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誰にでも愛想の良かった赤ちゃんが、ママ以外の人に抱っこされると泣き出すようになる時期が突然やってきます。
赤ちゃんの成長過程の一つである「人見知り」はいつ頃はじまり、いつ頃おわるのか解説します。
人見知りはいつから始まるか?
人見知りは生後6カ月前後に始まります。
ただし、人見知りの時期は個人差が大きく、1歳前後になって人見知りが始まる赤ちゃんもいれば、全く人見知りをしない赤ちゃんもいます。
赤ちゃんはなぜ人見知りをするようになるのか?
赤ちゃんはなぜ人見知りをするようになるのか、そのメカニズムを解説します。
1.愛着が形成される
人見知りをする第一の理由は、生後6カ月前後から赤ちゃんがママへの「愛着(アタッチメント)」が掲載されて、特別な存在であると感じられるようになるためです。
赤ちゃんにとって、ママは毎日笑顔で遊んでくれて、「お腹が減った」「オムツが気持ち悪い」「ねむたい」などの不快な状況に対して優しくケアをしてくれる大切な存在であることに気づき始めるのです。
特定の人への「愛着」が形成されると、そうではない人に対しては「恐怖」や「不安」を感じるようになります。
誰に抱っこされても泣かなかった赤ちゃんが、突然「人見知り泣き」を始めるようになるのはこのためです。
2.顔を識別できるようになる
人見知りする2つ目の理由は、赤ちゃんの視覚による認知能力が発達したためです。
生まればかりの赤ちゃんは、顔から20~30cmの距離がうっすらと見えるだけです。
視力が発達し、生後1~2か月頃には追視もできるようになります。
さらに成長をすると、人の顔とそうでないものの区別がはじまり、人の顔の中でもママなどのいつも側にいる人にとそれ以外の人の区別もつくようになっていきます。
人見知りが始まったということは、こうした人の顔の違いを識別できるまでに認知能力が発達した証でもあるのです。
3.記憶することができるようになる
「記憶力」も人見知りができるようになるために欠かせない能力の一つです。
ママとママ以外の人の顔を識別するためには、ママの顔を記憶しておく必要があるからです。
また、生まればかりの赤ちゃんは、目の前にあるものしかこの世に存在しないと感じているのですが、人見知りををするということは、いつも側にいてくれるママが目の前にいないために不安や恐怖を感じて泣いています。
つまり、ママという存在もしっかり脳に記憶されているため、特別な存在であるママが一番近くにいないことに気づいて不安になっているのです。
人見知りはいつまで続く?
1.泣くのは1歳半頃まで
知らない人に抱っこされたり、側に近寄られることで泣いてしまう「人見知り泣き」は、一般的に6ヶ月から1歳4ヶ月の間に始まって終わります。
その理由は以下のようなことが考えられます。
1つ目は、ママの言葉が理解できるようになるからです。
例えば「ちょっとトイレにいってくるから、このお姉さんと一緒にいてね」と言えば、その間は待つことができるようになります。
2つ目は、記憶力が発達するとともに、色々な人に出会う経験を積み重ねることで、他人に対する恐怖心が薄れてくるからです。
3つ目は、自我が芽生えてきて、言葉も少し話せるため、好きではない人が抱っこをしようとすると、「いやいや」と言って逃げ出すことができるようになるからです。
つまり、泣くこと以外に自己の意思を伝える方法を身に着けるためです。
そして、何より重要なポイントは、ママへの「愛着」が形成されているという点です。
いつでもママの元に戻れるという安心感があってこそ、あまり知らない人に抱っこをされても泣かずに我慢できるようになるのです。
2.人見知りは大人になっても続く
赤ちゃん特有の「人見知り泣き」は1歳で見られなくなってきますが、他人に対して不安を感じるという気持ち自体はその後も続きます。
例えば3歳くらい児童が、久しぶりにあった祖父母にたいして、挨拶ができずにモジモジする態度は普通のことです。
成長につれて社会的なマナーが身につき、初めて出会う人や久しぶりに出会う人に対しても、しっかりとした対応ができるようになります。
しかし、見知らぬ人に対して不安や緊張を覚えること自体は大人になっても続きます。
子供の成長段階や性格によって人見知りの程度が激しく感じられることがありますが、親としては無理に直そうとして叱ったりすることなく、長い目で見守ることが必要です。
人見知りをしないけど大丈夫?
大半の赤ちゃんには成長の過程において人見知りが見られます。
他の赤ちゃんを見て、人見知りをすることが当たり前だと思い込んでいると、もし自分の赤ちゃんが人見知りをしない場合、何か問題があるのではないかと不安を覚えるママもいます。
学研の調査(学研プラス「はじめての育児」より)によると3割以上のママが赤ちゃんに人見知りがなかったと答えています。
つまり、人見知りをしない赤ちゃんもそれなりの割合で存在しているのです。
人見知りがないからといって、それだけをもって発達障害などが疑われるということはありません。
あくまで個人差であり、その赤ちゃんの性格によるものです。