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0歳~9歳までの子供の死亡者数は年間2806人(厚労省統計・平成29年度)。
先天性の病気による死亡だけなく、転落や誤嚥など、予防できる死亡原因もあります。
子供の死亡原因を知ることで、日常の危険から子供を守りましょう。
子供全体(0歳~9歳)の主な死亡原因(上位6つ)
1.先天奇形等
年間865人の子供が先天奇形等により死亡しています。(平成29年度厚労省人口動態統計)
「先天性奇形等」には主に染色体異常と先天性奇形があります。
染色体異常の例としては、1歳までに90%が亡くなってしまう「13トリソミー症候群」や「18トリソミー症候群」があります。
先天性奇形は、生まれつき心臓に重度の奇形がある「先天性心疾患」や、生後に哺乳ができない「先天性消化器官異常」などがあります。
2.障害等
年間299人の子供が周産期および新生児期に特有の障害等により死亡しています。(平成29年度厚労省人口動態統計)
内訳は、周産期の呼吸障害等が235件、胎児および新生児の出血性障害等が64件です。
周産期の呼吸障害とは、誕生してから肺呼吸への切り替わりができずに低酸素状態になる障害のことで、新生児仮死などに代表されます。重度の場合、死に至ることがあります。
出血性障害等には血小板減少、頭蓋内出血、ビタミンK欠乏などがあります。
3.病気
年間216人の子供が病気により死亡しています。(平成21年度厚労省人口動態統計)
病気による主な死亡原因としては、癌(悪性新生物)が最も多く、次いで心臓病(心疾患)、肺炎となります。
4.不慮の事故
年間130人の子供が不慮の事故により死亡しています。(平成29年度厚労省人口動態統計)
事故による主な死亡原因としては、交通事故、溺死、転落・転倒、誤嚥や睡眠時の窒息、火災などがあります。
5.乳幼児突然死症候群(SIDS)
年間70人件の子供が乳幼児突然死症候群により死亡しています。(平成29年度厚労省人口動態統計)
乳幼児突然死症候群(SIDS)は、主に生後2~6か月の赤ちゃんが、特定の原因がないにもかかわらず、睡眠時に突然死亡する病気です。
10歳から14歳では年間99人、15歳~19歳では年間458人もの子供が自殺により死亡しています。(平成29年度厚労省人口動態統計)10歳~19歳まで自殺は死亡の最多要因となっています。
年齢別に見る死亡原因の予防法
新生児・0歳は、睡眠時に注意
0歳児の死亡の大部分は、先天性や出産前後の障害が原因となっているため、予防が困難です。
一方で、朝日新聞社は過去10年間(2005~2014年)の子供の死亡について原因分析を行ったところ、0歳の死亡事故は主に「睡眠時の窒息」により発生していることが判明したと発表しています。
「睡眠時の死亡」を防ぐ方法として、以下の3点を紹介しています。
2.添い寝で一緒に寝込まない
3.赤ちゃんの顔を覆ってしまうような物をベッド周辺に置かない
1と3は注意している保護者も多いと思います。
一方で、添い寝で赤ちゃんと一緒に寝込むことは、割と多いのではないでしょうか?
添い寝をして、そのまま寝込んでしまった大人の体によって、赤ちゃんが窒息して死亡する事故が年間10件程度発生しているそうなので注意しましょう。
添い寝をする場合は、パートナーに頼んで、時々様子を見に来てもらうようにしましょう。
次に乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防についてです。
睡眠時に発生する乳幼児突然死症候群(SIDS)は、その原因がよくわかっていません。
しかし、乳幼児突然死症候群(SIDS)が起きる赤ちゃんには、統計的に次のような傾向があるようです。
・うつぶせ寝をさせている
・親が喫煙をしている
・粉ミルクで育てている
これらを踏まえると、禁煙をして、母乳で育て、仰向けで寝かせることが、より良いことだと考えられます。
特に早産や低体重の赤ちゃんを寝かせる時には、一人きりにさせず、度々様子を確認する必要がありそうです。
1~2歳は、肺炎、溺死、誤嚥に注意
1、2歳では、主に予防できる死亡原因として、肺炎と事故が挙げられます。
まず肺炎は、肺炎球菌、インフルエンザの予防接種を忘れずに受けましょう。
また、風邪も軽く考えずに、早めに小児科を受診すると共に、受診後も3日以上経っても快方に向かわない場合、二次感染の恐れもあるため、再度、受診するようにしましょう。
次に事故についてです。
1,2歳の事故としては、主に溺死や誤嚥があります。(朝日新聞社調べ)
溺死は自宅の浴室で発生することがほとんどであるため、子供が浴室にいるときは常に親が監視するようにしましょう。
また、お風呂の水で遊ばないように、入浴が済んだら浴槽のお湯を必ず捨てるようにしましょう。
誤嚥は、0歳の場合おもちゃ等の食べ物以外による窒息も多いですが、1~3歳では、ほとんどが食べ物によって窒息をしています。
窒息する主な食べ物としては、ピーナッツ、節分の豆等のナッツ・豆類です。
この他には、グミ、キャンディー、ぶどう、ミニトマト等があります。
ナッツ類やあめ玉は、3,4歳になるまで与えない方がよいでしょう。
また、ミニトマトやぶどうは、小さくカットして食べさせるようにしましょう。
3歳以降は、転落や屋外での事故に注意
2歳までであれば、親が手を繋いで、寄り添いながら遊ぶことが多いですが、3歳になると、運動能力が高まり、親が思いもつかない遊びを1人で始めてしまいます。
転落は、公園遊具からの転落だけでなく、自宅で窓やバルコニーをよじ登って転落することがあります。
窓やバルコニーの周辺には踏み台になるようなものを置かないようにしましょう。
また、屋外の事故としては、交通事故、海・川・プールでの溺死があります。
日頃から交通ルールを守らせ、交通量の多い所では遊ばせないようにしましょう。
また、夏に水の事故が多くありますが、必ず大人と一緒に入水するようにしましょう。
天候にも十分注意し、雨天や風の強い日には川や海で泳がないようにしましょう。
子供の死亡原因に関する参考サイト(外部)
厚生労働省人口動態調査
消費者庁「あなたのお子さんは安全?」
日本小児呼吸学会「気道異物事故予防ならびに対応パンフレット」
朝日新聞社・特集「小さないのち」