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五月人形の選び方を解説します。
初節句に向けて買い揃えたい五月人形ですが、たくさんの種類がありどんな基準で人形を選べばいいか悩むところです。
五月人形を選ぶときの基本を知って、子供にとって生涯の宝物になるような人形を選んであげましょう。
五月人形の基本的な種類を知る
五月人形には主に4つの種類があります。
1.大将飾り
男の子の人形が甲冑を身にまとった姿の人形飾りです。
通常、人形のほかに、飾り台と屏風、付属の飾りがセットになっています。
かわいさの中にも勇ましさがあり、母親に人気があります。
付属の飾りは様々ですが、一般的には、
・太刀
・のぼり旗
・鯉のぼり
のいずれかを組み合わせた飾り付けになります。
なお、大将飾りは名古屋を中心とする地域で好まれる傾向にあります。
2.鎧飾り
パパが子供のころに憧れた五月人形といえば、鎧飾りです。
「鎧」「兜」「弓矢」「太刀」がセットになっています。
床の間に置くような立派な物であれば、成長してからでも身に着けることができます。
また住宅事情にも配慮して卓上にもおけるようなコンパクトなものもあります。
3.兜飾り
「鎧飾り」から「鎧」を取り除いた5月人形です。
「兜」がメインで、「弓矢」と「太刀」の付属飾りがつくことが一般的です。
鎧飾りほど豪華ではありませんが、大将飾りや人形飾りと比べて勇ましいため、やはりパパに人気があります。
江戸時代に武家が武具を飾り始める以前は、菖蒲で兜の形を作って端午の節句に飾っていたと言われています。
その意味で兜飾りは、節句飾りの原型にもっとも近いと言えるでしょう。
4.武者人形
武者人形は基本的にケースに入れられていることが多く、ケースがない場合にも卓上に置けるコンパクトサイズの人形になっています。
人形の種類はたくさんあるので、有名なものを紹介します。
武者人形
男の子の武士の人形です。
甲冑を身に着けているものもあれば、袴姿の人形もあります。
金太郎
ケース入り人形の代名詞である金太郎。
動物を助けるなど心優しく力持ちの金太郎のようになってほしいという願いが込められています。
桃太郎
言わずと知れた「日本一」の幟(のぼり)を手にした桃太郎の人形です。
「日本一」を目指せというメッセージがわかりやすいですね。
神天(神武天皇)
日本最古の書物である「古事記」では、日本を作った初代の天皇とされています。
邪気を払うとされています。
飾馬
武士の大切な相棒である「馬」の飾りです。
馬だけ単独の飾りもあれば、武者飾りとセットになったものもあります。
鍾馗(しょうき)
唐の皇帝の病気を治したとされる中国の神様です。
関東を中心に、端午の節句に鍾馗の人形を飾る風習がありました。
牛若丸・弁慶
武士の時代を作った悲劇のヒーローですが、勇壮な姿から五月人形になっています。
五月人形を選ぶ基準
1.子供に着せたいか?着せたくないか?
そもそも五月人形の鎧兜には、様々な厄災から「身を守る」という願いが込められています。
端午の節句に鎧兜を身につけさせて邪気を払いたいと考えているのであれば、ある程度の大きさがあり、着られるものを選びましょう。
大きな物であれば5歳くらいまで着ることができます。
しかし、実際には、五月人形そのものに魔除けの力があり、飾るだけで十分ご利益があると考える人もいます。
その場合は、コンパクトな飾りで十分です。
2.フルセットにするか?一部セットにするか?
五月人形のフルセットとは、太刀と弓矢の飾りが付いた「鎧飾り」に、「武者人形」と「金太郎」となります。
今どきは住宅や景気の事情で、これだけのフルセットを揃える家庭はまずありません。
母方の実家から着用できるサイズの「兜飾り」か、卓上サイズの小さめの「鎧飾り」をプレゼントしてもらうことが多くなっています。
これに加えて、両親または父方の実家がかわいい武者人形を買うかどうかということになります。
2つ買っても置き場に困るということであれば、両親と両家の祖父母がお金を出し合って、それなりの予算で「兜飾り」か「鎧飾り」を買いましょう。
3.どの武将の甲冑を模したものにするか?
本題の「鎧」または「兜」を何にするかと言うことですが、基本的に歴史上の人物の鎧兜を模したものが多くあります。
どの武将の鎧兜にするか悩ましいですよね。
「大河ドラマ」の影響によっても、人気の武将はかわっていきます。
参考としてアマゾン(2018年の3月時点)で販売されている「五月人形」で商品点数の多い武将を順に紹介します。
2.徳川家康 486件
3.真田幸村 406件
4.武田信玄 141件
5.源義経 109件
6.直江兼続 106件
7.織田信長 116件
8.豊臣秀吉 60件
9.伊達正宗 41件
10.毛利元就 27件
ドラマやゲームの影響などで、最近は戦国時代の武将が人気ですが、かつては源頼朝、義経、為朝など武家社会を確立した源氏の武将が人気でした。
4.飾り付け・後片付けに手間をかけるか?かけないか?
ガラスケースに入っているタイプのものは低価格で、飾り付けも不要です。
また、「収納飾り」と呼ばれる飾り台が収納ケースになっているものも片づけが簡単です。
ただし、収納ケース自体が高いため、本体の人形(甲冑)自体は値段の割にコストを抑えた造りになっています。
ケースのない「平飾り」タイプは、飾り付けに手間がかかりますが、「ケース」代がないので本体にお金をかけることができ、さらに子供と飾り付けを楽しんだり、着用することもできます。
5.予算をどうするか?
基本的に五月人形は手作りで作られています。
値段の差は、人形師(甲冑士)のレベルや使われている素材で大きく変わります。
値段が安ければそれなりのものだと思ったほうがいいでしょう。
まずは、5万円、10万円、15万円と5万円単位でだいたいの予算を決めて、気に入るものを探しましょう。
どうしても気に入るものがなければ、予算を1~2万円程度上げて探すと、ずいぶん印象が良くなります。
少なくとも小学校卒業まで飾るとすれば10年以上も使うことになるので、少し予算をオーバーしても、納得したものを選んだ方が後悔をしなくてすみます。