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赤ちゃんが歩けるようになると、お散歩をしたり公園で遊んだりと子育てがますます楽しくます。
「早く歩くようにならないかな?」と楽しみに待っているママ・パパもたくさんいることでしょう。
そこで「ひとり歩き」ができるようになるまでの発達過程について詳しく解説します。
赤ちゃんが歩きはじめる時期
厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査」によると、90%以上の赤ちゃんが「ひとり歩き」できるようになる時期は、1歳3か月末となっています。
「ひとり歩き」とは、何もつかまらずに赤ちゃん一人の力で2~3歩程度、歩ける状態を指します。
いわゆる「つかまり歩き」は、歩けるようになったとは見なされません。
なお、歩くようになる時期には個人差があります。
「ひとり歩き」の場合、早い赤ちゃんであれば生後9か月から、遅い赤ちゃんであれば1歳4か月にようやく完成する子もいます。
平均すると月齢12か月(1歳0か月)で「ひとり歩き」がはじまります。
「ひとり歩き」ができるようになるまで
それでは、赤ちゃんが一人で歩くようになるまでの発達経過を月齢ごとに見ていきましょう。
月齢8か月
赤ちゃんの運動機能は、「首座り」から始まり、「寝返り」「ひとり座り」「ハイハイ」と進んでいきます。
これは、赤ちゃんの筋肉(神経)の発達が、体の「中心」かつ「上部」からはじまって、その後、順を追って「下半身」及び手足の「末端」が発達することを示しています。
歩くようになるためには、下半身や足首、足の裏といった末端の発達も必要です。
月齢8か月では「首座り」と「寝返り」はすでに完成していて、さらに「ひとり座り」も85%以上の赤ちゃんができるようになっていますが、歩けるようになるのはずっと先になります。
月齢9か月
約90%の赤ちゃんは「ずりばい」か「はいはい」ができる時期です。
歩くようになるまでは「はいはい」が自力で移動するための唯一の手段です。
赤ちゃんはどんどん好奇心が強くなり、「はいはい」で様々な場所を探索します。
「はいはい」という手足や体幹を使った全身運動を日々続けることで、歩くために必要な下半身の筋力を養うことができるのです。
なお、この時期に「ひとり歩き」ができる赤ちゃんは約5%です。
月齢10か月
約90%の赤ちゃんが「はいはい」に続いて「つかまり立ち」もできるようになりました。
ついに運動機能の発達が下半身へと進展してきました。
「つかまり立ち」ができるようになると、「ひとり歩き」まであと一歩という気がしますが、実際には歩くようになるのはまだまだ先です。
「たっち」ができるようになってから「あんよ」ができるまでの期間は、個人差がありますが、およそ4か月~6カ月もかかります。
「『たっち』からなかなか進まない。」と不安になるかもしれませんが、それは普通のことなのです。
なお、この時期に「ひとり歩き」ができる赤ちゃんは約10%です。
月齢11か月
「ハイハイ」と「つかまり立ち」を何度も繰り返す時期です。
ハイハイにも慣れて、さらに足の膝をつかないで移動する「たかばい」をする子も出てくるでしょう。
なお、この時期に「ひとり歩き」ができる赤ちゃんは約35%です。
つまり、1歳になるこの時期に歩けなかったとしても、決して発達が遅いわけではないのです。
月齢12か月(1歳0か月)
残念ながら、まだまだ「はいはい」と「つかまり立ち」を繰り返している時期です。
成長がゆっくりになったと感じるかもしれませんが、人類が何百万年もかけて獲得した「二足歩行」という運動能力を、わずか数か月で完成させるのですから、奇跡と呼ぶべき素晴らしい進化なのです。
そろそろ「つかまり立ち」から手を離して、少しの間「たっち」ができるようになる頃です。
「はいはい」も大人がビックリするようなスピードで移動するようになります。
このように歩くために必要な筋力やバランス感覚が少しずつ成長しています。
なお、この時期に「ひとり歩き」ができる赤ちゃんは約50%です。
月齢1歳1か月
相変わらず「ハイハイ」ばかりで「たっち」や「あんよ」に興味を持たない子もいれば、「たっち」は何度もするけれど、なかなか一歩が踏み出せない子もいることでしょう。
しかし、歩けるまであと少しのところまで来ています。
なお、この時期に「ひとり歩き」ができる赤ちゃんは約70%です。
月齢1歳2か月
つかまり立ちから、1歩踏み出す赤ちゃんが多くなってきます。
本当はもう歩けるだけの身体能力を獲得しているのかもしれませんが、慎重な性格の子供は、なかなか1歩、2歩と踏み出してくれません。
1歳を過ぎると言葉を使い、感情も複雑になる時期ですから、赤ちゃんの性格も少なからず影響します。
なお、この時期に「ひとり歩き」ができる赤ちゃんは約80%です。
月齢1歳3か月
ようやく9割以上の赤ちゃんが歩けるようになりました。
しかし、2~3歩ほど歩く程度で、「よちよち歩き」にも満たないかもしれません。
1歳半頃までは「ハイハイ」もしながら、歩く距離がどんどん長くなってきます。
歩くための練習は必要か?
結論から言えば、歩くための練習は必要ありません。
歩く練習と言えば、「歩行器」を使うことや、親が赤ちゃんの両手を持って一歩ずつ歩かせるなどの方法が考えられます。
しかし、このような特別な練習をしなくても、赤ちゃんは発達の段階に応じて、必要な練習を普段の生活において行っています。
その際たる運動が「ハイハイ」です。
「ハイハイ」は手足や体幹を使った全身運動ですので、これに勝る歩行の練習はありません。
むしろ「ハイハイ」などをあまりしないまま「あんよ」を始めてしまうと、バランスを崩した時に上手に手を付けず、顔などに怪我を負う可能性が高くなるという指摘もあります。
もどかしいかもしれませんが、育児は待つことも大切です。