「赤ちゃんのうんちが5日も出ない!」なんてことは、決して珍しくありません。
「綿棒浣腸をやってあげたいけど、ちょっと怖い・・・」というママのために、失敗しない浣腸のやり方を紹介します。
どんな時に綿棒浣腸をすればいいか?
1.便秘の原因は便の水分不足
そもそも便秘とは、単に数日間、便が出ない状態を指すのではなく、便の水分が不足し硬くなることで排便しづらい状態を指します。
したがって、便が3,4日でないとしても、便が柔らかく、排泄時に便が詰まって出にくい状況がなければ心配ありません。
ただし、便が排泄されずに、長い時間、腸内に滞留していると、腸に水分が吸収されて硬くなり、便秘につながります。
3~5日経っても排便がない場合は、綿棒浣腸などで刺激をして出すようにしてあげます。
2.水分不足になりやすい時期
0歳の赤ちゃんは、成長が早く、どんどん生活環境が変わっていきます。
そのため、いつも通りの母乳(ミルク)・離乳食をあげていても、水分不足になって急に便秘になることもあります。
例えば、次のような変化によって、赤ちゃんの水分が不足することがあります。
常にこうした変化に気づくことは難しいので、もし、排便回数が少なくなった場合には、母乳や離乳食以外にもミルクや麦茶などで水分を多めにとるようにしましょう。
その他の便秘予防法についてはこちらの記事も参考にしてください。
https://cawaiku.com/child/sick/newborn-constipation-3days-1269
3.綿棒浣腸をしないほうがいい場合
綿棒浣腸そのものに副作用はありませんが、次のような場合は、見合わせましょう。
綿棒浣腸を嫌がる赤ちゃんは多いです。
浣腸をしているときに暴れると、肛門や腸を傷つける恐れがあるので、無理に行わないようにしましょう。
綿棒浣腸をしなくても便秘は過度に心配するものではないですし、小児科で相談すれば便を出しやすくする薬ももらえます。
綿棒浣腸マニュアル
1.準備
準備する物は以下のものです。
浣腸時に使うもの
浣腸後に使うもの
準備のポイント
綿棒は子供用ではなく大人用のものを使います。
浣腸は、肛門を開いて、直腸を刺激することが目的であるため、太い大人用綿棒を使う方が、余計な力を入れずに効果的な浣腸ができます。
また、潤滑剤はオイルではなくワセリンがより適しています。
そもそもワセリンは不純物がなく皮膚や粘膜への刺激がほとんどないこと、また、固形であるため、皮膚と綿棒の間の緩衝が厚くなって摩擦がより少なくなるためです。
また、浣腸をすると大量に便が出る可能性があり、おむつからはみ出すことがあります。
そこで、おむつの下に新聞紙を敷きます。
便が新聞紙さえも浸透してしまい、床や畳が汚れるのを防ぐため、新聞紙の下にビニールシートを敷くと、より万全です。
浣腸は、長いと5分以上かかるため、その間、下半身が裸であるため、体温が下がらないように、特に冬場はしっかりと部屋を暖かくしましょう。
2.実行
綿棒浣腸は、腸の動きが活発になる授乳(食事)30分後に行うと成功率が高くなります。
2.乳児を仰向けに寝かせる
3.オムツの前面だけを開ける
4.足をM字に開く
5.肛門にワセリンを塗る
6.綿棒を肛門に2cm入れる
(2cmが分からなければ、綿棒にマーカーで印をつけておきましょう)
7.肛門を広げるように、ゆっくりと円を描く
※5回くらい円を描けば便が出てきますが、もし、出ない場合は2~3分ほど続けましょう。
8.おしりを拭いて、汚れたオムツ・新聞紙をビニール袋にすてる
9.新しいおむつをつける
3.もし出なかったら
2~3分やっても出ない場合は、また次の授乳(離乳食)の後に、再度試しましょう。
それでも便が出ないときは、赤ちゃんの様子をよく観察して、食欲がなくなったり、元気がなくなったり、1週間以上でない、などの様子があれば、医療機関を受診しましょう。
(参考書籍)
医学書院「新看護学・母子看護」
金原出版「小児看護学」
小学館「家庭の医学大辞典」
学研「赤ちゃんの病気全百科」
ベネッセ「赤ちゃんの病気新百科」