上手な子供の叱り方

子供を上手に叱るための方法を解説します。

子供が可愛くて叱ることができない父親、つい感情的に叱ってしまう母親などなど、子育てでは「叱り方」の悩みはつきものです。

本当に子供のことを考えて、教育の一環としてしっかりと叱ることができる親になりたいものです。

なぜ子供を叱る必要があるのか?

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幼児期の教育に関する「ペリー就学前プロジェクト」、「アベセダリアンプロジェクト」という2つの調査をご存知でしょうか?

この調査で明らかにされた結果について、ごく簡単に説明すると、「人生の成功には、学力(頭がいい)だけでなく、努力や忍耐なども必要であり、それは幼児期の過ごし方が影響している」と言うことです。

さらに詳しい内容を知りたい場合にはこちらの本を参考にしてください。



『幼児教育の経済学』ジェームズ・J・ヘックマン (著)

子供を叱ることができない甘い父親は「まだ小さいんだから、何を言ってもわからないよ」と思いがちです。

しかし、2歳・3歳の早いうちから、いっぱい褒めることはもちろん、いけないことはしっかりと叱って、忍耐力も養わせる必要があるのです。

子供の叱り方

1.子供を甘やかしていないか?

まずは、親としてしっかり叱れているか、甘やかし過ぎていないか振り返ってみましょう。

次の3つについて叱ることはできていますか?

1.危険なこと
2.マナーを守らないこと
3.親を困らせること(いたずら)

もし、これら全てについて叱っていないとしたら甘すぎると言われても仕方ありません。

まず、「1.危険なこと」をした場合には、絶対に叱るべきです。

その子の身を守るため、あるいは、人を傷つけないために必要だからです。

一方で「3.親を困らせること(いたずら)」については、叱りすぎると好奇心をしぼめてしまうこともあります。

むしろ、どうしてもいたずらされたくないことは、そうできないような環境を作るのがベターです。

たとえば、キッチンの調理用具を勝手に出して遊んでしまうことに困っているのであれば、さわっても許せるものだけを残して、他は手の届かないところに移動するなどします。

甘い親かどうかを判定するには「2.マナーを守らないこと」をした時に叱るかどうかでわかります。

例えば、1~2歳の子供が食事中にテーブルに足を乗せたとします。

食事における明らかなマナー違反です。当然、叱ったほうがいいでしょう。

しかし、何でテーブルに乗せてはいけないのかという理由は1、2歳の子供では全く理解できません。

仮に「テーブルが汚れるから足を置いてはダメ」と叱った場合、「テーブルが汚れるから」という理屈ではなく、単にパパとママが「ダメッ!」て言うからダメなんだと感じる程度です。

つまり、「本当は叱ったほうがいいけど、今はわからないだろうし、そのうち直るだろう」というケースが非常に多いのです。

そのため、マナーを守らないことに対してしっかり叱る親もいれば、「まだ2歳だから」と言って叱らずに時を待つ親もいたりするのです。

2.「こうして欲しい」を繰り返し伝えよう

では、実際にどのように子供を叱れば良いのでしょうか?

子供が危険なことをしたら

まず、「3.危険なこと」については、「ダメ!あぶない!」と親であれば反射的に叱ることができるでしょう。

そして、少し冷静になったら子供の目を見て「危ないから、ダメでしょ。怪我でもしたらパパ、ママは悲しいよ」と親の気持ちをしっかり伝えるようにします。

なお、危険なことをしたのに叱れないのであれば、少し親としては心配です。もしかしたら、我が子に興味が持てないのかもしれません。

家事や仕事で子供と関わる時間が少なすぎると、子供への興味や愛情が持てないこともあるので、できるだけ時間を作る努力をしましょう。

もしくは、親自身に精神的な悩みや病気を抱えているとしたら、周りの人や専門医に相談しましょう。

子供がマナーを守らなかったら

2歳、3歳の小さな子供にマナーを守らないといけない理由をわかってもらうことは、とても難しいことです。

だからこそ、子供は何度も同じマナー違反を繰り返して親をイライラさせてしまうのです。

そんな時はもちろん理屈ではなく「ダメなものはダメだ!」と叱っても構いません。

しかし、その一方で「こうして欲しい」と真剣な表情で繰り返し伝えることがより大切です。

例えば、食事中に足をテーブルに乗せたとしたら「足はイスの下だよ。」、食事中にスプーンを床に投げたら「スプーンはここ(テーブル)に置くよ。」、と言った具合です。

小さな子供は「ダメ!」な理由までは分からなくても、どうするべきかは分かるようになります。

もちろん1度や2度では分かってくれないので、直るまで何度も言い続けることがポイントです。

例えば、テーブルに足を乗せるたびに「足はイスのした」と5~6回言い続けていれば、次にやったときに「足はどうするの?」と言えば、「下に足をおろす」ということができるようになります。

3.本当に困った時の叱り方

しかし、状況に応じて、どうするべきか分かっていても繰り返してしまうのが2~3歳の時期です。

何度言っても聞く耳をもってくれない2歳児・3歳児に対する最終的な叱り方を紹介します。

いわゆる「一罰百戒」です。

具体的な使い方はこうです。

子供が食事中にテーブルに足をあげました。

その瞬間、さっとご飯を引き上げて「足を上げてると、ご飯ないないダヨ」と言うのです。

もちろん、いきなりこのように罰してはいけません。

何度も注意をしていて、やってはいけないことだと子供が理解している場合にのみ使います。

また、叩いたり、「そんな子は嫌いだから抱っこしない」というような子供の性格や存在を否定するような罰し方は決してしないようにします。

あくまでも、そのマナー違反によって、現実的に起こりうる不利益を体験させるのみにします。

例えば、実際にレストランで足をテーブルに上げていたら、お店から出されてしまいますよね?

上手な叱り方をまとめると、次のような順番になります。

1.どうして欲しいか、繰り返し伝える
2.やめないと残念な結果になることをわからせる
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