新生児の体重が減る理由―生理的体重減少とその他5つの意外な原因―

新生児の体重が減少する理由は「生理的減少」だけではありません。

病気も含め重大な問題が潜んでいる可能性もあります。

体重減少の理由と、それによる影響について解説します。

新生児の体重が減少する理由

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まず、赤ちゃんの体重が減少する理由を見てきましょう。

理由1.「生理的体重減少」によるもの

標準的な新生児の場合、体重は生後1カ月間で約900g(平均1日30g)増加します。

ただし、出産から数日間は「生理的体重減少」により赤ちゃんの体重が減ります。

この現象は、胎児の時に飲み込んだ羊水などが便(胎便)として排出されることや、生後2,3日は母乳の分泌量が少ない等の理由で起きます。

生後3~4日目までに減少率10%以内で体重が減少していたとしても正常の範囲内です。

生理的体重減少は、ほぼすべての赤ちゃんに生じる現象です。

「生理的体重減少」に関する詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。

新生児に生理的体重減少がある理由は?減少率の計算方法は?
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理由2.単に一時的なもの

生理的体重減少によって、生後4日目頃をピークに体重が下がった後は、体重は増加に転じていきます。

生後7~10日頃までに出生時の体重に戻り、その後、生後30日まで1日平均30gで体重が増加していきます。

これは母乳(ミルク)の哺乳量が増大して、たくさんの栄養を摂取できるようになるからです。

一方で、赤ちゃんには体重減の要因となる以下のような生理的な現象が常にあります。

  • うんち・おしっこをする(特に便秘の場合、1度に大量の便がでる)
  • 汗や皮膚呼吸、肺呼吸によって水分が蒸発する
  • 体や内臓を動かすためにエネルギーを消費する
  • つまり体重測定のタイミングや計測の誤差などによって1~2日増えなかったり、減ったりすることもあり得ます。

    このような一時的な体重の減少はそれほど心配する必要はありません。

    1週間程度は見て、体重が増える傾向になっているか確認しましょう。

    もし、体重が増えていないのであれば第一に母乳不足が原因として考えられます。

    理由3.母乳不足によるもの

    体重が減るということは、病気の有無に関わらず、赤ちゃんが生きていく上で最低限消費されるエネルギー(カロリー)に対して栄養が不足しているということです。

    つまり、新生児の成長に必要な量の母乳が出ていない・飲めていないということです。

    その原因は様々なものがあり、その一部の以下に列挙します。

    ・そもそも乳汁分泌不全である(50人に1人の割合)
    ・授乳時の抱き方や乳首の含ませ方に問題がある
    ・授乳回数が少ない
    ・哺乳が難しい乳首の形状である

    授乳をしているママ一人では原因を特定できないことも多いので、体重が増加しない状況が続いているのであれば、早めに出産した病院に相談をし、母乳外来などで授乳指導を受けるようにしましょう。

    なお、世界保健機関(WHO)では、母乳だけで赤ちゃんを育てることができる体重の増加量の目安を、1週間で100~200gとしています。

    ただし、生後1か月検診で1日の体重増加量が平均して25g以下の場合には、普段の授乳状況ついて指導を受ける可能性があります。

    理由4.病気によるもの

    体重減少の背景に奇形症候群や心疾患、腫瘍疾患などの先天的な病気が関わっていることもあります。

    赤ちゃんの体重の増え方には個人差があり、単にゆっくり発育する赤ちゃんなのか、それとも先天的な疾患による哺乳障害を持つ赤ちゃんであるのかを見分ける必要があります。

    専門的医による診断が必要なため早期にかかりつけの産科・小児科などに相談しましょう。

    理由5.家庭環境に伴うもの

    家庭環境の問題により、赤ちゃんに十分な栄養が与えられず、体重が減少してしまうこともあります。

    よくあるケースとしては、兄姉に赤ちゃんの哺乳を邪魔をされることです。例えば、ママが兄姉の面倒に時間を取られてしまい、赤ちゃんがおっぱいを欲しがってもすぐに授乳ができないなどです。

    授乳を頻回に(新生児期は1日10回程度)しないと母乳の量も増えていきませんので、欲しがった時にはすぐに授乳することが大切です。

    この他にも、夫婦の不仲、同居している義理の両親との不仲、育児のストレスなどが重症化して、うつ状態になり、母乳を欲しがる赤ちゃんのサインに気づかないこともあります。

    また、貧困などの経済的な理由、精神疾患を含む親の病気・障害、などによって、適切な育児が行われない、いわいる「ネグレクト」の状態になっている場合もあります。

    こうした場合は、まず、信頼できる身近な人に相談して、環境が改善できないか一緒に考えてもらいましょう。

    信頼できる人がいない、相談したけれど改善できなかった場合は、かかりつけの産科、小児科に相談して、支援してくれる公的な機関を紹介してもらいましょう。

    絶対に1人で抱え込まないでください。必ず支援してくれる人はいます。

    体重減少はその後の発達に影響することがある

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    万が一、体重が減少してしまう傾向が続くようであれば、赤ちゃんの今後の発達にも影響が出てきます。

    特に、生後6か月までは、急速に脳が発達する時期でもあり、発育不良により、ものごとを認識する能力や言葉を覚える能力に何らかの影響が出てしまう可能性もあります。

    自己判断せず、夫(妻)、自分の両親、医師、助産師など、あらゆる人に協力をしてもらって、少しずつでも体重が増えるように改善していきましょう。


    ※育児コラムの参考文献はこちらです。