神沢利子の絵本~読み聞かせにおすすめの5冊~

神沢利子さんが手掛けた絵本の中で、子供に読み聞かせをしたい選りすぐりの作品を紹介します。

神沢利子(かんざわとしこ)はどんな人?

【プロフィール】
1924年、福岡県に生まれるが、子供時代は樺太で過ごす。「あひるのバーバちゃん」で産経児童出版文化賞したのをはじめ、その後、日本児童文芸家協会賞、野間児童文芸賞、小学館児童出版文化賞、講談社出版文化賞など、多くの受賞歴がある。

神沢利子さんは絵本作家、児童文学作家です。

赤ちゃん向けの単調で読みやすい作品から、年長児向けの想像力を育ませてくれるような作品など、年齢を問わず読み聞かせてあげられる作品を多数発表されている作家さんです。

人気シリーズ「くまの子ウーフの絵本」では、ウーフが繰り広げる冒険にワクワクしたかと思えば、「はけたよはけたよ」では着替えという身近な行動を取り上げていたり、はたまた、自然の中の情景を美しく表現している作品があったりと、題材が多岐にわたっており、色んな場面で子育てのヒントとして活躍する絵本がたくさんあります。

さぁ、あなたは、神沢さんのどんな作品から、ご覧になりたいですか?

神沢利子のおすすめ絵本

1.【福音館書店】たまごのあかちゃん


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【絵】柳生弦一郎
【年齢】0歳頃から
【あらすじ】「たまごのなかでかくれんぼしているのだあれ?」という問いかけから、「○○のあかちゃんでした」と、ひよこやへびの赤ちゃんが、かわいい鳴き声とともに次々と登場するお話。

この作品の魅力は、単調な問いと答えの繰り返しから、次は何が出てくるかな?というワクワク感を楽しむ事が出来るところです。

一番の盛り上がりは、何といっても、恐竜の赤ちゃんが出てくるところ。

大きな卵がページいっぱいに描かれているシーンで、「こんな大きな卵から、何がでてくるだろうね」と問いかけながら、子供の心を惹きつけて読んであげるのが、おすすめです。

また、それぞれの卵の形にも着目して、見てみるのも楽しいです。

本物さながらに、カメの卵はまん丸で、にわとりの卵は、楕円形で描かれています。

いきもの観察の入口にもなりそうな一冊です。

2.【ひさかたチャイルド】やさいのともだち


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【絵】石倉ヒロユキ
【年齢】0歳頃から
【あらすじ】にんじんや、きゅうりにトマトといった、おなじみの野菜が畑の中でそれぞれの野菜の特徴をお話してくれます。

子供たちにとってもお馴染みのお野菜たち。

食卓やスーバーに並ぶ前の姿を教えてあげられる絵本です。

にんじんや大根は土の中、トマトやきゅうりは枝につき、グリーンピースはさやの中にいて、かぼちゃは土の上で育っています。

可愛らしい絵の中にも、さやや葉の形が、本物そっくりに描かれている点にも注目です。

大人には簡単な常識も、この絵本のように、かわいい絵と、会話を添えて伝えてあげられたら、子供の興味を惹きますね。

普段の食事でもこの絵本を思い出して、苦手な野菜の克服に楽しく挑戦するきっかけ作りになってくれそうな一冊です。

3.【偕成社】はけたよ はけたよ


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【絵】西巻 茅子
【年齢】2歳頃から
【あらすじ】片足立ちがうまくできず、パンツを上手にはく事が出来ない「たつくん」。けれど、ふとしたきっかけで、パンツもズボンも穿けるようになります。

身支度の自立へ向けて、発想の転換をするというヒントをくれる絵本です。

また、2歳頃の子供によく見られる、うらやましい気持ちや、嫉妬、うまくいかないことへの憤りが、実によく表現されています。

パンツをはかずに出掛けたたつくんは、尻尾が素敵な動物や、片足立ちの上手な鳥に出会います。

たつくんは、自分にはない尻尾や片足立ちの技術が、うらやましくてたまりません。

たつくんは、めんどうな気持ちから、しりもちついたままパンツを穿いてみたら、大成功します。

出来なかった事が出来るようになった、たつくんの得意げな姿は、きっと子供を励ます一助となるでしょう。

4.【福音館書店】いいことってどんなこと


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【絵】片山 健
【年齢】3歳頃から
【あらすじ】雪解けが始まった季節の中で、主人公の「わたし」は耳に入ってくる音を頼りに「水」や「川」、「鳥」、「風の音」がおしえてくれる「いいこと」を探す。

主人公の「わたし」が誘われる音の表現がとても魅力的です。

「ぴちゃぴちゃぴてぴてちろろろろ」というしずくの音、「ざっぶざっぶじょじょじょー」という雪解けの激しい川の音。

同じ水の音でも、色々な表情を声色にのせて読んであげると、子供たちは引き込まれるでしょう。

普段は聞くことの少ない自然の音に、心を向けるきっかけになるのではないでしょうか。

読み進めていくうちに、風や小鳥たちがいう「いいこと」とは、何なのだろうと、子供たちの期待は膨らみます。

「わたし」がみつけた「いいこと」が分かった後にも、「〇〇ちゃんにとって『いいこと』って何だろう?」と子供と一緒に考えてみると楽しいです。

身近にあるほんの小さな幸せへの気づきを教えてくれる作品です。

5.【ポプラ社】おかあさんおめでとう


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【絵】井上洋介
【年齢】4歳頃から
【あらすじ】ウーフはお母さんの誕生日プレゼントを探しに行くのですが、失敗の連続。落ち込んで帰ってくると、お母さんは優しく抱きしめてくれます。

大好きなお母さんを喜ばせようと奮闘する、くまの子ウーフのお話です。

誕生日プレゼントに考えたのは、ぶどうやはちみつ、カニ。

手に入れようとするも、蜂に刺されたり、ぶどうをつぶしたり、カニに挟まれたりと、アクシデントの連続で、なかなかうまくいきません。

子供たちは、そんなウーフを応援する気持ちから感情移入し、お話に引き込まれていきます。

落ち込んで帰るウーフを、「大好きなものはちゃんとここにあるよ」とお母さんが抱きしめるシーンでは、子供のホッとした表情が見られるでしょう。

親が持つ子供への思いを、ウーフのお母さんが代弁してくれているような作品です。

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