妊娠31週目の「母親の体」と「赤ちゃん」の様子について解説します。
この時期、母親の体調はどうなっているのか、また、胎児のどこまで成長したのか紹介するとともに、逆子に関する不安についても解説します。
妊娠31週とは?
妊娠31週目とは「妊娠217日から223日」までの期間のことを指します。
日数:217~223日
出産までの日数:あと63~57日(※「出産予定日」から起算)
ついに妊娠8か月目も今週で終わり。
出産まで残り2か月です。
一方で、早産の期間はまだ5週間も続きます。
無理をして切迫早産にならないよう、仕事や家事では適宜休憩をとるようにしましょう。
母親の体の状態
妊娠31週頃は、お腹が張ることが多くなる
ママの子宮の大きさ(子宮底長)は約25~28cm程になっています。
大きな子宮によってママの内臓は圧迫され、日常生活にも影響が出てきます。
胃が圧迫されて胃もたれを感じるようになり、肺が圧迫されて息切れしやすい状態になっています。
また、膀胱がおされて尿の回数が増え、大腸おされて便秘になりやすい状況です。
胎動は一段と強くなって、眠りを妨げる原因にもなります。
一方で、子宮そのものもお産の準備が始まっています。
子宮の筋肉が収縮することが増えているため、お腹に張りを感じることが増えます。
そんなときは、少し休みましょう。
赤ちゃんの状態
妊娠31週目では、「さかご」もなおる時期
31週目の胎児の大きさは、身長が42~43cm程度、体重が1600~1800g程度までに成長します。
脂肪も筋肉も増えてきました。
胎児の皮膚は「赤ちゃん」という名にふさわしい赤い色になっています。
それでもまだ脂肪の量は少なく、体中にたくさんの「しわ」があります。
万が一、この時期に誕生したとしても、泣き声を上げることができ、看護のもとで生き延びることができます。
この頃には、「さかご」だった赤ちゃんも、多くの場合、正しい姿勢(頭位)になっています。
ママがやるべきこと―逆子を心配し過ぎない―
まだ逆子はなおる確率が非常に高い
週2回の妊婦健診で「さかご」が続くととても不安になりますよね?
でも、31週の今の時点で「さかご」だとしても、まだまだ頭位になる可能性が高いのです。
そもそも、逆子で生まれる確率は3~5%にすぎません。
それに対して妊娠30週頃に逆子になっている割合は20%程度もあります。
つまり、いま逆子だったとしても約80%の確率で頭位に戻るのです。
逆子を直す方法として「さかご体操」や「針灸治療」などがありますが、残念ながらいずれも逆子が直るという明確な根拠はありません。
そもそも80%の確率で戻るのですから、さかご体操や針灸治療の効果により直ったとは言えないのです。
それでも主治医の指示のもと、体に負担をかけない程度にやってみてもいいでしょう。
万が一、逆子のままだった場合、ママが望む自然分娩は行われません。
でも帝王切開だとしても、赤ちゃんは元気に生まれてきますよ。
<参考書籍>
妊産婦のための食生活指針
母性看護学概論
母性看護学各論
家庭の医学大辞典
はじめての妊娠・出産百科
初めての妊娠・出産
はじめての妊娠・出産 安心マタニティブック
マイマタニティダイアリー