新生児のお世話の仕方【10個のポイント】

新生児のお世話の基本を解説します。

初めての育児は不安ばかりだと思いますが、大切なポイントをしっかり抑えて赤ちゃんのお世話を楽しみましょう。

新生児の特徴

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簡単に新生児の特徴をおさらいしましょう。

お世話の前に新生児の体や生活リズムを知ることで理解がより深まります。

1.新生児の体

正産期に産まれた新生児の身長は約50cm、体重は2.5~3.5kg程度です。

目はまだよく見えず、ぼんやりと20~30cm先が見える程度です。しかし、耳は胎内にいる時からよく聞こえていて、高い音、特に母親の声によく反応します。

においも感じることができて母乳の嗅ぎ分けることもできます。

また、新生児期は自分の意思で体を動かすというよりも「原始反射」と呼ばれる仕組みによって、母乳を飲んだり、手足を動かしたりします。

詳細コラム:新生児(0~1か月)の体と動きの特徴を知ろう

2.新生児の生活リズム

新生児は昼と夜の区別ができません。

1日の6~7割程度は寝ていて、3~4時間ごとに睡眠しては目覚めるというリズムを繰り返します。

授乳は頻回で、1日10~15回程度も吸います。

排泄も同様で、おしっこを10~20回、うんちを4~8回します。

つまり、新生児の生活リズムは、「目覚め→授乳→排泄→睡眠」を数時間で繰り返すことになります。

新生児のお世話(10コのコツ)

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1.授乳は左右均等に

赤ちゃんを産んだ病院で、助産師さんから母乳指導が必ずあります。指導された方法で母乳をあげるようにしましょう。

助産師さんによって教え方が少し異なりますが、基本的には1回10~15分で左右1往復するか、1回5~7分で左右2往復するかになります。

赤ちゃんの胸とママの胸を真正面にしっかりくっつけて抱きかかえ、おっぱいをハンバーガー型に少し潰して、赤ちゃんの唇に持っていきます。

赤ちゃんが大きく口を開けたら、乳輪が隠れるくらいまで深くくわえさせます。

飲ませる時間が片乳に偏ってしまうと乳腺炎をはじめとした母乳トラブルの原因にもなるので、できるだけ均等な時間で飲ませるようにします。

もし、赤ちゃんが途中で寝てしまったら、次回は飲む時間が少なかったほうの胸からあげるようにします。

詳細コラム:母乳での育児について知っておきたい4つの基本

2.粉ミルクを使ってもよい

母乳は、赤ちゃんを病気から守る免疫物質が含まれていたり、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを軽減すると言わています。

一般的に、母乳は出産直後から出始めるものの、初めのうちは分泌量が少なく、1週間程かけて徐々に増えて、2週間から1か月で量が安定します。

おっぱいの分泌を増やすホルモンは赤ちゃんにおっぱいを吸われることで活発になるため、赤ちゃんが欲しがるだけ母乳を与えましょう。

赤ちゃんも初めはおっぱいを吸うのが下手なのですが、回数を重ねることで、上手に吸えるようになります。

このように、母乳を安定的に飲めるようになるには、ある程度の時間が必要ですので、焦らず授乳しましょう。

一方、母乳での授乳がうまくいかない場合は、母乳にこだわり過ぎず粉ミルクで授乳させましょう。

粉ミルクの栄養は、母乳に比べて劣るということはありません。

とりわけ、母乳だけで授乳をしていて、赤ちゃんの体重増加が不十分な場合には、粉ミルクも併用するようにしましょう。

3.オムツ替え・着替えは授乳の後に

新生児の肌は薄くデリケートなため、肌トラブルを予防するためにもオムツ交換と着替えはこまめにする必要があります。

特にうんちはかぶれやすいため、素早く交換しましょう。

まず、赤ちゃんが起きたらオムツを必ず確認します。

うんちがでていたらすぐに交換します。

うんちが出ていない場合は、授乳をした後にオムツを交換しましょう。

授乳中にうんちやおしっこをすることも多いためです。

また、赤ちゃんにとっておっぱいを飲むことは運動である言っても過言ではなく、汗もたくさんかきます。

肌着が湿っていたらオムツと一緒に交換しましょう。

さて、うんちについては、おしり拭きでキレイに拭いたつもりでも、慣れないうちは拭きとり漏れがあります。

少しでもうんちがついていると、その部分が赤く肌荒れします。

コットンを多めに使って、肛門の周辺はもちろん、腰周りやおへそ周り、そして足の付け根部分まで丁寧に拭きましょう。

母乳を飲む量が増えるにしたがって、便の量が増え、緩めのうんちが広範囲に付着するようになります。

詳細コラム:赤ちゃんのオムツ交換―「手順」から「回数」「タイミング」まで―

4.沐浴は日中に

新生児は細菌などによる感染症予防のため、大人と同じ湯船に入ることはできません。

専用のベビーバス(沐浴桶)を使用して体を洗います。

沐浴は、大人と一緒にお風呂に入れるようになる生後1か月過ぎまで行います。

赤ちゃんは、汗が多く、排泄も頻回であるため、少なくとも1日に1回は沐浴をします。

お湯の温度は、夏場は38度、冬場は40度が適温とされています。

また、体が冷めないように冬季や肌寒い時期は日中に沐浴をして、部屋の温度は20度以上を保ってください。時間をかけ過ぎると体力を消耗するので、10分程度で済ませましょう。

湯温は温度計があれと正確にわかります。ない場合は、給湯器の給湯温度を調整して、適温のお湯を張りましょう。

沐浴のポイントは以下の通りです。

1.沐浴布で体を覆ってから湯船に入れる
2.体の隅々まで丁寧に手とガーゼで洗う
3.石鹸を舐めてしまうことがあるので、手を洗った直後は、水で手についた石鹸を落とす
4.体が冷えないように、沐浴が終わったら素早く体を拭く

詳細コラム:パパもできる沐浴マニュアル~入れるタイミングからやり方まで~

5.沐浴後には必ず保湿を

沐浴の後は、乾燥しやすい赤ちゃんの肌を守るためベビーオイルなどの保湿剤を塗りましょう。

アトピーなどアレルギー症状を引き起こす要因として肌の乾燥がその一つに挙げられます。

冬は特に肌が乾燥しやすいため、着替えの時にも保湿剤を塗るとよいでしょう。

保湿剤は手足や顔も含めた全身に塗ります。

すでに肌トラブルがある場合には、病院を受診して白色ワセリンなどの刺激のない保湿剤を処方してもらいましょう。

6.沐浴後にはオヘソのお手入れを

臍(へそ)の緒は、生後7~10日以内に乾燥してとれます。

へその緒がまだ付いている時期、そして、とれた後も、おへそが乾くまでは炎症をおこしやすいため、清潔に保ちましょう。

綿棒に消毒用アルコールをつけて、へその緒の周辺(とれた後は、おへその中と周囲)を優しく丁寧にふきます。

7.爪は週に2回切る

新生児は爪が伸びた状態で産まれてきます。

誕生後も大人と同じようにすぐに爪が伸びてきてしまうため、少なくとも1週間に1回は切るようにしましょう。

新生児の爪は透明で柔らかく、とても小さいため非常に切りづらいので、慣れないうちは赤ちゃんが寝ている間に切るとよいでしょう。

深爪をしないように、できれば1週間に2回程度のペースで浅めに切るとなおよいでしょう。

爪を切っていても顔に引っ掻き傷ができてしまいますが、この時期の引っ掻き傷は後に残らないので、過剰に心配する必要はありません。

詳細コラム:新生児・赤ちゃんの爪切り~やり方とコツを写真で解説~

8.室温はエアコンを使って一定にする

新生児は、周囲の気温に影響を受けやすいため、一定の室温を保ちます。冬場であれば20~22度、夏場は25~27度に室温を保ちましょう。

また赤ちゃんの服装は、生まれた季節によって異なります。

夏の時期
コンビ肌着1枚でよい。冷房をしている場合は、薄手のツーウェイオールを着せる

春・秋の時期
肌着1枚に、ツーウェイオール1枚。(気温が下がる夜~朝は、冬と同じ服装に)

冬の時期
短肌着1枚、コンビ肌着1枚、ツーウェイオール1枚の3枚を着せる

新生児は、新陳代謝が多く、汗をよくかくため、こまめに着替えさせます。そのままにしておくと湿疹の原因になります。

詳細コラム:新生児の服装と3か月間で必要な枚数【春夏秋冬・生まれた月別】

9.ふれあいと語りかけで遊ぶ

新生児は、目はまだよく見えていませんが、耳は聞こえます。

そのため、メリーやガラガラなど、音のするおもちゃで、音を鳴らせてあげると遊びのひとつになります。

また、ふれあい遊びもできます。赤ちゃんの肌はまだ敏感なため、やさしく体をふれながら、お歌や語りかけをしてみしょう。

新生児はまだ生理的微笑しかできないため、ママに遊んでもらって笑うということはありませんが、遊んでもらい様々な刺激を受けることで言葉や感覚の発達を促します。

10.辛い時は無理しない

母親とっては、出産後の回復期でもあり、かつ、赤ちゃんに合せた生活リズムとなるため、睡眠不足と肉体的な疲れが重なるつらい時期です。

赤ちゃんのお世話以外の家事については、家族の助けが欠かせません。無理をせず、体を休めましょう。

家族の手助けを求めることが難しければ、ファミリーサポートなどの行政サービスを利用しましょう。

家事や育児を手伝ってもらうことができます。まずは、住んでいる市区町村に電話で相談してみましょう。

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