0歳から5歳頃までの子供がどのような絵を描くことができるのか紹介します。
発達に合わせたお絵描き道具を用意してお絵描きを楽しみましょう。
子供の「お絵描き」の発達過程
0歳
「お絵描き」が始まる時期は生後8か月頃に「一人座り」ができるようになった頃からです。
赤ちゃんを座らせてクレヨンを握らせ、親が手を添えて画用紙に絵を描いてみましょう。
紙にクレヨンを押し付けることで起きる変化に気づき、自分でもやってみようとします。
実際に描かれる絵は様々で、たとえば「ガシガシ」とクレヨンを力一杯に叩きつけてたくさんの「点」を描きます。
これは絵を描いて楽しんでいるというよりも、テーブルや太鼓などを手で叩く行為と同じように、手の運動によって生じる「音」や「見た目の変化」などに興味を持って楽しんでいる状況です。
この頃に使うお絵描き道具はできるだけ折れにくい太いクレヨンなどを使うと良いでしょう。
水彩絵の具を赤ちゃんの手に塗ってあげて、「手」をペタペタと紙に押し付けて描かせるのもおすすめです。
1歳
1歳から2歳半頃までの描画表現は「なぐり描き期」と呼ばれています。
その名の通り、クレヨンなどを使って点や線を殴り描きします。
最初のうちは「点」もしくは直線的な「線」が多いのですが、次第にゆるやかな「曲線」を描くようになり、1歳後半には「円」も描けるようになってきます。
この時期の絵は何かを表現しているというよりは、単に線や円を描くという手の運動自体を楽しんでいる状態です。
具体的なものをイメージして描くわけではなく無造作に線などを描くことが多いので、やはり太めのクレヨンなど、ある程度丈夫なお絵描き道具を使うようにします。
2歳
2歳半頃から「象徴期」と呼ばれる描画表現の時期に入ってきます。
自分の描いた絵に対して「アンパンマン(みたい)」「みかん(みたい)」と名前を付けるようになったり、「おはな(のつもり)」「ゾウ(のつもり)」など意図したものを絵に描くことができるようになってきます。
とは言え、大人からみるとまだまだ殴り描きのようにしか見えません。
しかし、指先の巧緻性は発達してきており、大小の丸や交差した線などを描くことができるようになってきます。
何かを描こうとする意志があらわれる時期ですので、この頃から細い線なども描きやすい通常の太さのクレヨンなどを使い始めても良いでしょう。
3歳~4歳
3歳を過ぎると「カタログ期」と呼ばれる描画表現の時期に入ってきます。
色を塗らずに、モノの輪郭だけを「線」で描く時期で、単純な絵であれば大人が見ても何を表現したのか分かるようになってきます。
画用紙に中に「りんご」「ママ」「くるま」など描きたいものを次々に並べて描く様子から「カタログ期」と呼ばれています。
この時期によくみられる絵に「頭足人」というものがあります。
これは子供自身やママ・パパなどの人間を描いたものですが、頭から手足が出ている形をしています。
まだこの時期は対象を部分ごとに分割して観察する力が未熟であることがよく分かる事例です。
5歳~
5歳になると「図式期」と呼ばれる描画表現の時期に入ってきます。
「図式期」はモノをみて正確に描くというよりも、頭の中にあるイメージを絵に表現している時期です。
「レントゲン表現」と呼ばれる、この時期の代表的な描画表現があります。
例えば、家の中を透視して見ているかのような絵のことです。
着色についても物の特徴に合わせて塗ることができるようになってきます。