主な乳房トラブルを一覧で掲載しています。
母乳で赤ちゃんを育てる際にには「出ない」「足りない」という一般的な悩み以外にも、様々なトラブルがあります。
うつ乳(乳汁うっ帯)
乳汁(お乳)が排出されず、乳汁そのものや、乳汁を作る血液やリンパが貯まって乳房が硬く張ってしまう状態です。
原因
様々な理由で、乳汁が分泌される量よりも、排出する量が少なくなったときに起きます。
主に次のような理由が考えられます。
・乳栓で乳管が詰まっているために、乳汁が出づらくなっている
・赤ちゃんが上手におっぱいを飲めていない
・赤ちゃんが飲みきれないほど母乳の分泌が多い
などです。
対処法
乳頭トラブル
乳頭に何らかのトラブルがあることで授乳が困難になることがあります。
1.亀裂・発疹
乳頭に傷や発疹が出来たために、赤ちゃんにおっぱいを吸われる時に強い痛みがある状態です。
痛みのために授乳を続けることができないこともあります。
原因
多くの場合、「1回の授乳時間が長い」「吸い方が浅い」といった授乳方法が原因となります。
授乳時間が長いと皮膚がふやけてしまうため、赤ちゃんに乳頭を噛まれたときに傷や発疹ができやすくなります。
また、吸い方が浅いと乳首に大きな負荷がかかって傷つくことがあります。
対処法
2.短・扁平・陥没
乳頭の長さが5ミリ以下だと、赤ちゃんにとっては、吸いづらいおっぱいだとされています。
対処法
乳腺炎
1.急性うっ滞性乳腺炎
初産婦に多く見られる乳腺炎で、乳房全体が強く張って、熱を持った状態になります。
原因
うつ乳が解消されないことが原因です。
対処法
2.急性化膿乳腺炎
乳房が赤く腫れ、強い痛みがある乳腺炎で、38度以上の熱が出て寒気やだるさを伴います。
原因
乳腺が細菌感染することで発症します。
細菌が侵入する原因は、「うっ滞性乳腺炎」や「乳頭にできた傷口」によるものです。
対処法
血乳
母乳に血液が混じっている状態です。初乳など生後1週間の間に血乳がでることがあります。
少量であれば問題ありませんが、出産から1週間以上立っていたり、片方だけから血乳がでている場合になどは産婦人科を受診しましょう。
(参考出典)
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド2019年改定版」
医学書院「新看護学・母子看護」
医学書院「母性看護学2」
南山堂「母乳育児学」