赤ちゃんの原始反射~種類と消失時期の一覧~

赤ちゃんはママのお腹にいるときから生きていくための様々な反射が備わっています。

新生児が持って生まれてくる様々な原始反射を紹介します。

赤ちゃんの原始反射とは何か?

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原始反射とは、生まれつき備わっていて、自分の意思とは関係なく体を動かす反応のことを意味します。

新生児は大脳皮質が未発達であるため自分の意思で体を動かすとこができません。

そこで、生命を維持するための最低限の機能として原始反射を備えて生まれてくるのです。

大脳皮質が発達することで、原始反射のほとんどは生後3~4か月には消失してしまいます。

それと同時に、反射ではなく自分の意思によって体を動かそうとする能力を獲得するようになります。

母乳を吸うための反射

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1.口唇探索反射(ルーティング反射)

唇の近くに何かが触れると、その方向に首を動かそうとする反射です。

生後3カ月頃に消失します。

2.吸てつ反射

口の中に乳首や指など入れると、規則的な間隔で吸いこもうとする反射です。

生後3カ月頃に消失します。

3.嚥下反射

母乳やミルクなど口の中に貯まったものを飲み込もうとする反射です。

目の反射

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4.凝視反射

赤ちゃんの顔から20~30cm程にものを近づけると、焦点を合わせる反射です。

生後しばらくすると、さらに動くものを目で追う追視が始まります。

体幹の反射

5.引き起こし反射

仰向けの姿勢から両手を持って体をゆっくり引き上げると、頭を起こそうとする反射です。

生後6カ月頃に消失します。

6.ガラント反射

赤ちゃんを腹這いの姿勢にして、背骨の左側を上から下に刺激すると、左側の背中を縮めるようにして曲げるという反射です。右側を刺激すると同様に右側の背中が曲がります。

生後2ヵ月頃に消失します。

7.モロー反射

仰向けや腹這いの姿勢で、上半身を持ち上げて後に急に下げると、驚いて体を伸ばした後に、何かに抱きつくように体を曲げる反射です。

大きな音を聴いた時や裸にされた時に、ビックリしたように両手を上げる反応もモロー反射のひとつです。

生後3カ月頃に消失します。

手足の反射

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8.把握反射

手のひらや足の指の付け根を刺激すると、指を曲げるという反射です。

生後3カ月頃に消失します

9.原始歩行反射

赤ちゃんの両脇の下を抱えて、体を持ち上げて床に立たせようとすると、体を前に倒して、足を伸ばして歩くように足を動かすという反射です。

生後1~2ヵ月頃に消失します。

10.陽性支持反射

赤ちゃんの両脇の下を抱えて、空中に持ち上げると、両足を曲げるという反射です。

生後6カ月頃に消失します。

11.バビンスキー反射

足の裏の外側を踵(かかと)から指にかけて刺激をすると、足の親指を反り返す、扇状に足の指を広げると言う反射です。

生後6カ月~2歳の間に消失します。

12.非対称性緊張性けい反射

赤ちゃんの姿勢は、仰向けになった時に、正面から見て両腕で「W字」、両足で「M字」の姿勢をとります。

この時、顔が向いている側の手と足が少し伸びるという反射です。

生後4ヵ月頃に消失します。

13.交叉伸展反射

片側の足だけを伸ばして、その足を刺激すると、反対側の足が曲げるように動きます。

その直後、刺激された足がさらに伸びるという反射です。

生後1~2ヵ月頃に消失します。

14.足ひっこめ反射(逃避反射)

赤ちゃんを腹這いの姿勢にして、足の裏を刺激すると両足を曲げるという反射です。

生後1~2ヵ月頃に消失します。

15.磁石反射

赤ちゃんを腹這いの姿勢にし、足を少し曲げた時に両足の裏を刺激すると足が伸びるという反射です。

刺激をした人の手にくっついたように足を伸ばすので「磁石」と呼ばれています。

生後1~2ヵ月頃に消失します。


<参考出典>
小児看護学
家庭の医学大辞典
新乳幼児発達心理学
保育士完全合格テキスト
月齢別育児のきほん辞典
いちばんよくわかる育児
はじめての育児百科

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