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北九州市は日本で最も子育てしやすい都市と言われています。
NPO法人エガリテ大手前が毎年実施している「次世代育成環境ランキング」でも4年連続1位を獲得しました。
NHKの夕方の情報番組「シブ5時」でも、日本一子育てしやすい街として紹介されました。
放送内容を振り返るとともに、紹介されなかった子育て情報についてまとめてみました。
シブ5時「すっぴんNIPPON」(まとめ)
1.生活費が安い
総務省の物価統計で主要都市の中で「最も」物価が安い都市となっています。
ニラや小松菜が100円未満で買え、鯛が1匹300円で売られています。
また、国土交通省の統計によると、土地の価格も主要都市で最も安く、賃貸料も政令市で4番目に安い状況です。
物価も家賃も安く、生活費がかからないため、出費の多い子育て世代とっては懐にやさしい街だといえます
2.充実した子育て支援施設
赤ちゃんの授乳やおむつ替えができる「赤ちゃんの駅」が市内に400か所以上も開設されています。
市がデパートなどの民間施設と連携して整備を進めているそうです。
また、小倉駅駅前には「子育てふれあい交流プラザ・元気のもり」という子育て支援施設があり、屋内用の大型遊具を備えた遊びのスペースがあります。
市が運営しているため利用料金も1日100円(子供)という安さです。
低料金で利用できるのは、シニア世代がボランティアスタッフとして施設の運営に参画していることが理由の一つとして考えられます。
また、市民センターや一部のドラッグストアでも無料の育児相談ができます。
行政だけでなく企業や市民が一緒になって子育てしやすい環境を作り上げていることがわかります。
3.小児医療の充実ぶりがすごい!
北九州市の子育て支援で、一番の自慢とも言えるのが、小児医療体制です。
24時間365日受診できる「小児救急センター」が市内に4カ所もあります。
北九州市に住めば、子供の急な体調異変により、不安を感じながら夜間や週末を過ごすことがなくなるかもしれません。
4.何故、子育て支援が充実しているのか?
もともと、北九州市は、製鉄業の街でした。
戦後の高度経済成長に、鉄の需要が増大するとともに、市の人口も爆発的に増えていきました。
しかし、低成長時代に入り、鉄需要に陰りがみえると、今度は人口の流出に悩まされるようになりました。
実際、現在も人口減少が続いております。
そのため、子育て関連の施設やサービスを充実させて、子育て世代を呼び込もうとしているのです。
ほかにもある子育て支援サービス
(出典)北九州ライフ
1.保育所は量だけでなく質も高い
全国で待機児童が問題となっていますが、北九州市では毎年4月の待機児童は「ゼロ」が当たり前です。
一般的に、待機児童は4月が一番少なく、その後毎月、待機者が増えていくものです。
そこで、北九州市では通年でも待機児童をゼロにしようという目標を掲げて、保育所施設の整備を行っています。
また、保育士の配置基準も子供5人に対して1人の保育士が担当する体制となっています。
国は、0歳児なら1人の保育士が3人の子供を見るという配置基準を設けていて、さらに、1歳児は6人、2・3歳児は20人、3・4歳児は30人を1人の保育士が見るという基準になっています。
最近は、保育所の様々な基準を緩和して、「どんどん子供を詰め込め」という発想で受け入れ人数を増やしています。
しかし、北九州では、むしろ保育士を多く配置して、手厚い保育サービスを実現しようとしているのです。
他の市町村と比べて1歩も2歩も先に行く保育所運営方針です。
2.子どもの館
「元気のもり」も子供たちが喜ぶこと間違いなしの充実した施設ですが、さらに黒崎駅前にも「子どもの館」という子供が遊べる施設があります。
こちらも利用料金はフリーパスで1日300円(子供)となっていて、時間もお金も気にせず1日中楽しむことができます。
3.あとは就業環境があれば
他市と比べても本当に充実した子育て支援策を打ち出しています。
しかし、北九州市に住みたいかと言えば、「仕事があれば」ということになります。
実際、北九州市では、高齢化(死亡)による人口減だけでなく、社会的な理由でも市外に転出してしまう人も相当数いて、人口減少に歯止めがかかりません。
九州の経済の中心地と言えば福岡市(博多)ですが、同じ県内の北九州でも通勤には1時間以上かかります。
それなら、仕事のる博多の近くで住もうと考える子育て世代の九州人が多いのではないでしょうか?
通勤時間が短ければ、それだけ子供と向き合う時間が増えるからです。
本当の意味で子育て世代を呼び込むのであれば、産業振興が欠かせません。