「離乳食」保存の基本―冷蔵・冷凍の保存方法と期間について―

多く作りすぎた離乳食を保存して使いたい。

赤ちゃんが食中毒にならないように基本を理解したうえで、正しい冷蔵・冷凍保存をしましょう。

離乳食の「冷蔵」保存

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最初に冷蔵庫を使った離乳食の保存方法について解説します。

1.食べ残したものは廃棄を

まず、手を付けてしまった離乳食については、もったいないですが保存せずに廃棄をするか、ママ・パパがその場で食べてしまいましょう。

一度、食べたものは雑菌が繁殖しやすいため、抵抗力の弱い赤ちゃんに食べさせるのは、やはり心配です。

現実には、細菌は10度以下で冷蔵をすると繁殖スピードが鈍くなるため、例えば、朝の離乳食で残したものを冷蔵して、その日の昼食に食べさせたくらいで食中毒になることは考えづらいです。

しかし、調理場の環境や食事時間によっても大きく異なるため、何かあっては大変ですので、絶対に食べ残しを次回に提供することはやめましょう。

2.手を付けていない離乳食はその日のうちに消費

離乳食を多めに作ってしまい、その日のうちに食べさせる予定であれば、作った直後、うちわなどで粗熱をとり、キレイな保存容器に入れて冷蔵をしましょう。

細菌は常温の状態で活発に繁殖するため、離乳食を作り、さらに赤ちゃんに食べさせた後に冷蔵をするという段取りは好ましくありません。

なお、翌日以降に離乳食を食べるつもりであれば、冷蔵ではなく冷凍保存をしましょう。

3.「加熱をすれば安心」というのは間違い

ところで、食べ残した離乳食や冷蔵保存して数日が経過してしまった離乳食でも「加熱処理」をすれば食べられると思っているママもいるかもしれません。

しかし、加熱をすれば細菌が死滅するという認識は間違っています。

食中毒を引き起こす起こす細菌はいくつもあります。

確かに多くの細菌は100度以上の熱で1~2分加熱すれば死滅するのですが、中には加熱をしても死滅しない細菌がいくつか存在するのです。

そのため加熱殺菌を過信してしまうのは危険で、食中毒を予防するためには、清潔な手と清潔な調理器具でしっかり加熱調理をして、完成したらすぐに食べる、もしくは素早く低温の環境で保存して、菌の繁殖を抑えるしかないのです。

離乳食の「冷凍」保存

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離乳食は毎回、少量だけ作るのは非常に難しく、また手間もかかります。

そこで冷凍保存を上手に活用して時間も材料もムダなく調理しましょう。

1.できれば急速冷凍を!

離乳食を作ったら、1回で食べられる分量に小分けをして、密閉ができる蓋つきの保存容器で冷凍をしましょう。

食中毒を引き起こす細菌はマイナス15度以下の環境になると活動を停止し繁殖しなくなります。

つまり、できるだけ素早くマイナス15度にすることがポイントです。

最近の冷蔵庫であれば、食材を素早く冷凍する「急速冷凍」機能が基本機能として備わっています。

「急速冷凍」の優れた点は2つあります。

1つは、マイナス15度に達する時間が通常の冷凍に比べて短いため菌が繁殖可能な時間も短くなり、より安心して食べることができるという点です。

もうひとつは、常温から凍結に至るまでの時間が早いため、食品の細胞の中にある水分が大きくなりにくく、氷の結晶によって食品の細胞を傷つけることが少なくなるため、作りたての触感や味を保ちやすいという点です。

せっかく、かわいい赤ちゃんのために愛情をこめて離乳食を作っているのですから、安全で美味しいものを食べてもらいたいですよね。

「急速冷凍」機能がある冷蔵庫をお持ちであれば、是非、活用して下さい。

2.1週間以内に使い切る

では、冷凍をすれば細菌がずっと繁殖しないのかと言えば、決してそうではありません。

冷凍庫を開閉する時に外気が流れ込んで温度が上がってしまうため、細菌は少しずつ増えていきます。

特に離乳食は小分けで保存しているため、外気温の影響を受けやすく、通常の冷凍保存よりも消費期限は短いと考えたほうが無難です。

そのため1週間を目安に、全て使い切るようにしましょう。

離乳食を作る際にも、1週間以内に消費できる分量で調理を行いましょう。

また、いつから保存し始めたのか忘れやすいため、シール等に消費期限を書いて保存容器に貼っておきましょう。

3.電子レンジで素早く解凍

冷凍した離乳食を解凍して食べさせるときは、電子レンジなどをつかって素早く解凍しましょう。

部屋に放置したまま自然に解凍する方法は、細菌の繁殖する時間が長くなるので好ましくありません。

なお、解凍後はしっかりと再加熱した上で食べさせましょう。

4.解凍した離乳食は食べきる

一度解凍したものは、再度、冷蔵・冷凍保存をして使うことは止めましょう。

衛生的に問題がある上に、味や風味も損なうため好ましくありません。

解凍したら全部を食べきるか、食べきれない場合にはもったいないですが廃棄しましょう。

<参考出典>
厚生労働省「食中毒

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