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戌の日に安産祈願をしたいけれど、「何をどうしていいかわからない!」という妊婦さんのために、様々なケースに対応した安産祈願の方法を紹介します。
帯祝いとは?戌の日とは?そもそも何!?
帯祝いは妊娠5か月目の「戌の日」に、妊婦に「岩田帯」よばれる腹帯を巻いて安産を願う行事のことをいいます。
「戌の日」は「戌年(いぬどし)」と同じ干支のことで12日に1回めぐってきます。
昔から犬は安産の象徴なのですが、
・多産である
・犬の子供は成長が早い
・狛犬には魔よけの力があるため子供を守ってくれる
などの理由があるためです。
また、岩田帯には「岩のように丈夫に育ってほしい」という意味があります。
帯祝いの歴史はとても古くて、古事記にも登場します。
医学が進歩した現代の感覚からすると、胎盤が完成して流産のリスクが少なくなった安定期に、妊娠と安産を祝うというのは理にかなってますよね。
昔の人の知恵と言うのはたいへんなものです。
「犬の日」ではなくて「戌の日」
「戌の日」を「犬の日」だと勘違いしている人が時々いるので、ちょっとした豆知識を紹介します。
「犬」は、私たちがよく知っている、あの動物の犬のことで、犬の姿から作られた文字(象形文字)です。
一方は「戌」は干支の1つで、方角や時刻、暦を表わす時に使用されます。
実はこの「戌」の本来は意味は、犬とは全く関係がなく「草木が枯れている状態」を指しています。
数や方角を数える「干支」を考え方をわかりやすくするために、動物を当てて「戌」を「いぬ」とするようになったそうです。
帯祝いはあくまでも犬にあやかって暦日の「戌の日」に帯を巻く行事ですのでお間違いなく。
安産祈願の一般的な方法を知りたい!
各地域、親族のしきたりによっても異なりますが、安産祈願は主に3つのやり方があります。
1.腹帯を巻いて戌の日に祈祷する
腹帯は基本的に妊婦さんの実家から贈られます。
木綿の白い腹帯か、もしくは戌の日の儀式用の時だけ使う紅白の絹帯です。
事前にいずれかの腹帯が贈られてくるので、戌の日に妊婦がそれを巻いて神社を参拝し、祈祷をしてもらいます。
以前はこうした形式が多かったようです。
2.腹帯だけ戌の日の前に祈祷する
腹帯を贈る実家の母親(両親)が、腹帯を持って神社で祈祷してもらい、それを娘に贈るという方法もあります。
もしくは、そもそも安産祈願がされている腹帯を神社で買い、それを娘に贈ることもあります。
いずれにしろ、祈祷が既に住んでいる腹帯を受け取り、戌の日になると妊婦が自宅でつけて安産を願うだけとなります。
実家から腹帯を貰う場合には、こちらの方法が主流となっています。
理由としては、
といったことが挙げられます。
妊婦さんに無理をさせないということが基本的にあるようです。
3.戌の日に神社で腹帯を授与してもらう
そもそも実家から腹帯をもらうということ自体が少なくなっています。
一方、安産祈願の「特典」として、祈祷された岩田帯を授与する神社もあるため、こうした神社に参拝して腹帯をもらってくるという方法もあります。
また、戌の日に安産祈願をした時に併せて腹帯を買い、その日のうちに自宅で巻くという方法をとる妊婦も多くいます。
なお神社で授与される岩田帯の相場は2,000円です。
最近の安産祈願はどうなってる?
1.岩田帯にこだわらない
安産祈願の腹帯と言えば、白いさらしの「岩田帯」です。
しかし、現在では利便性と機能性を兼ね備えた妊婦帯がたくさんあるため「岩田帯」はもらわないケースが増えています。
仮に「岩田帯」をもらったとしても、戌の日だけ巻いて、それ以降は使わないことがほとんどです。
しかし、ガードルやコルセットのような妊婦帯では、神社によっては祈祷できないことがあります。
そのため神社には帯を持たずに祈祷だけして、自宅に帰って自分で買った妊婦帯を夫などに巻いてもらうという略式で祈願をすることになります。
2.腹帯そのものを巻かない
腹帯を実家からもらうことも、神社で買い求めることもなく、夫婦で神社を参拝したついでに安産祈願のお守りだけ買って帰る場合もあります。
さらに現代的な人は、お賽銭を入れて鐘を鳴らすだけと言う人もいます。
戌の日に神社で安産祈願することだけが主となり、本来の「帯祝い」という儀式は省略されてしまっているのです。
筆者の友人にも何人か聞きましたが、帯祝いをした人はこの形式が多数派でした。
筆者の周りだけかもしれませんが・・・。
3.「戌の日」にもこだわらない
岩田帯はもちろん、戌の日にもこだわらず、初詣などで神社に行った際に、神様に安産をお願いするだけという人もたくさんいることでしょう。
形式にこだわらなくても、妊婦さんが赤ちゃんのことを思う気持ちは変わりませんので、本人が納得いく方法が一番と言うことです。
安産祈願の祈祷は戌の日以外にもできるの?
基本的に一定規模のある神社であれば、いつでも祈祷ができます。
これは安産祈願に限ったことではありませんが。
祈願する日が戌の日か否かによってご利益に差が出るということもありません。
むしろ、水天宮など安産祈願で有名な神社は、戌の日に行くとかえって混雑して待たされます。
戌の日に対するこだわりがないのであれば、体調面を重視して都合のいい日に行くとよいでしょう。
安産祈願の初穂料(祈祷料)の相場はいくら?
神社によっては、1回の祈祷あたりいくらと明示しているところもあります。
現代人にとっては、値段が確かな方が助かりますよね。
しかし、残念ながら「いくらでも構いません」という神社も多くあります。
その場合、5,000~10,000円を納めるのが相場と言えます。
祈祷だけなら5,000円という神社が大半です。
祈祷とあわせて岩田帯を授けてもらうのであれば7,000円程度になります。
お礼参りはしたほうがいいの?
気持ちの問題なので、どちらとも言えません。
基本的に神社では「安産祈願」に限らず、お願い事が成就したらお守やお札を神社にお返しして、お礼参りすることをすすめています。
岩田帯のお返しついては、神社ごとにルールが異なります。
お守やお札だけお焚き上げをするという神社が比較的多いため事前に確認しておきましょう。
お礼参りの際のお焚き上げ料については、神様に対する感謝の「気持ち」なので、相場がありません。
個人的には安産祈願のお守りなどは、500円~1000円程度で売られているので、同額程度か、少し多めに納めればいいのではないかと思っています。