雛人形の飾り方~親王飾りから七段飾りまで~

雛人形の基本的な飾り方を詳しく解説します。

節分が過ぎるといよいよ「雛人形」の登場します。

1年に1回なので飾り方を忘れてしまっている方も多いでしょう。

そこで事前に雛人形の飾り方をおさらいしておきましょう。

雛人形の飾り方【基礎知識】

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1.雛人形を飾る時期

お雛様は、2月3日の節分の翌日である2月4日の「立春」から飾ることができます。

遅くとも節句の1週間前までには、飾り付けを終えましょう。

また、反対に雛人形をしまう時期は、できるだけ早い方がよく、節句が終わって1~2週間以内にしまって大切に保管しましょう。

2.飾り方に方に決まりはない

現代において、雛人形は一式セットで購入することが一般的です。

人形店の店頭では、最も見栄えのするような順番で店員さんが並べてくれていますので、購入する時に店頭での飾り付けを写真に撮っておきましょう。

そして、その写真を見ながら飾り付けをすると失敗がありません。

しかし、雛人形の飾り方には「こうしなければいけない!」という決まりがある訳ではありません。

現在のように雛人形を一式セットで買うようになるのは明治時代以降のことで、江戸の後期や明治の初めころまでは、年ごとに気に入ったお人形やお道具を1点づつ買い集めてきて飾り棚に飾っていたのです。

そのため、その家ごとに特色のある飾り方をしても実は構わないのです。

見本はあくまで参考として、人形や道具の配置は飾る人(ママや子供たち)が気に入るように試行錯誤するのも楽しみ方のひとつです。

毎年、同じ飾り方ではなく、たまには変化もつけることで、より雛人形に対する愛着も沸いてきます。

雛人形の飾り手順

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1.事前準備(持ち道具をセットする)

飾り台に人形やお道具を飾る前に、それぞれの人形の対となる持ち道具をつけてあげましょう。

男雛・・・頭に「冠」、手に「笏(しゃく)」、左腰に「太刀」

女雛・・・手に「扇」

三人官女・・・それぞれの手に「くわえの銚子」「三方(三宝)」「長柄の銚子」

※くわえの銚子とは急須、やかんのような形のお銚子です。

五人囃子・・・それぞれの手に「太鼓」「大鼓」「小鼓」「笛」「扇」

随身・・・頭に「巻纓(けんえい)」と「綾(おいかけ)」と呼ばれる飾りを付けた「冠」、背中に「矢」

仕丁・・・それぞれの手に「台笠」「沓台」「立傘」

2.『七段飾り』の飾り方


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一般的な飾り方を紹介します。

ひな人形のセット内容によってはお道具などが異なる場合があります。

最上段

1.「屏風」を立てる。

2.親王雛を置く。向かって左に「男雛」、右に「女雛」。(京都風にしたい場合は左右を入れ替える)

3.親王の間に、「三方(三宝)飾り」を置く

4.親王の両脇に「雪洞(ぼんぼり)」を立てる

二段目

1.三人官女を置く。向かって左から「くわえの銚子」「三方(三宝)」「長柄の銚子」を持たせた官女の順。

2.三人官女の間に、2つの「高杯」を1つずつ置く

3.「高杯」には紅白餅・桜餅・よもぎ餅などのお菓子を置く

三段目

1.五人囃子を置く。向かって左から「太鼓」「大鼓」「小鼓」「笛」「扇」を持たせた童子の順。

四段目

1.随身を置く。左端に右大臣(若人)、右端に左大臣(老人)

2.随身それぞれの隣に「菱台」を置き、菱餅をお供えする

3.中央に「御膳」を2つ並べる

※「菱台」と「御膳」の位置は反対でもよい。

五段目

1.仕丁(衛士)を置く。向かって左から「台笠」「沓台」「立傘」を持たせた仕丁の順。

2.仕丁の両脇に、花(橘、桃、梅、桜など)を飾る

六段目

1.七段目に置く以外の道具(箪笥、狭箱、長持、鏡台、針箱、火鉢、茶道具など)を並べる

特に順番はない。

七段目

1.向かって左から「御駕籠」「重箱」「御所車」を並べる

3.『五段飾り』の飾り方

12人飾りの場合



1.最上段から四段目までは、七段目飾りと同じように並べる

2.五段目には、両端に花(橘、桃、梅、桜など)を飾り、その間にお道具を並べる

15人飾りの場合



1.最上段から三段目までは、七段目飾りと同じように並べる

2.四段目には、随身と仕丁を置く。向かって左から「右大臣(若人)」、「台笠」「沓台」「立傘」を持たせた仕丁、「左大臣(老人)」の順

3.五段目には、両端に花(橘、桃、梅、桜など)を飾り、その間にお道具を並べる

4.『三段飾り』の飾り方

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一般的な飾り方を紹介します。

ひな人形のセット内容によってはお道具などが異なる場合があります。

最上段

1.「屏風」を立てる。

2.親王雛を置く。向かって左に「男雛」、右に「女雛」。(京都風にしたい場合は左右を入れ替える)

3.親王の間に、「三方(三宝)飾り」を置く

4.親王の両脇に「雪洞(ぼんぼり)」を立てる

5.親王雛の前に「菱台」を置き、菱餅をお供えする

二段目

1.三人官女を置く。向かって左から「くわえの銚子」「三方(三宝)」「長柄の銚子」を持たせた官女の順。

2.三人官女の間に、2つの「高杯」を1つずつ置く

3.「高杯」には紅白餅・桜餅・よもぎ餅などのお菓子を置く

三段目

1.お道具を置く。向かって左から「御駕籠」「重箱」「御所車」を並べる

2.お道具の両端に、花(橘、桃、梅、桜など)を飾る

4.『親王飾り』の飾り方

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一般的な飾り方を紹介します。

ひな人形のセット内容によってはお道具などが異なる場合があります。

最上段

1.「屏風」を立てる。

2.親王雛を置く。向かって左に「男雛」、右に「女雛」。(京都風にしたい場合は左右を入れ替える)

3.親王の間に、「三方(三宝)飾り」を置く

4.親王の両脇に「雪洞(ぼんぼり)」を立てる

5.親王雛の前に「菱台」(またはお道具)を置き、菱餅をお供えする

6.雪洞の前に花(橘、桃、梅、桜など)を飾る

雛人形を片づける方法

雛人形は高価な工芸品ですから、節句が終わったらできるだけ早くしまって大切に保管しましょう。

雛人形を片づける時の基本を紹介します。

晴れている日にしまう

人形は湿気に弱いため晴れて乾燥している日に片づけるのが望ましいとされています。

手袋をする

手についた皮脂の汚れは、害虫が好みますので手袋をしましょう。

ほこりをはたく

飾っている間に、人形やお道具には沢山の塵やほこりがついています。毛ばたきでほこりをとってからしまいましょう。

持ち道具をはずす

人形に付属している持ち道具はもれなくはずしましょう。つけたままだと仕舞う時や取り出す時に当たるなどして損傷してしまう恐れがあります。

桐などの木箱に入れる

湿気を吸い、害虫を防ぐ木箱を使って仕舞いましょう。

できらば乾燥剤もあわせて入れておくとよいでしょう。

間違っても人形をそのまま段ボールに入れることはやめましょう。

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