お食い初めの基本的なマナーを紹介します。
お食い初めでは、誰を招待し、誰がお祝いの準備をして、誰が費用を支払い、誰がお祝い膳を食べさせるのかなど、お食い初めに関するよくある疑問にお答えします。
お食い初め祝いの基本マナー
1.誰を招待するか?
お食い初めは赤ちゃんが生涯食べ物に困らないようにと願って行う儀式で、ごく親しい身内を集めてお祝いをします。
中でも両家の祖父母は必ず招待しましょう。
かつては父方の祖父母との3世代同居が一般的で、さらに、母方の祖父母がお祝い膳の食器を贈る習慣があったことから、両家の祖父母と一緒にお食い初めを祝うことが基本です。
両家の祖父母に加えて、日頃から親しくしているおじ・おばなどの親族を招待しても構いません。
2.お食い初めの準備は誰がするのか?
お食い初めのお祝いでは、お祝い膳となる食器を調達し、神社で歯固め石をもらい、招待客に声をかけ、祝宴の料理を作るという準備が必要になります。
これらの準備をするのは両親です。
お食い初めは赤ちゃんの100日目の成長をお祝いする儀式ですので、誕生日や七五三などの通過儀礼と同じく、両親が責任を持って準備しましょう。
3.お食い初めの費用は誰がもつか?
お食い初めの主催者は赤ちゃんの両親となるため、準備にかかる費用を出すのは、もちろん両親となります。
しかし、招待された人はご祝儀のお金(またはプレゼント)を持ってきますし、お祝い膳に使う食器については母方の実家が贈るという習慣が残されている地域もあるため、実質的には招待客(主に祖父母)が負担していると言ってよいでしょう。
あくまでも両親が宴席を用意する必要がありますので、間違っても料理のお金を出してもらい、さらにご祝儀も頂くようなことをしてはいけません。
4.赤ちゃんに食べさせるのは誰?
お食い初めのメインイベントと言えば、赤ちゃんにお祝い膳を食べさせる真似をする食べ始め(真魚始め)の儀式です。
そして、赤ちゃんに祝膳を食べさせる人のことを「養い親」と呼びます。
誰を養い親にするかは、地域や家庭によって考え方が違うので正解はありませんが、一般的には出席者の中で一番の年長者とする習慣があります。
お食い初めの「食べものに困らないように」という意味の中には、当然「いっぱい食べて長生きをしてほしい」という願いも込められています。
その証拠に、長寿の象徴として「しわ」のある梅干しをお祝い膳に入れる地域もあるほどです。
したがって、一番の長老に食べさせてもらうこと自体が縁起のよいことだと考えられてきました。
なお、男の子の赤ちゃんには年長の男性が、女の子赤ちゃんには年長の女性が「養い親」になるケースもよくあります。