離乳食が始まると、赤ちゃんに食べさせやすいように椅子に座ってもらいたいと思うようになります。
リクライニングができるソファタイプのチェアも便利ですが、離乳食の食べこぼしをサッと掃除できない点が不便です。
そこで、いつからどんな椅子に座れるようになるのか解説します。
赤ちゃんは生後6カ月頃からお座りがはじまる
椅子に座れるようになるためには、赤ちゃん自身がお座りできる必要があります。
お座りは寝返りで移動をするようになる生後6か月頃から、少しずつできるようになります。
6カ月では、まだ自分でお座りの姿勢になることはできません。
親が赤ちゃんの体を持ち上げてお座りの姿勢にしてあげる必要があり、ほんの数秒間できお座りの姿勢ができる程度です。
少し慣れてくると、両手を床につけて何とか上半身を支えることができるようになりますが、背中を丸めた前傾姿勢でのお座りとなります。
7か月を過ぎてしばらくすると、ようやく背筋が伸びて、両手の支えがなくてもお座りができるようになってきます。
そして8か月を過ぎてハイハイができるようになると、親の助けなく自分の力でお座りの姿勢ができるようになります。
なお、発達には個人差があります。
周りと比べてお座りが遅いからと言って、わざわざ練習をさせる必要はありません。
ずりばいやハイハイは全身の筋力を使う良い運動であるため、お座りに必要な運動機能が鍛えられ、練習をしなくても自然とできるようになります。
タイプ別でみる椅子の座れる時期
以上のように生後6か月頃からお座りが段階的に発達していきます。
さて、ひと口にベビーチェアと言っても様々なタイプがあります。
いつから使えるかは製品によって異なるため、それぞれ紹介していきます。
1.バンボタイプ
「バンボ(Bumbo)」とは南アフリカ共和国のベビーチェアメーカーの名前です。
バンボ社が製造している椅子は、太もも部分がくり抜かれており、椅子全体で赤ちゃんの体を包み込んで支える構造になっています。
カリブなど類似の形状をした商品も多数出回っていますが、総称して「バンボタイプ」と呼ばれています。
バンボタイプは、体にピッタリとフィットする構造のおかげで、筋力や運動機能が未熟な生後6カ月の赤ちゃんでも座ることができるようになっています。
ベビーチェアとしては最も早くから使えるタイプではありますが、赤ちゃんに特化したアイテムであるため、最長で3歳までの使用可能期間が短いという欠点があります。
2.木製ハイチェアタイプ
木製のハイチェアタイプは小学生になっても使える長寿命設計であるため、一定の人気があります。
このタイプは、必ずしも体にフィットするわけではないため、基本的には、自分の力で背筋を伸ばしてお座りすることができる7か月頃から使用ができます。
ただし、メーカーごとに形状に大きな差があるため、実際に座らせてみて、体に密着する造りになっているのであれば6カ月からでも使用が可能なものもあります。
なお、このタイプは存在感があって場所を取ることと、値段が高価であるという問題があります。
3.テーブル固定タイプ
自宅だけでなく実家への帰省や外食でも活用できるテーブル固定タイプは、プラスチック製や木製のベビーチェアと異なり座面が滑りにくく、座面も狭いため、ずり落ちが少ないという特徴があります。
そのため、お座りが始まったばかりの6カ月頃から使用することができます。
このタイプを製造しているメーカーの多くは、5ヵ月からでも使用ができるとしているため、離乳食の開始とともに使うことができるベビーチェアであると言えます。
とは言え、実際に5か月で使うと上半身がぐらぐらしてしまい、まだ安定感はありません。
なおテーブル固定タイプは3歳で使用ができなくなる上に、親が持ち上げてあげないと、自分の力では座ることができないという欠点があります。
4.自立ローチェアタイプ
ベルトなどのサポートが全くついていない椅子の場合には、お座りができるだけでなく、安定した「あんよ」ができるレベルのバランス感覚が必要であるため1歳6カ月頃から安全に使用することができるようになります。
とは言え、実際には自分でお座りができて、つかまり立ちができる10カ月頃には、自立タイプの椅子に座って離乳食を手づかみ食べるということができてしまいます。
1歳未満での使用は安全上お勧めできません。
どうしても使用するのであれば親がずっとそばについて離れないようにする必要があります。
なお、大人と同じハイタイプの自立チェアは、2歳頃から使用することができます。