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同じ月齢の赤ちゃんと比べて「はいはい」が遅いと気にしているママ・パパは少なくありません。
「はいはい」ができるようになるためには練習が必要なのか?
どんな練習方法があるのか?
という「はいはい」に関する疑問について解説します。
「はいはい」の練習をする必要がない理由
まず、大前提として「はいはい」が周りの子よりも遅いからと言って、特別な練習をする必要はありません。
その理由は3つあります。
1.「はいはい」は最も個人差が出る運動機能である
まず、客観的な事実として「はいはい」はできるようになる時期の個人差が非常に大きいという運動であると言えます。
厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査」に基づき、6種類の運動機能について、5%以上の赤ちゃんができるようになる月齢と、95%以上の赤ちゃんができるようになる月齢を表にしました。
運動 | 5%以上になった月齢 | 95%以上になった月齢 |
---|---|---|
首座り | 2ヵ月 | 5ヵ月 |
寝返り | 3ヵ月 | 6ヵ月 |
お座り | 5ヵ月 | 9ヵ月 |
はいはい | 5ヵ月 | 11ヵ月 |
たっち | 6ヵ月 | 12ヵ月 |
あんよ | 10ヵ月 | 16ヵ月 |
「首座り」から「お座り」までは、完成する月齢の個人差は3~4か月程度ですが、「はいはい」から先の運動については6カ月もの個人差があるのです。
つまり、周りと比べてまだ「はいはい」ができないからと気にする必要はありません。
それは赤ちゃんの個性であり個人差に過ぎないのです。
特別な練習をしなくてもその子なりの時期がくれば「はいはい」するようになります。
ただし、95%以上の赤ちゃんが獲得する月齢になっても、まだできないようであれば、一度、かかりつけ医に相談してみるとよいでしょう。
2.成長には「順番」と「個性」がある
赤ちゃんの運動機能の発達には順番があります。
最初は首などの「上半身の中心」部分が発達して、その後「上半身」から「下半身」、体の「中心」から手足の「末端」へと発達が進みます。
そのため、運動機能を獲得する順番としては以下のようになっています。
「寝返り」や「ひとりすわり」ができないのであれば、「はいはい」もできないのが普通です。
順番を飛び越して特定の運動機能を練習させるのは好ましいことではありません。
一方で成長には「個性」があります。
特に「ひとりすわり」と「はいはい」は入れ替わることがよくあり、また生活環境によっては「はいはい」と「つかまり立ち」が入れ替わることもあります。
「はいはい」が取り残されたからと言って、過度に心配する必要はありません。
その子なりの成長の仕方があるので、待っていれば自然に「はいはい」ができるようになります。
3.「ずりばい」もはいはいのひとつ
中には「ずりばい」の期間が長く、「はいはい」をほとんどしない赤ちゃんもいます。
これも成長における個性のひとつです。
「はいはい」や「たかばい」が遅くても心配する必要はありません。
「ずりばい」も「はいはい」と同じく手足を使った全身運動であるので、赤ちゃんの筋力(神経)の発達には欠かせない運動です。
「ずりばい」ばかりしているからと言って、無理に腰を持ち上げてハイハイの姿勢を覚えさせる必要はありません。
赤ちゃん自身がハイハイしたくなった時に、自然と始めるようになります。
全身の運動機能を高める6つの遊び
無理にハイハイをさせるような練習は不要ですが、赤ちゃんの運動機能の成長には全身の筋力を使った遊びが最適です。
ママ・パパとの遊びを通じて、運動の発達をサポートするとともに、親子の愛情を深めていきましょう。
1.おもしろマット
ハイハイができない赤ちゃんは、そもそも、あまりうつ伏せをしていないのではないでしょうか?
中には「うつ伏せが嫌い」という赤ちゃんもいるので、うつ伏せをすると「色んな発見があって楽しい!」という環境を作ってあげましょう。
こちらのようなベビージムがよく売られていますが、マット部分におもちゃや仕掛けが付いている商品を選ぶと良いでしょう。
そして、仰向けで遊ぶ部分は取り除き、吊り下げるはずの飾りも全てマットに置けば、自然とうつ伏せで遊ぶようになります。
また、安価なラグマットを買ってきて、おもちゃを縫い付けたり、タグのようにフェルトを縫い付けることで、ベビージムを手作りすることもできます。
赤ちゃんはタグのように出っ張っているものが大好きなので、さわってなめるイタズラをするようになります。
2.とってとって
とにかくうつ伏せで動き回ることが、一番の全身運動です。
お気に入りのおもちゃを手を伸ばしても届かないところに置いて、思わず動きたくなるようにしましょう。
おもちゃを点々と置いておけば、ずりばいで移動するようになります。
3.クッションゆらゆら
バランスを取ることが難しい柔らかいクッションの上に、うつ伏せで置いてみましょう。
そして、ゆっくりクッションを揺らすことで、赤ちゃんが必死にバランスを取ろうとして、全身をバタバタさせるので、良い運動になります。
4.飛行機
パパ・ママが仰向けに寝て、赤ちゃんを飛行機のように持ち上げて、前後左右に動かしましょう。
また、同じくパパ・ママが仰向けに寝たまま、赤ちゃんを抱きしめて、左右に体を揺らします。
いずれも、赤ちゃんはバランスをとるために自然と全身に力が入ります。
5.壁キック
「ずりばい」も「はいはい」も足を上手に使うことが必要です。
そこで、赤ちゃんをうつ伏せにして、赤ちゃんの足の裏を、両手で持って押してみましょう。
赤ちゃんは曲がった膝をもとに戻そうとして、足を延ばします。
このとき、赤ちゃんの足の力に負けないように、両手を壁のように固定すると、赤ちゃんの体は前に押し出されます。
ママが赤ちゃんの足を押して、赤ちゃんが膝を伸ばすという動きが連続すると、前に進んでいきます。
股関節周りの筋肉を使う、ふれあい遊びになります。
6.洗濯はこっち
7~8か月を過ぎると、ママへの愛着が深くなって、ママがしている家事にも興味を持ちます。
特に洗濯物を畳んでいると、赤ちゃんが洗濯物をつかんで遊ぶようになります。
そこで、赤ちゃんから少し離れたところで洗濯をして、赤ちゃんが洗濯物を目がけてズルズルと移動するのを促してみましょう。