赤ちゃんや子供が風邪が原因で発熱した際の基本的なホームケアについて解説します。
風邪で40度の熱が出た時のホームケア
1.小児科を受診し症状に合わせた対応を教えてもらおう
まずは、38℃以上の発熱をしたら早めに小児科を受診して診断をしてもらいましょう。
そして、自宅でどのようにケアをすればよいかしっかりと聞くようにしましょう。
また、風邪であれば症状に合せた薬が処方されます。
熱が高い場合には「解熱剤」を処方されることもあります。
解熱剤には、粉末、シロップ、座薬という3つのタイプがあり、子供に合わせて使いやすいものを選ぶことができます。
もし、飲み薬が苦手でなかなか飲んでくれない子供の場合には、座薬を処方してもらうようにしましょう。
座薬を使ったことがないと、「上手に入れられるか」と不安と思うかもしれません。
しかし、実際にやってみると決して難しくはありません。
初めてであれば、薬局で薬剤師さんが丁寧に使い方を説明してくれますので、遠慮なく教えてもらいましょう。
2.体温の上昇・下降にあわせて体の保温をしよう
子供は、大人に比べて、体温を調整する機能が未熟であるため、40度を超すような高熱になることも珍しくありません。
体温が上昇するときは、悪寒がして震えることがあるため、服を1枚多く着せ、毛布を掛けるなどして、体を温めます。
「湯たんぽ」などをつかって保温してもかまいません。
そして、熱の上昇が止まった時は体内の熱を放散させます。
厚着している服を脱がしたり、氷枕をして、熱を放散させるようにします。
部屋の温度についても、冬場であれば暖房、夏場ならクーラーを利用して、体温の上下に合わせて、暖かくしたり、または、涼しくすると良いでしょう。
冬場は室温だけでなく湿度にも気を付けましょう。湿度は少なくとも50%以上を超えるようにします。
また、解熱剤を使って熱が下がり始めると発汗が増えて「暑い」と感じるようになります。
暑さが不快にならないように着替えをしたり、汗を拭いてあげるなどします。
なお、解熱剤を使用するタイミングについては、処方した医師や薬剤師に確認しておきましょう。
3.体を清潔に保つ
先にも述べたように、解熱剤を使うと大量の発汗を伴って体温が下がります。
解熱剤を使用しなくても、熱が下がる際には、血管拡張により汗をかきますので、暖かいタオルなどで汗をかいた体を拭いて、衣服を新しいものに取り換えましょう。
大量の汗のためシーツも濡れになることがありますので、布団に寝かせる際には、シーツの上にさらにタオルを2枚程度敷いておくと、シーツ交換の手間が省けます。
4.消化のよい食事と、水分補給を心がける
発熱の際には、ウィルスに対抗するため、体内ではタンパク質が分解されて、栄養素が多く消費されるのですが、一方で胃の消化能力は低下してしまい食欲不振になります。
そのため「白身魚を入りのおかゆ」など栄養価が高くて消化のよい食事を与えます。
食欲不振で食べない場合には、無理させずに、ゼリーやジュースなど口に入れやすいものを提供します。
また、発熱・発汗によって体内の水分が奪われると脱水状態になり消化能力の低下による食欲不振が起きます。
脱水を予防するためにも経口補水液(イオン飲料)などをこまめに飲ませるようにしましょう。
食事や水分をなかなか摂取してくれない状態であれば小児科で相談してみましょう。
(参考書籍)
母子衛生研究会「母子健康手帳 副読本」
医学書院「新看護学・母子看護」
金原出版「小児看護学」
小学館「家庭の医学大辞典」
学研「赤ちゃんの病気全百科」
ベネッセ「赤ちゃんの病気新百科」