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お宮参りでは誰が参加すればよいのか、また赤ちゃんを誰が抱っこすればよいかなど、お宮参りの参拝方法について解説します。
基本的な参拝の仕方を知った上で、お宮参りに一緒に行くべき人に声を掛けましょう。
誰とお宮参りに行くべきか?
1.赤ちゃん、両親、父方の祖父母が基本
お宮参りの参列者については、地域ごとにしきたりが異なりますが、一般的には、赤ちゃんと両親、そして父方の祖父母までは参拝することが多いとされています。
かつてお産は穢れ(けがれ)と考えられており、お宮参りの時期もまだ母親は家の中で過ごすことが必要で、お宮参りには参列できないとする地域もあったようです。
お産の穢れが晴れる時期をいつと考えるかでお宮参りの日取りや参加者が決まっていたのです。
しかし、現代においては先祖代々の土地を離れて都会で暮らすことが多く、住んでいる地域に伝わるしきたりを理解した上で、日程や参列者を決めるという家庭はほとんどいないでしょう。
そこで、お宮参りの意味から類推し、現代の常識にあわせて参列者を決めることになります。
まず、お宮参りとは単なる赤ちゃんの健康祈願ではありません。
住んでいる地域を守護している氏神様に赤ちゃんの誕生を感謝するとともに、赤ちゃんの顔を神様に見てもらい、地域の一員として「氏子入り」することが目的です。
赤ちゃんは氏子入りすることで氏神様に見守られる存在となるのです。
昔ならば、先祖代々の土地の住んでいたため氏神様とはすなわち先祖の霊を意味していました。
そのため、少なくとも赤ちゃんとその両親、そして同じ祖先の霊(氏神様)を持つ父方の祖父母までは、お宮参りに参列する必要があると考えられるのです。
2.両親と赤ちゃんだけでも構わない
ところで、現代においては祖父母と一緒に住まないばかりか、そもそも別々の土地で暮らしていることが大多数です。
お宮参りは、赤ちゃんが生まれた地域の氏神様に挨拶に行くことが基本ですから、その土地に縁のない祖父母に敢えて参列してもらう必要はないという考え方もできます。
祖父母が遠方に住んでいたり、体調がよくないなどの理由があれば、無理に参加してもらわずに、赤ちゃんと両親だけでお宮参りを済ましても構わないでしょう。
「祖父母が来ないから氏子入りさせない」などという神社はまずありません。
3.母方の祖父母やおじ・おばの付き添いもOK
参拝する氏神とは縁のない父方の祖父母が参列する時代ですから、同じく縁のない母方の祖父母やおじ・おばが参列しても当然かまいません。
たくさんの親族に赤ちゃんの氏子入りを祝ってもらいましょう。
ただし、参列者が多い場合には、お宮参りのお祓いの予約をする際に不都合がないか神社に確認しておきましょう。
初穂料についても5000円~1万円が相場ですが、参列者が増える場合にはもう少し出し合って神様への感謝の気持ちを表しましょう。
お宮参りで赤ちゃんを抱っこするのは誰?
お宮参りで抱っこする人の候補は次の通りです。
順位 | 赤ちゃんとの続柄 |
---|---|
1位 | 父方の祖母 |
2位 | 母方の祖母 |
3位 | おば |
4位 | 父親、母親 |
上の表はあくまで一般例であり、地域によっても異なりますが、どうしてこのような考え方になるのか解説します。
1.父方の祖母が基本
まず多くの場合、父方の祖母が赤ちゃんを抱っこしてお宮参りをします。
なぜなら、昔はお産で穢れのある母親が氏子入りする赤ちゃんを抱っこしてお参りするべきではないという考え方があったからです。
「穢れ」とは避けるべきよくないことを意味します。
お産は出血も多く、昔は母子が亡くなることも多かったため穢れとされたのです。
その穢れを消すためには、お祓いもしますが、基本的には時間が必要です。
お産の穢れが完全になくなるとされる時期、すなわち「忌明け」の時期は地域によって異なります。
そして穢れがある間は、自宅にいて人と会わないようにし、地域の人もお産のあった家には極力近づかないようにしていました。
お宮参りの時期は、完全に忌明けしていないと考える地域が多く、母親に替わって同じ氏神様を信仰している父方の祖母が赤ちゃんを抱っこしたのです。
穢れという考え方は今でこそ非科学的と言えますが、母親に無理させないための昔の人の知恵であるとも言えるでしょう。
2.母親以外の女性の親族
父方の祖父母がお宮参りに行けない場合には、赤ちゃんを抱っこすることに慣れた子育て経験のある母方の祖母やおばなどが母親に代わって抱っこをします。
やはり母親が抱っこすることは極力避けようという考えがあるためです。
3.結局だれでもよい
昔であれば、祖母をはじめとした母親以外の女性が赤ちゃんを抱っこすることがしきたりだったかもしれません。
しかし現代では母親はもちろん、父親でもおじいちゃんでも誰が抱っこしても差し支えないでしょう。
そもそも縁のない有名な神社にお宮参りに行くような時代ですし、「母親に抱っこされた赤ちゃんには神様のご利益はない」などと言う神社は存在しないでしょう。
誰に抱っこされていても、心を込めてお参りしたのであれば、赤ちゃんは氏神様のご加護のもと健やかに成長してくれるでしょう。