目次
なぜ、赤ちゃんは便秘になりやすいのか?
その原因について解説します。
便秘とは?
1.便のペースは個人差がある
「毎日、うんちが出ていたのに、もう2,3日でない」と心配するママ・パパはとても多いと思います。
しかし、「うんちが出ていない」=「便秘」と決めつけていないでしょうか?
うんちが出るペースには個人差があります。
1日3~4回うんちをする赤ちゃんもいれば、3日に1回しかうんちをしない赤ちゃんもいます。
その子なりのペースがあるため、たとえ数日に1階であっても苦しむことなくスムーズに便を出しているのであれば便秘であるとは言えません。
また、気温などの環境の変化や成長に伴う体の変化によって赤ちゃんの排泄のペースが、突然変わってしまうこともよくあります。
したがって、3日間うんちが出ていない状況が、すなわち「便秘」であるとは限らないのです。
2.便の状態やいきみ方にも注目
「便秘」であるかどうかは、便の回数だけで決まるわけではありません。
普段よりも便の回数が少なくなっていることに加えて、以下の点にも注目して「便秘」かどうか判断します。
例えば「3日ぶりにうんちをしたが、コロコロした硬いうんちが少量出ただけだった」という状況であれば、便秘であると考えていいでしょう。
赤ちゃんが便秘になる原因
なぜ、赤ちゃんの排便の間隔は、急に変化してしまうのでしょうか?
その原因について解説します。
1.うんちを出すための自律神経や筋肉が未発達である
赤ちゃんは意識して便をするのではなく、「反射」で便をしています。
要するに「便意を感じて、お腹に力を入れ、うんちをする」ということはできません。
これができるのは、3歳を過ぎてからであり、5歳になってようやく大人と全く同じ感覚で排便をすることができるようになります。
また、大人であれば、便が生産されると、自律神経の作用により、直腸の入り口(肛門括約筋)が閉じて直腸内に便がたます。
しかし、自律神経が未発達な新生児は、便を貯めることができず、1日に何度も排便することがあります。
赤ちゃんの便の間隔が急に長くなったり、短くなったりするのは、このように便を出すための機能が十分に整っていないためです。
「うんちは定期的にするもの」という考え方は、赤ちゃんには当てはまりません。
ですので、急にうんちの回数が少なくなったとしても、すぐに便秘であるとは言えないのです。
2.水分が不足している
水分不足で硬くなったうんちが、肛門近くで詰まってしまうと、便秘になりやすいです。
なぜなら、赤ちゃんは便意を感じ、腹筋の力で便を押し出すことができないからです。
しっかり母乳やミルクを飲ませていても、気候や服装によっては汗を多くかいて水分が不足していることもあります。
便が硬くなる理由は水分の不足がおもな理由でもあるため、便秘気味であれば授乳以外にもこまめに水分を飲ませる必要があります。
3.「粉ミルク」は便秘になりやすい?
結論から言えば、母乳だから便秘になる、ミルクだから便秘になる、ということはありません。
かつては、成分の違いから、うんちの硬さはミルクよりも母乳の方がゆるくなると言われていました。
しかし、最近の粉ミルクはほぼ母乳と同じ成分で構成されています。
腸内での消化に影響する乳糖についても母乳と同じものを配合している粉ミルクの商品がほとんどです。
あくまでも便秘はうんちに含まれる水分の不足が原因です。
(参考出典)
医学書院「新看護学・母子看護」
金原出版「小児看護学」
小学館「家庭の医学大辞典」
学研「赤ちゃんの病気全百科」
ベネッセ「赤ちゃんの病気新百科」