやるようになります。
しかし、先ほど説明したように、「ハイハイ」自体が上半身も下半身も使う良い全身運動であるため、続けているうちに自然と「つかまり立ち」をするために必要な筋力を養うことになります。
あとは、赤ちゃんが立ち上がってみたいと思うようになるまで成長を待っていれば大丈夫です。