子供に「節分ってなに?」と聞かれて応えることは出来ますか?
節分の由来や豆をまくようになった理由をわかりやすく解説します。
節分の由来【基礎講座】
1.「節分」とは何か?
そもそもの節分とは、春・夏・秋・冬の季節が始まる日の「前日」のことを指します。
季節が始まる日とは「立春(2月4日)」「立夏(5月5日)」「立秋(8月7日)」「立冬(11月7日)」の4つの日を指します。
2月4日と言うと、寒さが厳しい真冬と思いがちですが、暦の上では春が始まる日なのです。
「春=暖かい」というイメージを持ちますが、立春は「この日を境に厳しい寒さも少しずつやわらいで、暖かくなりますよ。その始まりの日ですよ。」という意味になります。
ところで「節分」といえば、通常は2月3日を指し、他の季節を「節分」と呼ぶことはありません。
これは4つの節分のなかでも「立春」は1年の始まりの日とされ、日本では特に重視されてきたからです。
実際、江戸時代に用いられていた旧暦では、立春の前後に「正月(旧暦の正月)」が訪れます。
現代の正月は、前日を「大晦日」と呼び、年越しそばを食べて厄落としをしますが、同様に立春の前日を「節分」といって、豆まきをして邪気を追い払うのです。
ちなみに、もともとは「大晦日」と「節分」は同じ日を指していたのですが、時代の変遷により暦が変化したことで、別々の日になったようです。
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2.豆まきの由来と意味
「続日本書紀」によると、文武天皇(飛鳥時代)に豆まきの起源となったと呼ばれる宮中行事が始まったとされています。
この宮中行事は、「追儺(ついな)」または「鬼儺(おにやらい)」と呼ばれていました。
大晦日(現在の節分)に、4つ目のお面を被り、赤い装束を着た「方相氏(ほうそうし)」が矛と盾を打ち鳴らすと、続いて100人の子供達や群臣が「桃の弓」を使って鬼に扮した役人を追い払うという儀式です。
「方相氏(ほうそうし)」というのは中国(紀元前1000年頃の周)の官職のことあり、「追儺」の儀式は中国から伝わったものなのです。
宮廷の権威が強かった平安時代には、鬼退治の「桃太郎」でもお馴染みの「桃」を使って鬼を追い払っていましたが、武家社会の到来により「豆」が使われるようになり、江戸時代には「豆まき」が一般化しました。
中国では、桃は「百鬼を防ぐ」ものであり、鬼が最も苦手なものとされていましたが、同じく、豆についても「魔を滅する」ものとして、災厄を払うものだとされていました。
こうした考え方が日本にも伝わり、豆を使って邪気(鬼)を払い、さらに栄養価の高い豆を食べることで無病息災を願う習慣として節分の豆まきが定着したのです。
節分の由来【子供向けQ&A】
節分を始めとした様々な行事は、日本の豊かな四季や食文化と密接に結びついています。
そのため子供たちに行事の由来をお話しすることで、季節を見つめなおし、食べることの楽しさを育むことができます。
子供向けにお話しする節分の説明をQ&A式で紹介します。
節分ってなに?
節分は冬のさいごの日で、次の日からは「りっしゅん」といって春になるんだよ。
春なの?まだ寒いよ!
これから梅の花も咲き始めて、どんどん春らしくなっていくから楽しみだね。
なんで鬼が来るの?
節分は冬から春に季節が変わる日だから、鬼が来るんだね。
鬼は、病気や地震、火事などの「わざわい」を運んでくるものと言われているの。
節分の頃は、寒くて風邪とか病気になりやすいでしょ?
昔はどうして病気になるのか、どうしたら治せるのかわからなかったから、病気になると「鬼」のしわざだと信じられていたんだよ。
なんで鬼に豆をまくの?
豆だけじゃなくて色んな食べ物に「魔」を追い払う力があると言われているんだよ。
例えば、「桃」も鬼は大嫌いなの。
大豆はとても栄養があるから、食べることで病気にかかりにくい体になるよ。
昔の人は、大豆は体に良くて「鬼」つまり「病気」を寄せ付けないと経験から知っていたんだね。