幼児の睡眠リズム―1歳・2歳・3歳に必要な睡眠時間とは?―

赤ちゃんの時はたくさん寝ていたのに2歳頃から睡眠時間が少なくなったと心配になることがあります。

1歳を過ぎた幼児の理想的な睡眠時間はどれくらいなのでしょうか?

子供達の睡眠リズム

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まずは、社団法人日本小児保健協会が公表している「平成12年度幼児健康度調査報告書」に基づいて、今の子供たちの睡眠リズムについて確認しましょう。

1.「寝る時間」は夜9~10時が多い

寝る時間

就寝時間 1歳 1歳半 2歳 3歳 4歳 5・6歳
21時 37.2% 36.0% 33.6% 39.0% 50.0% 51.2%
22時 35.5% 37.1% 40.5% 36.6% 32.0% 33.9%
23時 14.8% 13.3% 15.7% 13.2% 5.8% 5.2%

上記の表のように、全年齢の8割以上が夜9以降に眠ります。

就寝時間は、親の睡眠時間に合わせるようになっているため、昔と比べて寝る時間が遅くなっています。

「私が子供の頃は、8時くらいに寝ていた」という両親も多いのではないでしょうか?

自分の子供が11時過ぎても起きているのを見て、「成長に影響がないのか」と心配になるのも無理はありません。

10時以降まで夜更かしをする割合は2歳がピークで、4歳を過ぎると9時に寝る子供の割合が増えてきます。

その理由は、2つ考えられます。

1つは幼稚園・保育園に通うようになって規則正しい生活リズムになるからです。

もう1つは、4歳以降になると親が「添い寝」をしなくても眠れるようになるからと推測できます。

実際、「添い寝をしないと寝られない」という子供の割合は2歳をピークにして徐々に減っていきます。

「添い寝をしないと寝られない」子供の割合

1歳 1歳半 2歳 3歳 4歳 5・6歳
18.3% 19.9% 24.4% 18.0% 11.1% 8.6%

つまり、親が寝る時間に合わせる必要がなくなるので、早く寝ることができるようになるのです。

2.「起きる」時間は朝7~8時が多い

起きる時間

起床時間 1歳 1歳半 2歳 3歳 4歳 5・6歳
6時 16.2% 13.6% 9.4% 8.7% 9.0% 8.9%
7時 44.7% 46.0% 48.6% 48.6% 58.4% 63.9%
8時 27.8% 28.7% 31.3% 34.3% 29.4% 25.6%

一方、起きる時間については全年齢で7時が最も多くなっています。

8時以降というやや遅い時間に起きる子供の割合は3歳がピークで4歳以降は減っていきます。

1歳を過ぎて3歳になるまでに、寝る時間がどんどん遅くなり、3歳を過ぎて幼稚園・保育園に通うようになると、夜更かしが減っていくという傾向にあると推測できます。

3.平均睡眠時間は約10時間

平均睡眠時間は、年齢によってあまり差がありません。

1歳が9.6時間、3歳が9.8時間となっており、年齢に関わらずおよそ10時間の睡眠時間が平均的であると考えてよいでしょう。

必要な睡眠時間は何時間?

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では、1~3歳頃の幼児にとって必要な睡眠時間は何時間でしょうか?

残念ながら、はっきりとした時間はわかっていません。

日本小児科学会の「子どもの睡眠に関する提言」では「必要な睡眠時間には個人差があるので、適切な睡眠時間を一概に示すことはできません」としています。

繰り返しになりますが、睡眠の時間や質には個人差があるのです。

まず、睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があります。

レム睡眠 = 脳が活動している状態(浅い眠り)

ノンレム睡眠 = 脳が休んでいる状態(深い眠り)

赤ちゃんは昼夜の区別なくほとんど寝ていますが、実は脳が活動している「レム睡眠」が半分を占めます。

そして成長に伴って、「ノンレム睡眠」の割合が増えていき、幼児期になると睡眠の75%がノンレム睡眠になります。

これは大人とほぼ同じ割合です。

長時間寝ていれば良いというものではなく、睡眠の質がとても重要になってきます。

なぜなら、成長を促すホルモンは「ノンレム睡眠」の時に多く分泌されるからです。

特に「寝はじめ」のノンレム睡眠で大量に分泌されると考えられています。

従って、あくまでも個人的な意見ですが、脳や体の発達が著しい1~3歳であれば、お昼寝とあわせて1日11~13時間程度の睡眠時間は確保したいものです。

睡眠不足はどんな悪影響があるか?

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1.免疫力が落ちる

幼少期の睡眠不足が体や脳の発達にどのような影響を与えるのかということについてはよくわかっていません。

睡眠不足による直接的な体への影響として挙げられることは、「免疫力」が落ちるということです。

体を休ませて疲れをとることによって、免疫力が向上し、風邪などの感染症から身を守りやすくなります。

保育園などの集団生活では、様々なウィルスや細菌による病気が流行します。

しっかりとした睡眠は、これら感染症予防の第一歩となります。

2.不規則な生活リズムが身についてしまう

3歳を過ぎて幼稚園・保育園に通うようになってからも夜更かしが直らないとすれば、それ以降もずっと夜更かしをする生活が続いてしまう可能性があります。

日中、学校で居眠りをしたり、勉強に対する集中力が損なわれて、学習意欲や成績に影響します。

実際、日本や海外の様々な調査データから夜更かしをする子供の成績は、そうでない子と比べて低いことが指摘されています。

<参考出典>
日本小児科学会「子どもの睡眠に関する提言」
社団法人日本小児保健協会「平成12年度幼児健康度調査報告書」