妊娠1週目の「母親の体」と「赤ちゃん」の様子について解説します。
実際には「妊娠前」である1週目ですが、体の中では、赤ちゃんが誕生するための神秘的な変化がたくさん起きています。
すでに妊娠が判明した妊婦さんも、少し時間を巻き戻して、生命の不思議について見つめなおしてみましょう。
妊娠1週とは?
妊娠1週目とは「妊娠7日から13日」までの期間のことを指します。
日数:7~13日
出産までの日数:あと273~267日(※「出産予定日」から起算)
妊娠0日が「最終月経の初日」に当たるため、生理が始まって7日が過ぎたころです。
排卵は月経初日から2週間(14日)前後に起きるため、まだ妊娠はしていません。
母親の体の状態
妊娠1週は、排卵の直前期で、卵巣から分泌されるホルモンの作用により子宮内膜に変化が起きます。
1.妊娠のための準備をする時期
妊娠1週目は、妊娠が成立する前の期間であるため、妊娠による特有の症状というものは顕れません。
一般的に、月経による出血が収まるころであり、妊娠を望む夫婦であれば、そろそろパートナーとセックスの予定について話し合いをする必要があります。
ほぼ100%の男性が、女性の体の仕組みについて基本的な知識を持っていません。
そこで、仕事などの理由で、話し合ったスケジュールに併せられないということがないように、なぜ、排卵日に合わせてセックスをする必要があるのか、丁寧に説明しましょう。
とはいえ、男性はいくら自分の子供が欲しくても、性行為に対するプレッシャーを感じてしまうと、却ってそういう気持ちになれなくなるものです。
その場合は、出血がおさまった排卵予定日の数日前から、ケンカをしないように仲良く過ごし、スキンシップなどを通じて、自然に排卵日やその直前にセックスができるような雰囲気を作っていきましょう。
2.子宮内膜が厚くなる
この頃の子宮内膜は「増殖期」を迎えています。
卵巣から分泌されるエストロゲンの影響により、子宮内膜が増殖して、腺が長くなり、ふかふかの絨毯のようになります。
受精卵が着床するために、子宮内膜にこのような変化が起きるのです。
赤ちゃんの状態
妊娠1週は、排卵に向けて卵胞が大きくなり、最初の細胞分裂が行われます。
卵子に精子が受精する前であるため赤ちゃんはまだいません。
卵胞刺激ホルモンの影響で、卵子を包んでいる数個の原始卵胞が大きくなっていますが、生理7日以降のこの時期からは、通常そのうちの1個が特に大きく成長し「主席卵胞」となります。
「主席卵胞」が大きくなると、やがて破裂をおこし、中にあった卵子が卵巣から卵管に飛び出してくるのです。
赤ちゃんは、卵子と精子が結合し、受精卵が子宮内に着床すると、次々に細胞分裂を繰り返して体の器官を形成していきます。
実は、最初の細胞分裂が排卵前のこの時期に1度だけ発生します。
第1次成熟分裂と呼ばれています。
ただし、排卵前のこの分裂は、器官を形成するための細胞分裂ではなく、分裂して染色体の数を46個から23個へと半分に減らすための分裂なのです。
実は、精子のほうでも染色体を46個から23個へと減らす分裂が起きており、卵子、精子ともに染色体が半分になることで、結合することができるようになるのです。
妊娠1週は、まだ妊娠前の期間ですが、このように赤ちゃんが産まれるための様々な準備をしていたのです。
生命とは本当に神秘的なものですね。
ママがやるべきこと―食生活を見直そう―
食べることで赤ちゃんは作られる
これからママのお腹に宿る赤ちゃんは、胎盤を通してママから栄養をもらっています。
ママが食べたものが赤ちゃんの栄養になっているのです。
妊娠に気づいて食生活を見直すのではなく、妊娠前から健康的な食生活を心がけて体質を改善しましょう。
厚労省が公表している「妊産婦のための食生活指針」では、現代の妊婦は大きく3つの栄養素が不足しているとされています。
2.カルシウム(約200mg不足)
3.鉄分(約7mg不足)
この3つです。
まず、20代、30代の女性はやせ形の体型が多く、1日に必要な摂取カロリーが不足しています。
例えば、朝ごはんを食べていない女性は20代で20%以上、30代で10%以上にものぼります。
そこで、朝ごはんをしっかり食べるだけでも必要なカロリーを摂取することができる可能性があります。
また、カルシウムや鉄分については、乳製品やレバーを始めとした肉類、魚介類、豆類、小松菜などに豊富に含まれています。
バランスのいい食生活を心がけましょう。