ノロウィルスの予防と消毒について

家庭でできるノロウィルスの予防方法と消毒方法について解説します。

この記事には疾病の情報が一部に含まれています。当記事を参考にした自己診断は決して行わないでください。気になることがあれば、医療機関を受診することを強くお勧めします。自己診断によるトラブルは一切の責任を負いかねます。

ノロウィルスによる胃腸炎の特徴

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症状

ノロウィルスに感染すると12~48時間の潜伏期間を経て胃腸炎を発症します。

症状は、腹痛から始まって、嘔吐、下痢、発熱が顕れます。

発熱は38度に満たないことが多く、発熱しないこともあります。

発症から2,3日で自然に回復しますが、下痢や軟便は1週間近く続くことがあります。

0~1歳の赤ちゃんは、腹痛を訴えることができないため、突然の嘔吐からはじまることが多いです。

また前兆として、食欲がなくなったり、普段はうんちをしないような時間帯に下痢気味の便をすることもあります。

いずれにせよ10月下旬頃から赤ちゃんが「突然の嘔吐」をしたら「ノロウィルス」と考えて慎重に対応しましょう。

それまでに食べていた量にもよりますが、嘔吐と下痢は発症から24時間で頻繁に見られます。

嘔吐と下痢によって、水分だけでなく電解質も失われるため、電解質が多く含まれる「スポーツドリンク」や「経口補水液」をこまめに飲むようにします。

嘔吐した直後は飲ませても吐いてしまうこともあるため30分程度開けてから水分を飲ませます。

水分補給ができない場合には再度、医療機関を受診しましょう。

感染経路

ノロウィルスは、ウィルスを保有する2枚貝を食べることで食中毒を起こします。

食中毒を起こした人がトイレや公共の場所などで下痢、嘔吐をした際に、適切な処理が行われないとウィルスが飛散することになります。

トイレやドアノブに付着したウィルスを手で触れ、その手を使って食べ物などを口に入れる時に経口感染します。

生ものを食べない小さな子供がノロウィルスに感染するのは、家族からノロウィルスに感染するケースです。

さらに、ノロウィルスに感染した子供が保育所に登所することで、保育所に通う子供達が次々に感染してしまうのです。

ノロウィルスの消毒方法

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1.消毒剤の選び方

ノロウィルスはアルコールで消毒することができません。

効果のある薬剤は、「次亜塩素酸」または「二酸化塩素」が含まれる商品です。

ドラッグストアで販売しています。

ノロウィルスが流行する冬の時期は、保育所や幼稚園などで子供が感染してくる可能性が高くなるため、家庭に1つは常備しておきましょう。

万が一、子供が胃腸炎を発症したにも関わらず、ウィルス対策用の薬剤がない場合には、「次亜塩素酸」が含まれている「ハイター」を使用します。

ボトルを用意して、水道水とハイターを注入することで消毒液を作ることができます。

次亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.1%になるように水の量を調整しましょう。

2.嘔吐物のついた衣服・寝具の消毒

クレベリンスプレーを使用した消毒方法を紹介します。

消毒の方法については商品によって使い方が異なるため、必ず、使用方法を確認してから消毒を行いましょう。

1.ゴム手袋をつける

2.ゴミ袋に汚れた衣類を入れる

3.ゴミ袋の中を2,3度スプレーする

4.さらに衣類の汚物の付いた箇所を集中的にスプレーする

5.袋をしばって、30分置く

6.キッチンペーパーで汚物を拭いてとる(キッチンペーパーは別のゴミ袋に捨てて密閉する)

7.衣類を洗濯して、必ず外に干す。

4.嘔吐した床の消毒

1.ゴム手袋をする

2.嘔吐した床の周辺を1、2度スプレーする

3.キッチンペーパーを使って汚物を覆う

4.キッチンペーパーの上に集中的にスプレーをする。

5.キッチンペーパーと汚物、ゴム手袋をビニール袋に入れる

6.密閉して捨てる

7.床に2,3回スプレーをする

5.空間の消毒

クレベリンスプレーは、30分間で浮遊するウィルスの99.9%を除去するとされています。

従って、嘔吐をしてしまった部屋の空間にスプレーをすることで予防対策をします。

1畳あたり1回スプレーするので、6畳の部屋であれば、まんべんなく6回スプレーしましょう。

スプレーしたあと30分間は、部屋に入らずに待っています。

30分後に、窓を開けて風通しを良くてから、さらに30分換気します。

6.ドアノブ、トイレなど

汚物を処理した場合、手に付着したウィルスがドアノブなどにつきます。

他の家族がドアノブを触れることで飛沫感染する場合があります。

そのためドアノブに関わらず、汚物処理をした人が接触した箇所にはスプレーをかけておきましょう。

ドアノブは直接スプレーして、10分ほどおき、キッチンペーパーを濡らして水拭きします。

水拭きは二酸化塩素による金属のさび防止をするために行います。

トイレ、ゴミ箱なども同様にスプレーしておきましょう。

ノロウィルスの予防方法

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ノロウィルスの主な感染場所としては、学校・保育園などの子供が集まる施設や駅やスーパーなどのトイレで感染します。

ウィルス対策の基本は手洗い・うがいですので、自宅に帰ってきたら、しっかり行います。

しかし、保育園では多くの子供たちが長時間一緒に過ごしていますので、完全に予防することは難しいです。

もし、子供に嘔吐・下痢があった場合には、ノロウィルスに感染したことを前提に親が手洗い・うがい・ウィルス除去(消毒)を徹底することで家族に感染が拡大することを予防します。

おむつ交換や嘔吐物の処理をするときには、ゴム手袋をつけて行い、処理後にはウィルスに効果のある薬剤をスプレーして消毒をします。

一連の処理が終わったら、入念に手洗いとうがいをしましょう。


(参考出典)
厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
国立感染症研究所
保育所における感染症対策ガイドライン
医学書院「新看護学・母子看護」
金原出版「小児看護学」
小学館「家庭の医学大辞典」
学研「赤ちゃんの病気全百科」
ベネッセ「赤ちゃんの病気新百科」

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