目次
妊娠したことを会社に報告する時期や言い方について解説します。
最適な時期に、過不足のない妊娠報告をして、滞りなく産休に入れるように備えましょう。
職場に妊娠の報告をする前に
1.先輩女性社員から情報収集
妊娠を報告する適切な方法については、会社(事業所)の規模や社風などによっても異なります。
まずは出産経験があり、信頼できる女性社員がいたら、「いつ」、「だれに」、「どのように」妊娠の報告をしたのか聞きましょう。
2.就業規則や労働基準法を確認しよう
また、会社の就業規則も確認しましょう。
通常、就業規則は労働基準法などの法令に則った項目や内容が書かれていますが、中には会社独自の規定している項目もあります。
例えば、妊娠中は通勤ラッシュを避けるために出勤・退勤時間をずらすことができる、であるとか、自宅で仕事ができるなどです。
こうした規則を知っていれば、上司に妊娠報告する際に適用してもらうなどの相談もすることができるでしょう。
反対に妊娠や出産に対して理解のない「マタハラ(マタニティハラスメント)」が生じそうな職場であれば、妊娠中の働く女性を守る法令についての基礎知識を知っておきましょう。
少なくともパートや派遣労働であっても妊娠や出産を理由とした減給や退職の強要、「妊娠は迷惑」などの言動は違法であることを知っておいてください。
厚生労働省がまとめているこちらのページがとても役立ちます。
厚生労働省:『働きながらお母さんになるあなたへ』
職場に妊娠を報告する相手とタイミング
1.妊娠が分かり次第すぐに伝えるべきケース
通常は、妊娠5~6週頃に赤ちゃんの胎嚢や心拍を確認することができると、妊娠が確定して出産予定日も決まります。
どんな職場であれ、社員が産休に入れば代替要員を確保するか、業務の見直しの必要になるため、将来の影響について早くわかることに越したことはありません。
とりわけ、以下のような状況に置かれている場合には、できるだけ速やかに報告しましょう。
妊娠をしたらお腹の赤ちゃんを第一に考えて行動しましょう。
職場に配慮しすぎて母体に負荷がかかると、最悪の場合、流産することもあります。
妊娠していることを会社に伝えていれば、負担の軽い仕事をやらせてもらったり、体調不良で早退や遅刻することについて理解してもらいやすくなります。
2.出産が確実になるまで待つべきケース
妊娠をしたとしても10~15%の確率で流産する可能性があるため、あまり早い時期に妊娠の報告をしてしまうと、流産した時に気まずいと感じる方は少なくないでしょう。
その場合は、初期流産の可能性が低くなる妊娠9~12週以降になるまで待って会社に報告します。
とくに以下のようなケースでは、この時期に職場に妊娠報告をするとよいでしょう。
まず、過去に流産したことのある方は、心情的にどうしても慎重になってしまうでしょうから、赤ちゃんが順調に大きくなっていることを確認してからでも遅くはないでしょう。
また、小さな職場で働いていて、特に妊婦さん本人しかできないような専門的な知識・技能を使った仕事をしていれば、産休・育休中の代替要員も必要になってくるでしょう。
昨今は労働者不足で、人材探しも難航することも多いため、早いほど会社も助かるでしょう。
3.安定期になったら妊娠報告すべきケース
妊娠16週以降の安定期になって会社に報告するのは、少し遅いかもしれません。
しかし、社員の人数が多く人員配置の融通が利きやすい職場や、産休・育休を取得する女性社員が多く、妊娠した時の対応にも慣れている職場であれば、安定期に入ってからの報告でも特に支障はないでしょう。
また、男性が妻の妊娠を職場に報告をする場合も安定期以降で十分でしょう。
男性の場合は、健診への付き添いや出産への立ち会い程度なので、有給休暇の範囲内で十分対応できるからです。
なお、夫が育休を取得するつもりなら、育休に入る時期にもよりますが、基本的には安定期に入ったら速やかに伝えたほうが無難でしょう。
職場に妊娠を報告する時の言い方(文例)
妊娠の報告は、監督責任者である直属の上司に対して行います。
在宅勤務などにより上司とはメールでやりとりすることが基本というような場合を除いては、原則として直接会話をして伝えます。
まずは「プライベートなことで報告がありまして、お時間少々よろしいでしょうか?」と話して、個室で妊娠の報告をするようにしましょう。
伝えるべき事柄は以下の4つです。
・体調が悪いこと
・出産予定日と産休に入る見込みの時期
・仕事を復帰する見込みの時期
最初に「実は妊娠しまして、来年1月に出産予定です。」と妊娠した事実を伝えます。
続いて、すでに悪阻などがある場合には、体調が悪く遅刻や早退をする可能性があることを話しましょう。
例えば、「今、妊娠7週なのですが悪阻が始まりまして、吐き気で思うように食事もできない状況です。このまま続くようだと遅刻や早退をさせていただいたり、休みを頂戴することも多々あるかもしれません。」というように伝えます。
次に、産休に入る日については、法令で決まっており出産予定日の6週間前です。
男性の上司だと産休に入るタイミングがわからないこともあるため、事前に調べて伝えるようにしましょう。
有給休暇も使って産休を前倒ししたい場合には、その旨も伝えましょう。
例えば、「産休が始まる日は12月3日からなのですが、有給休暇を使って切りよく6月1日から休職させていただいてもよろしいでしょうか?」というように話します。
最後に、復帰する時期については、かなり先のことで配属先も変わる可能性もあるため、この時点で伝えることは必須ではありません。
しかし、聞かれる可能性はあるので、答えられるように事前に考えておきましょう。
仮に都市部に住んでいる場合は、4月の一斉入所のタイミングでしか保育園に預けられない可能性が高いので、産まれて間もない翌年4月に預けるのか、育休の延長を使って再来年の4月にするのかになります。
例えば、「育休を取得して1歳になるまでは自宅で面倒を見たいと思っています。ですので、早ければ子供が1歳になる再来年の1月から復帰したいと思っています。ただ、私の住んでいる地域は保育園に入りずらい地域なので、おそらく再来年の4月まで復帰を待っていただく可能性が高いと思います。」というように話すましょう。
なお、妊娠の報告をしたら、必ず仕事の引継ぎを誰に対して、どのように進めるか上司に確認しましょう。